日米戦争と戦後日本
五百旗頭真(著)
/講談社学術文庫
作品情報
日本が緒戦の勝利に酔っている頃、アメリカはすでに対日占領政策の立案を始めていた!
「真珠湾」から半年余、わが国が緒戦の戦勝気分に酔っていた頃、米国ではすでに対日占領政策の検討に着手していた。そして終戦。3年の歳月を要した米国による戦後日本再建の見取り図はどう描かれ、それを日本はどう受け止めたか。またそれを通じ、どう変わっていったか。米国の占領政策が戦後日本の歴史に占める意味を鳥瞰する。吉田茂賞受賞作。
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 日米戦争と戦後日本
- 著者
- 五百旗頭真
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社学術文庫
- 書籍発売日
- 2005.05.11
- Reader Store発売日
- 2021.01.29
- ファイルサイズ
- 8.8MB
- ページ数
- 304ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 4.7 (10件のレビュー)
-
いよいよ平成の時代が終わりを迎え、象徴天皇として歩まれた天皇陛下のお姿を紹介する報道、論評を耳にすることが多くなりました。
本書は、日本外交史の専門家による第二次大戦の戦後処理を概説した一冊。象徴天皇…制がどういう政治過程で決まったのかについても言及され、興味深く読みました。
1941年12月の日米開戦を受け、米国が戦後の日本占領政策の検討に入ったのは1942年夏。日本が緒戦の勝利に酔いしれていた時期でした。
第一次大戦時に明確な戦後処理計画をもたなかったことが、敗戦国ドイツに対する苛烈な賠償要求、その結果としてナチスドイツの伸長につながった反省から、米国内の日本専門家が国務省に集められました。
開戦からわずか半年で占領政策を構想し始めたという時間的視野も勿論ですが、「日本と戦い占領するなら日本をもっとよく知らなければならない」というプラグマティックな思考の柔軟性にも圧倒されます。敵対国の言葉を使うことを潔しとしなかった日本との違いを嘆じずにはいられません。
こうしてまとめられた対日占領政策は当初、米国民の反日感情の強さを反映した、日本にとって非常に厳しいものでした。天皇制廃止、米国による直接統治、非軍事化の徹底。
この案がそのまま採用されていたら、わが国のあり様はずいぶんちがったものになったように思われます。
この案を、日本の実情に合うよう穏当なものに変えていったのが駐日大使だったグルーや、陸軍長官スティムソンら知日派の存在です。
好戦的で危険な国(のように見える)日本には、幣原や若槻といった国際協調を重視するリベラル派がいること、天皇は軍部に担がれて開戦を決断したが、決して好戦的ではないこと。かつての良き日本への信頼を基盤として、政府内の議論を転換しようと繰り返し試みます。
こうした彼らの努力に加え、ローズベルト大統領の死とトルーマンの就任、対日強硬派だったハル国務長官の交替など、さまざまな偶然が作用した結果、「史上もっとも敗戦国に寛大な占領」と呼ばれる占領政策が実現するに至りました。
戦後日本の出発点を米国側から照射するという筆者の意図は、本書でも十分に成功しています。
これは、実際に米国の公文書館で当時の政府文書を閲覧、分析を重ねるという地道な作業から得られたものです。
約30年前の学生時代、神戸から出講されていた筆者の講義を受ける機会に恵まれました。その際、日米の文書管理に対する姿勢の違いについて仰られたことが印象に残っています。
「米国は(ベトナム戦争のように)ときにひどいこともする。しかし、自分たちの行為について後世の判断を受けるという意識が非常に強い。公文書は厳格に保管され非公開期間が経過すれば必ず公開される。歴史に向き合うということはそういうことです」
彼の国は今、政治的な混乱の渦中にありますが、こうした姿勢は謙虚に学びたいと思います。続きを読む投稿日:2018.12.26
アメリカの対日占領政策とその影響、また、戦後日本はそれをどのように受け止めたか。
アメリカの占領政策は、有力な知日派により処罰的な内容が薄められ、強制はありつつも、強制される側である日本も、それを利用…して社会を変革していき、通商国家日本となった。続きを読む投稿日:2024.01.27
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。