文部科学省 揺らぐ日本の教育と学術
青木栄一(著)
/中公新書
作品情報
文部科学省は2001年に文部省と科学技術庁が統合し、発足した。教育、学術、科学技術を中心に幅広い分野を担当する一方で「三流官庁」とも揶揄される。実態はどのようなものか。霞が関最小の人員、キャリア官僚の昇進ルート、減り続ける予算など実状を解説。さらに、ゆとり教育の断念、働きすぎの教員たち、大学入試改革の頓挫、学術研究の弱体化など続出する問題に迫る。官邸や経産省に振り回される現状は変えられるか。
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商品情報
- シリーズ
- 文部科学省 揺らぐ日本の教育と学術
- 著者
- 青木栄一
- 出版社
- 中央公論新社
- 掲載誌・レーベル
- 中公新書
- 書籍発売日
- 2021.03.25
- Reader Store発売日
- 2021.05.28
- ファイルサイズ
- 4.2MB
- ページ数
- 304ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (11件のレビュー)
-
日本の教育行政はかなり苦境に立たされている現実を知ることができる一冊
子供の学力の低下や研究力の低下がニュースなどで問題視されています。国の教育行政のトップである文部科学省はどういう組織か知りたくて読…んでみました。世間からの教育への期待が高まる一方で予算が減らされていく現実を知り、袋小路に入った気分になりました。でも知らないと公的な教育に過剰に期待することにもなり冷静になるためにも教育に興味がある方は読むことをオススメします。未来について考えさせてくれる有名な本「シン・ニホン」との記述と比較しつつ印象に残った点を書きます。
●文部科学省は3流官庁
一般人には官庁のなかに優劣があることの意味がわかりませんが、「シン・ニホン」で教育が日本の存亡を左右することが主張されているのにそのトップが3流扱いになっていることに驚きました。また3流官庁ゆえに「高校無償化」や「コロナによる学校休業」は官邸の政治的圧力で行わざるを得なかったことも驚きました。
1流官庁になれるかは族議員が票を取れる政策の管轄かどうかも影響しているという闇深い事も知ることができました。つまり子供を産むのは1流官庁の厚労省の管轄でその後の教育は3流官庁の文部科学省の管轄。なんか騙された感ありませんか?でもこの構造を一朝一夕で変えることはできなさそうなのは素人でもわかり、国に今後の教育行政を期待していいのかと感じました。
●財務省には弱く、教育委員会や国立大には強い
国立大学への予算が年1%ずつ減っており小さい予算をめぐって国立大学が争っていることをご存知でしょうか?高齢化による社会保障費の激増で年々国としての予算は増えているのに教育への予算は減っているのです。「シン・ニホン」では高齢者への予算をほんの少し科学や教育に回すだけで大きな成果が見込めることが提案されています。また「シン・ニホン」著者の安宅和人さんは国の会議の委員を歴任していて色々提案されているそうです。でも実現しないのは文部科学省の会議が多いからでしょうか・・。
●国立大の自立
今まで頼ってきた国からの補助金が減少する中で従来の教育サービスを実現するにはどうすればよいか?それは国立大学自身がお金を稼ぐ力をつけるべきとのこと。海外のトップ大学は寄付金や特許収入などが日本とケタ違いなことが紹介されています。自己収入の増加は国立大学全体に言える喫緊の課題といえます。今後の動きに注目したいと思います。なお、「シン・ニホン」でも国立大学が自己収入を増やすべきだということは提案されています。
●他に気になった点
・PTAは専業主婦が学校のためにお金ではなく時間を差し出してきた経緯があり時代にそぐわなくなってきている。
・博士号を持つ人材など付加価値のある人材に見合った賃金を出せない日本企業
●本書のオススメの読み方
3から5章を読むだけで今まで書いてきた文科省の教育行政の課題について読むことができます。
1から2章は文部科学省という組織の成り立ちやどんな部署があるかに興味がない方は飛ばせるので早く読めます。わたしは読んでいて結構冗長だなと感じてしまいました。逆に就活で文部科学省を目指す方にとってはどのパンフレットよりも詳しい文部科学省の組織の説明なので絶対に読んだほうがよいです。続きを読む投稿日:2021.05.29
教育を制度論で語る際には欠かせない1冊かと。社会から様々なプレッシャーを受けるが故に迷走する文部科学省には少し同情してしまいます。その迷走の結果、一番疲弊しているのは、現場の教員だと思います。
投稿日:2024.05.09
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