なぜ親はうるさいのか ──子と親は分かりあえる?
田房永子(著者)
/ちくまQブックス
この作品のレビュー
平均 4.1 (17件のレビュー)
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〈親との関係に悩むあなたへ〉
子どもの頃から母親から苦しまされていた筆者が、大人になり、母親になり、子供の頃の自分の気持ちや母親の気持ちを分析し、「親と子の関係」を書いた一冊。全編漫画書き下ろしです…。
親はうるさい。
本書でも最初に色々な親のうるさ型を示します。
「早くしなさい」系うるさい、ねちねちうるさい、爆音系うるさい、すぐねかしてきてうるさい、アドバイスうるさい
それに子どもが反応すると親はこう返すとも言っています。
あなたのため返し、お父さん巻き込み返し、極端返し、ひやかし返し、割り込み返し、急に弱り返し
そのような親の姿を見て、子どもは何も言い返せなくなってしまいます。
本書の第1章は、子供の頃の筆者が母親からどのような「うるささ」を受けてきてかが描かれています。読んでいると筆者が置かれていた状況が厳しく、読んでいて辛くなるところがあります。
筆者の体験を「分かる」と思う人もいれば「私の家はそれほどでもない(からそれほど辛くないのかもしれない)」と思う人もいるかもしれません。後者の人は筆者と自分の体験を比較して、辛くないと思っているのでしょう。けれど、本書の中でこういう考え方が示されています。
"「つらい」は人と比べなくていい"
"自分がつらいなら「つらい」でいい"
"親のことがイヤならイヤでいい"(p.43)
筆者の辛さと比較した人は、ぜひ自分自身がどう感じているかを大事にしてほしいと思います。
第2章では、大人になった筆者が、子どもの頃の自分は母親にどうしてほしかったのかを振り返ります。そこで、筆者は自分自身の事情を聞くということをします。
第3章では、子を産み母親になった筆者が、うるさかった母親の気持ちを分析します。自身の幼少期からの経験から「子の気持ちに耳を傾けるぞ」と決心していた筆者にも、子どもの気持ちに寄り添えない現実に直面します。
筆者は世の中を2つの面に分けて考えてみます。
人間がみんなで生きていくためのシステムや社会通念によって決まりごとだらけの「A面」
自然の摂理や生理現象など揺るぎなく逆らえない「B面」
の2つです。
そして、「B面」の塊である子に「A面」の意見を渡し伝える係が親にはあると気づきます。例えば、おもちゃで遊びたいために友達が遊んでいるおもちゃを取ってしまった子に「いきなり取ってはいけない」と教える親のように。
筆者はこの気付きから、筆者の母親が「A面」からの力が強くて、うるさくかったのではないかと分析します。例えば、屈託なくしゃべる子どもの筆者に対して、「相手の気分を悪くするようなことは言ってはいけない」というA面の気持ちが強くなっていたでのはないかと推測します。
第4章では、うるさい親との関わり方を示します。
筆者は距離をとっていた母親と、悩みつつも改めて会うことを決心します。母親からはあれこれと言われますが、対等に返答することで母親は納得し、両者は対話ができるようになります。
その後に、実際に今を生きる十代にむけて、親との付き合い方や自分の気持ちへの向き合い方を提案します。
本書の良いところは、筆者が極端な結論に至っていないところです。
「母親はひどい親だった。毒親だ」と断罪するわけでもなく、かといって「母親には母親の悩みがあったのだろうからしょうがない」と筆者の苦痛をなかったことにもしません。子どもの時の自分、母親、母親になった自分の立場からそれぞれ分析し、より良い方向に生きていこうと、ちょうといい塩梅を探っています。
今まさに親の立場にある方が読んでも、子との関わり方について考えさせられるのではないでしょうか。
読むと、親との関係や心理的な距離に悩んでいる十代に「幸せになってほしい」という筆者の念が感じられる本です。続きを読む投稿日:2022.03.19
昔私も母の娘だった。でも、今は息子と娘の母親。
母親業に忙殺されていると、小さかった頃の気持ちをなかなか思い出すことができない。
子どもは私とは別の人間。血は繋がっていても「コピーロボット」でも、まし…てや「私の人生の二周目」でもない。
自分の気持ちの声、子どもたちの気持ちの声両方に耳を傾けられる親でいたい。続きを読む投稿日:2024.02.01
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