中国くいしんぼう辞典
崔岱遠(著)
,李楊樺(画)
,川浩二(訳)
/みすず書房
作品情報
中国は広い。東西南北に風土は異なり、いくつもの民族や文化が混在している。しぜん、飲食の伝統も土地によってさまざまだ。時代が流れ、人びとの身なりや住む家、街のようすはすっかり変わってしまったが、食卓に上る器の中の食べ物だけは、いまなお中国の文明に特有の痕跡をとどめている。そんな人びとの肺腑に沁みついた味の数々を、「家で落ちついて食べる料理」「街角で気ままに楽しむ料理」「レストランで味わう精緻な料理」に分け、情感ゆたかに描き出す。味わい深い文章と香ばしいイラストで、中国でおいしいものを追い求める“吃貨”(くいしんぼう)たちの胃袋をとらえた、垂涎必至の絶品エッセイ!
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この作品のレビュー
平均 3.7 (7件のレビュー)
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中国各地の美味しい料理を家庭、屋台、レストランという食べるシチュエーション別に分けて紹介する食いしんぼうのためのエッセイ。
著者は北京出身なので全体で見るとやはり北京料理が多いけれど、旅行で訪れた…先の料理についても熱心に調べて紹介している。マカオで食べられている「馬介休」がポルトガル経由で入ってきた「バカリャウ」、つまり塩ダラだと知って、直近で読んだ越智敏之の『魚で始まる世界史』とこんなところで繋がるのか!と感動した。海ってすごいぜ。逆にヨーグルトが西洋から入ってくるずっと前から、西寧ではヤクの乳を使って作られてたんじゃね?という仮説も面白い。
さらに驚いたのは広東料理の「古老肉」。これは酢豚のことなのだが、元々は西洋人向けに開発されたメニューだったらしい。甘酸っぱい味付けを好む西洋人に好評だったので広州でレギュラー化し、のちに広まっていったのだという。まさか中華料理の代表みたいな顔してる酢豚にこんな誕生秘話があったとはなぁ。
読んでいると同じみすず書房からでている焦桐の『味の台湾』を思いださずにいられないんだけど、あちらががっつりと自伝的な語りを含んでエッセイとしての深みをだしていたのと比べると、本書はパーソナルな部分と言っても子ども時代の他愛ない思い出話や旅行の記憶にとどまっている。詩人とライターの違いというところだろうか。
その代わり、料理の誕生や命名にまつわる逸話には詳しい。やたらと皇帝がでてきて権威を持たせるのはどこも一緒か。台湾の牛肉麺がカリフォルニア経由で中国に入ってきて「加州(カリフォルニア)牛肉麺」と呼ばれてる話は国際関係が見えてきたなぁ。一方で、宦官が買い物にきていた地域では玉子料理に睾丸の隠語である「蛋」を使わない、とかいう眉唾物のオモロ話を真顔で書いてたりもする。
一番美味しそうだった料理は広州の雲呑麺。ラーメンにワンタンが入っているもの、ではなくて、麺の種類も打ち方もスープも雲呑麺という料理のために選ばれている雲呑麺。飲んだ帰りに啜りたいのってこういうやつよ。
中国料理の本を読むと、日本食って中国の文化圏内で発展してきたのだなぁとしみじみ感じる。文字情報から想像できる範囲が広く深く細かいのだ。そしてとてもお腹が空く。続きを読む投稿日:2024.05.12
広い中国・多様な気候風土、長い歴史から織りなされる料理の数々に驚かされます。
見たこともない食材。
想像もつかない調理法。
そして著者の食レポぶりが素晴らしいです。
調理しているところを見て…いるかのような臨場感、その料理にまつわるエピソードや歴史、名前の由来、など83の全ての料理一つずつに書かれています。
家、街角、レストランと3つのシチュエーション別に選ばれているのも想像しやすくて、物語のような楽しさです。
薬膳を勉強していることもあり、食材や香辛料の組み合わせも興味深かったです。
「それぞれの土地には風土に根ざした滋味があるものなのだ。」
気になるのは西瓜鶏。
鶏と出汁を中身をくりぬいたスイカの中に詰めて蒸し上げる!?
いつか現地で食べてみたいです。続きを読む投稿日:2024.02.28
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