統計学が見つけた野球の真理 最先端のセイバーメトリクスが明らかにしたもの
鳥越規央(著)
/ブルーバックス
作品情報
野球の必勝法とはなにか? 統計学的にその答えを追求し、メジャーリーグの「お荷物」を
常勝軍団に変身させ、一躍その名を知られた「セイバーメトリクス」。その進化はとどまる
ところを知らず、野球場で起きているあらゆることを「数字」にするため新しい指標が次々
に考案されている。さらにテクノロジーの発達は、選手やボールの動きの精密な計測を可能
にし、それらビッグデータの解析によって、野球というスポーツの本質さえ解き明かそうと
している。はたして野球とは、どのような競技なのか? 日本のセイバーメトリクス研究の
第一人者がRSAA、wRAA、UZR、UBR、フレーミングなどの新指標を駆使しながら、本当
に勝利に結びつくプレーと戦術について考察する。
大谷翔平の「二刀流」はMVPに本当に値するのか、スワローズ&バファローズの史上初の
W下剋上はなぜ起きたかも、数値を見れば一目瞭然!
・投手の評価は「守備」や「運」に大きく左右されている
・打者の本当の貢献度を「得点」に換算してみると
・守備の「うまさ」をどうすれば正確に測れるか
・盗塁は70%以上成功しないと「赤字」である
・犠牲バントの「損益分岐点」は出塁率でどのくらいか
・球審のジャッジは実はかなり「恣意的」である
・「勝負強さ」をどう数値化するか
などなど、野球の見方がいやでも変わる新知見満載!
目次
序 章 セイバーメトリクスの歴史――草創期から「革命」まで
第1章 セイバーメトリクスの原理――どのように「数値化」するのか
第2章 投手の指標――どこまでが「責任」なのか
第3章 打撃の指標――「得点創出能力」をいかに表すか
第4章 セイバーメトリクスの可視化――「下剋上」の原動力とは
第5章 パークファクター――野球は「場所」によって変わる
第6章 守備の指標――「未開の領域」に光を当てる
第7章 走塁の指標――「足」でどれだけ稼げるのか
第8章 総合指標――「二刀流」を評価する
第9章 セイバーメトリクスの革命――テクノロジーが明かす真実
第10章 プロ野球の未解決問題――これからのテーマ
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商品情報
- 著者
- 鳥越規央
- ジャンル
- サイエンス・テクノロジー - 数学・物理学・化学
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- ブルーバックス
- 書籍発売日
- 2022.03.17
- Reader Store発売日
- 2022.03.17
- ファイルサイズ
- 25.6MB
- ページ数
- 248ページ
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この作品のレビュー
平均 3.6 (12件のレビュー)
-
最近のスポーツ競技は詳細なデータ収集・解析が行われており、競技者の技術力向上や能力評価に使われている。
野球では、打者なら打率・打点・本塁打、投手なら防御率・勝利数・奪三振数が重要視されている。
野…球は昔も今も個人の記録を比べて楽しむスポーツでもあるので、今後も変わらないでしょう。
スポーツは相手に勝つことを目的としているので、勝つために有意義なプレーを正当に評価しなくてはなりません。
そこで新しく重要視されてきたのが、セイバーメトリクスが編み出した指標だ。
さまざまなプレーを得点化し、勝利への貢献度が示されるように工夫・改善されている。
過去のデータを調べて、打率よりも出塁率や長打率が得点との相関関係が強いことが分かった。
そこで、出塁率と長打率を足した指標"OPS"がMLBでは公式記録となり重要視されている。
打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の勝利への貢献度を表す指標が"WAR"である。
昨年度の大谷翔平のOPSは、.965で2位の成績。
大谷の場合、走力も高いので走塁での加点はあるが、DHなので守備では大きな減点がある。
その結果、野手としてのWARは10位になる。
だが、投手としての成績を加えるとメジャーでトップのWAR値になる。
単に二刀流の話題性だけでなく、こうした裏付けのデータがあるので、「満票」でMVPに選ばれたのだと説明されている。
日本では、原則優勝チームからMVPが選ばれるので昨年はヤクルトの村上だったが、WARで断トツのトップは広島の鈴木誠也だった。
パリーグのMVPは、優勝チームのオリックスの山本由伸がWARも断トツで順当な評価だった。
東京ドームは"ホームランが出やすい球場"だということは、野球解説などでよく耳にする。
2021年の本塁打パークファクターのデータも示されていて、出やすい順に示すと
1.44 神宮、1.40 東京ドーム、1.02 甲子園、1.02 横浜、0.70 マツダ、0.57 ナゴヤ
1.49 マリン、1.40 福岡、1.07 西武、0.82 京セラ、0.77 札幌、0.66 宮城
となり、球場の違いを加味した戦略を立てる面白さもあるが、球場によって差がありすぎるように感じる。
守備の指標は点数化するのが難しい。
昔はエラー数が少ないと守備がうまいとされたが、今はアウトを稼げる選手、さらにはアウト数よりも、どれだけ失点を減らしたかが評価される。
例えば1アウト、ランナー3塁で外野フライ。
並の選手が守っているならタッチアップだが、新庄やイチロークラスの選手が守っているなら本塁は狙わない。
3塁ランナーが足の速い選手なら、本塁突入で1点入ったかもしれない。
結果的に3塁ランナーはそのままで、アウトカウントが1つ増えただけになった時、外野の守備はどう評価すべきか?
