キリスト教と戦争 「愛と平和」を説きつつ戦う論理
石川明人(著)
/中公新書
作品情報
世界最大の宗教、キリスト教の信者は、なぜ「愛と平和」を祈りつつ「戦争」ができるのか? 殺人や暴力は禁止されているのではなかったか? 本書では、聖書の記述や、アウグスティヌス、ルターなど著名な神学者たちの言葉を紹介しながら、キリスト教徒がどのように武力行使を正当化するのかについて見ていく。平和を祈る宗教と戦争との奇妙な関係は、人間が普遍的に抱える痛切な矛盾を私たちに突きつけるであろう。
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商品情報
- 著者
- 石川明人
- 出版社
- 中央公論新社
- 掲載誌・レーベル
- 中公新書
- 書籍発売日
- 2016.01.25
- Reader Store発売日
- 2019.11.08
- ファイルサイズ
- 3.6MB
- ページ数
- 256ページ
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この作品のレビュー
平均 3.9 (14件のレビュー)
-
世界最大の宗教であるキリスト教の信者はなぜ愛と平和を祈りつつ戦争ができるのか、キリスト教徒がどのように武力行使を正当化するのかについて見ていくという体裁を取っていますが、実際の内容としてはキリスト教だ…けに留まらず全ての人間に当てはまる事柄が議論されています。
取り敢えずキリスト教に限った話で言えば聖書に於いて「戦争はするな」とは一言も書かれてはおらず、むしろ戦争の章は多く、また百人隊長といった軍人がイエスに認められさえするのです。さらに信仰を盾として、救いを兜として、神の言葉を剣として取りなさいと軍事的な表現で語られてもいるのです。
そして聖書のそれら章句を読み、解釈し、議論するのは人間であり、人間には①諸悪の根源は外来的なものである②悪は常に意図的である③今は特別な時代であるという3つの戦いへと駆り立てる先入観が備わっているという心理学的にもかなり突っ込んだ部分にまで話が拡げられています。
それらはなにも"戦争"だけの話ではなくて、全ての人間もちろん私自身の日々の生活での他人とのコミュニケーションに於ける葛藤にも当てはまるものであり、手厳しい論調で書かれてはいるものの私自身の反省点も多く見受けられてもっと冷静で優しい人間になりたいなと思わされました。
著者による文章はややキツめの印象を受けますが、宗教だけに留まらず私たちの普段の生活レベルにまで通用する議論がされているので、一度落ち着いて自分自身を見つめなおしたいという方にも良い1冊かと思います。続きを読む投稿日:2017.07.23
キリスト教と聞くと「隣人を愛せよ」「誰かがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」と言った言葉、「赦し」などを思い浮かべ、絶対平和主義的な考え方の上に成り立っている様に思える。旧約聖書にも十戒…には「殺してはならない」とある。だが実際のキリスト教とは戦争も行うし、旧約聖書の中では殺戮するシーンも多く登場する。日本は太平洋戦争で国民の多くがキリスト教徒であるアメリカと戦火を交え、互いに殺し合った過去もある。一見すると矛盾している様にも思えるが、実際のところ、キリスト教の教義の中では、敵対する他者を殲滅する行為は許されている。キリスト教の教理をわかりやすく説明した要約ないし解説であるカテキズムにおいても、はっきり明確に、向かってくる敵を殺害する事は構わないとされている。確かに歴史を振り返れば残虐性が際立った十字軍などは分かり易い例だろう。
キリスト教の教典は「旧約聖書」と「新約聖書」からなるが、その中でもはっきり矛盾する様な記述もある様だが、キリスト教徒の筆者曰く、何かを宗教的に説明する際には、部分的に2つの聖書から都合の良い記述を引用するのは、ごく普通の事の様だ。
本書はそうしたキリスト教と戦争の関わり合いを、過去の成り立ちや歴史上の重要なキリスト教の人物を挙げて分かり易く解説している。
戦争映画にもしばしば登場する従軍神父の話や、著名な指揮官が聖書から引いた言葉で軍の指揮を上げたような逸話、キリスト教徒の中でも宗派の違いによる考え方など実にわかり易く記載されている。私などは単純に平和を愛すると言いながら戦争ばかりしているアメリカを思い浮かべて、短絡的に矛盾してるとしか考えていなかったが、本書を読むことがで、そうした戦場に赴く人々の事を理解できる気がする。
タイトルからして興味をそそるものだが、内容は実に多岐に渡りキリスト教の知識を入れることができ、期待通りの面白さであった。続きを読む投稿日:2023.12.30
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