知らないではすまされない地政学が予測する日本の未来
松本利秋(著)
/SB新書
この作品のレビュー
平均 4.0 (4件のレビュー)
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地政学は私が学生時代にはなかった学問だ。
これからの時代、この知識は日本国民必修とすべきだと思う。
ますます複雑化する社会の中で、日本が取るべき最善策は何か?
たとえ今この瞬間が最善の選択としても、明…日には周囲の状況が変化して、作戦変更を余儀なくされてしまうかもしれない。
今はあらゆることにおいて、そういう変化の時代なのだと思う。
社会が分断されていたときは、そこまで考える必要がなかったのだ。
分断された小さな範囲の中だけで物事を考えればよく、単純な構造の中では答えが「A or B」で済んだのかもしれない。
しかし今は分断がない。あらゆることがつながっていて、相対的に考えるしか方法がないのだ。
これは国家間もそうであるし、我々個人レベルの人間関係ですらそういう状況だと言える。
だからこそ、情報収集能力や分析力、判断力などの様々なスキルが必要となるのだ。
これらのスキルを総合的に高めることは本当に難しい。
全てを均等に高いレベルで持つことなんて無理に等しい。
国家レベルのことであれば、それぞれの専門家を集め、意見を聞けばいいのかもしれない。
しかし専門家は自分の専門の中で主張をする訳だから、勝手な意見を言うだろう。
結局リーダーはそれら意見の中から何かを選ばなくてはいけないために、強い判断力と合わせて、結果的に総合的スキルが必要になってしまう訳だ。
最早これらのスキルなくして、地政学の知識がなくして、複雑な外交判断が出来る訳がない。
これは会社でも同じ事ではないだろうか。
今中国や韓国とビジネスする上で、政治の動向を無視することは不可能だ。
そして国内産業が縮小していく上では、グローバル化は必須なことと言える。
海外展開を図るのであれば、経営こそ地政学を学ぶ必要があるのだ。
本書は非常に説得力ある展開で論理展開していく。
今日本国が取るべき道は、大きな流れでいえば、海洋国家(シーパワー)であることを自覚し、アメリカは当然であるが、英国と連携を強めるべきだ。
そして、資源を輸入に頼らざるを得ない日本という国は、インド太平洋のシーラインを安定して確保することが死活問題である。
これを中国に独占させ、不安定化させてはいけない。
そのためにはインドと手を組むことが最善であるというのも納得性がある。
そもそも親日である。中国と対立している。元英国領である。(ここで英国連携も生きてくる)。さらにインドはこれから人口世界一となり経済大国になっていく。
アメリカとの連携は今まで以上に必要性が高まっているが、大統領方針次第で振り回されてしまうリスクを想定して、大統領管轄外で様々なコミットメントをしたたかに取っていく。
中国・北朝鮮・韓国の動向は常にウォッチして、こちらから仕掛けるではなく、着々と冷静に対応を準備しておく。
ロシアは資源国家であるが、産業が育たないという面で経済発展が大きく遅れている。
日本の技術力や事業提携を欲してるので、相手の出方次第で、上手にそれらに対処していく。
本当に説得力がある意見だ、実に面白い。
こうして見ていくと、約80年前の太平洋戦争がなぜ起こったのか。
日本は何を死守しようとして戦争を仕掛けたのかが見えてくる。
戦争とは陸地の奪い合いだけではないのだ。
海をどうやって制していくのか。
言い換えれば、海路をどうやって安定的に確保していくのかが大事なのだ。
地政学を学ぶことで、歴史の見え方すらも理解が深まっていく。
やはり本学問こそ、国民必修とすべきと思う。
本書を読了して、心からそう感じた。
(2021/1/31)続きを読む投稿日:2021.01.31
地政学の見地に基づいて、日本の国際的な立ち位置について述べられていた。国家にはシーパワーとランドパワーがあり、日本はシーパワー、対してランドパワーとして中国やロシアがあり、ランドパワーの膨張とシーパワ…ーの自由貿易の権益がぶつかっていること、日本としてはアメリカ、オーストラリア、インド、東南アジアなどシーパワー国家と連携してランドパワーを封じ込めていく必要があることなどが書かれていた。国際情勢が整理できて良かった。続きを読む
投稿日:2022.11.12
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