守備の指標はいろんな条件を加味する必要があるので万人が納得する形での点数化が難しい。
盗塁は相手のバッテリーにもよるが比較的数値化しやすい。
成功すれば得点の確率が上がるし、失敗すれば下がる。
1アウト1塁で盗塁成功なら、1アウト2塁だが、失敗すると2アウトランナーなし。
成功は0.173の得点価値、失敗は-0.407というデータもあるので、70%以上の成功率でないと価値はない。
イチローの盗塁成功率は山田哲人と同じくらいで85%を超えており日本プロ野球でトップである。
盗塁と比べると走塁の点数化は難しい。3塁の走塁コーチが無謀に本塁突入を指示することもあるし、、、
最近では選球眼を正確に測ることにも取り組んでいるようだ。従来は四球の多さを判断基準にしていた。
今はボール球をスイングする割合を計っていたりする。この数値が小さい程良いとして検討してみる。
だが、イチローのようにこの数値が比較的高いのだが、ヒットにする率も高い選手もいる。
ルールで決めたストライクゾーンでなく、独自のヒッティングゾーンを持つ選手の指標にはならないのだ。
面白いと思ったのが実際のストライクゾーン。
これは、球審がストライクとコールしたゾーンのデータを見ると分かる。
ストライクゾーンは丸い。四隅はボールと判定されている。
3ボール後のストライクゾーンは広くなり、2ストライク後は狭くなる傾向も見て取れる。
先日、大谷翔平がインコース低めをストライク判定され見逃し三振となり、"No"と言って首を横に振っていたが、リプレイ映像を見るとストライクだ。
きっと、ボール判定されることが多い(ストライク)コースなのだろう。
随分前から、打者なら、打球の速さ・方向・角度、投手なら、投球の速さ・回転軸・回転方向・回転数・軌道の変化などが見れるようになった。
投手なら、直球と変化球を投げる時のフォームの違いも分かるようになった。
昨年度はヤクルトだけがホークアイというシステムを取り入れ、リーグ最弱だった投手陣の立て直しに成功したことが優勝に繋がった(らしい)。
捕手の守備力の評価も数値化するのは難しい。
盗塁阻止、捕逸、フレーミング、配球など要素はいろいろあるが、投手との兼ね合いが大きく純粋に捕手としての個の能力は算出しにくいだろう。
その他、勝負強さを評価する指標も考えられているようだ。
野球は、個々の選手が行うさまざまなプレーが数値化しやすいスポーツだと思う。
サッカーもプレーのデータをうまく数値化できれば観る目も変わるかと思うが、選手個人の記録について楽しむ余地が非常に少ないですね。続きを読む投稿日:2022.07.16
Money Ballの映画みたいけど、AmazonPrimeにならない。
ちと興味あったセイバーメトリクス、少し理解しようと、2冊関連する本を購入。その1冊目。
タイトルはやや大仰かもだけど、広く理…解深めることができた。
最近は、打球の角度やら飛距離やら軌道、こういうのがテレビでも表示されるようになってきてるけど、その裏には、映像・デジタル技術をスタジアムに展開する活動あり。
野球好きな人のアイデアで新たな視点のセイバーメトリクスが生まれるかも?
サッカーのほうは野球よりも先にデジタルデータ収集が進んでたイメージだけど、常に動き続けるスポーツで、こういう統計的な見方による知見ってあるのだろうか。続きを読む投稿日:2024.05.18
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