エネルギーをめぐる旅――文明の歴史と私たちの未来
古舘恒介(著)
/英治出版
作品情報
資本主義、食料、気候変動…
「エネルギー」がわかるとこれからの世界が見えてくる!
火の利用から気候変動対策まで。エネルギーと人類の歴史をたどり、現代社会が陥った問題の本質と未来への道筋を描き出す。驚嘆必至の教養書。
・ヒトの脳が大きくなったのは火のおかげ
・文明の技術的発展を支えたのは森林だった
・リサイクルをしていた古代キプロスの人々
・省エネ技術はエネルギー消費を増やす?
・化石燃料資源の枯渇はいつ頃起きるのか
・110億人のための新しい豊かさの定義を探す
・自然界から「ほどほど」のテンポを学ぶ
……驚きのエピソード満載、エネルギーから読み解く文明論。
[第1部 量を追求する旅――エネルギーの視点から見た人類史]
第1章 火のエネルギー
第2章 農耕のエネルギー
第3章 森林のエネルギー
第4章 産業革命とエネルギー
第5章 電気の利用
第6章 肥料とエネルギー
第7章 食料生産の工業化とエネルギー
[第2部 知を追究する旅――科学が解き明かしたエネルギーの姿]
第1章 エネルギーとは何者か
第2章 エネルギーの特性
第3章 エネルギーの流れが創り出すもの
第4章 理想のエネルギー源は何か
[第3部 心を探究する旅――ヒトの心とエネルギー]
第1章 火の精神性
第2章 エネルギーと経済
第3章 エネルギーと社会
[第4部 旅の目的地――エネルゲイアの復活]
第1章 取り組むべき問題
第2章 目指すべき未来
第3章 私たちにできること
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この作品のレビュー
平均 4.5 (34件のレビュー)
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パワー!
ENEOS系のJX石油開発の技術管理部長さんによる、エネルギーを軸に人類史を概観・展望した、思いのほかスケールの大きい1冊、正直日本発でこんな著作が出てくるとは。驚きました。
「銃・病原菌・…鉄」を彷彿とさせるような独自の切り口で人類史を紐解いていて、本著の軸は著者のまさに専門でもあるエネルギー。
エネルギーについて考え続けてきた著者だからこそ編める1冊であり、本著は広く読まれる価値があるとも思いました。企業人だけあって、最新のSDGsの概念にまで触れられているのも流石と言えます。
昔のオザケンのアルバムのライナーノーツに、「熱」をテーマに語ったくだりがあって、熱はどうしても散らばっていってしまう中で、僕たちはどう体温を保っていったら良いのか?という文章だったと記憶してるのですが、ちょっとそことも繋がるような。
著者はそれを、「火は生命そのもの、生命の化身である」という超入り口のトコロからロジカルかつ丁寧に紐解いていってくれるので、納得感がすごい。
最後には、「実は人類の文明が生み出した数多の技術は、エネルギーの観点からみればその多くが省エネ技術に分類されるものです。」となる訳ですが、なるほど!となる。
一度読んだが最後、色々なモノを見る切り口に、勝手に「エネルギー」という観点が加わってしまう可能性がかなり高いのでは…という1冊です。
しかしそんな専門家の著者から見ても、バイオエタノールは「エネルギーの浪費」だとしていて、こういうのホントどうにかならんのかしら…と思ってしまいます。
本著を読了した上で、これからの人類の進む道を展望してみると、やはりなかなか厳しい。
ただ、著者が言うには「私たちはもはや簡単にできないといって投げ出すわけにはいかない状況に置かれています。」と。もはや我々は、諦めずに小石を投げ続けるしかない状況に置かれてしまっている。足元の日本の気候変動への"熱量"はイマイチ低い感じもしますが、それじゃいけないんだという感覚も抱きます。
著者が挙げていた水素技術の可能性、なんだか水素は「上手く行ってない技術」かと思ってましたが、可能性のある技術ならもっと引っ張れないのかしらと思ってしまいました。
自分が未来のために何ができるか、と考えると甚だ心許ないのですが、方向性を考える非常に良い1冊でした。
光熱費が高騰する中(笑、エネルギーについて考えてみるのも良いかもしれません。(高騰幅を考えると、正直あんま笑えないですが…)続きを読む投稿日:2023.02.26
エネルギー問題について、文明史や環境史、産業革命と資本主義、熱力学の法則といった様々な視点から捉えることができる良書だった。
1865年、クラウジウスは熱エネルギーから運動エネルギーへの変換における…エネルギー損失を説明するエントロピーという概念を考えた。高温槽から取り出される熱エネルギーの量と、運動エネルギーへ変換できずに低温槽へと捨てられる熱エネルギーの量は、両者をそれぞれの槽の温度で割った時、低温槽の数値の方が高温槽の数値より常に大きい値を取ることを示した。熱エネルギーの持つ不可逆性を数値化して明示的に示し、熱力学の第二法則として完成させた。
現在人類が耕作地として利用している土地面積は全陸域の12.6%を占め、牧草地として利用されている草地も加えて全陸域の40%が人類による食糧生産に使われている。残る陸域のうち、森林が30%、乾燥地帯や極寒の極地が30%を占めている。
資本の神が私たちに求めることは、経済が成長し続けることを信じること。経済成長の持続は、エネルギーの大量消費によって実現された。
日本の一次エネルギー供給量をすべて太陽光発電によって賄う場合、国土の5.5%に太陽光パネルを敷き詰める必要がある。洋上風力発電は、密集することによる出力の低下を防ぐことや航行する船舶の安全を考えれると、羽根の直径の十倍を空ける必要がある。そのため、洋上風力発電に必要な面積は太陽光発電で必要とされる面積の10倍以上になる可能性がある。これだけのまとまった面積を確保することは容易ではないため、住宅やビルの屋上なども有効に活用し、これらの小規模電源をつないで、地産地消を前提としながら不足分を融通し合う分散型システムを新たに設計していく必要性がある。続きを読む投稿日:2024.04.10
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