AI倫理 人工知能は「責任」をとれるのか
西垣通(著)
,河島茂生(著)
/中公新書ラクレ
作品情報
2045年、シンギュラリティ(技術的特異点)が訪れ、AIが人間よりも正確で賢明な判断を下せるようになる、という仮説がある。では、「超知性体」となったAIがあやまちを犯し、自動運転者が暴走したり、監視カメラ等が集めたデータによって差別的な評価選別が行われたりしたとき、誰が責任をとるのか。そもそも、AIが人間を凌駕するという予測は正しいのか。来るべきAI社会を倫理的側面から徹底的に論じた初めての書。
目次
第一部〈理論編〉情報倫理からAI倫理へ
第一章 AI倫理とは何か
第二章 AIロボットは人格をもつか
第三章 情報圏とAI
第四章 AI倫理のラフスケッチ
第二部〈応用編〉AI倫理の練習問題
第五章 自動運転
第六章 監視選別社会
第七章 AIによる創作
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商品情報
- シリーズ
- AI倫理 人工知能は「責任」をとれるのか
- ジャンル
- コンピュータ・情報 - コンピュータ・インターネット
- 出版社
- 中央公論新社
- 掲載誌・レーベル
- 中公新書ラクレ
- 書籍発売日
- 2019.09.10
- Reader Store発売日
- 2019.09.06
- ファイルサイズ
- 5.4MB
- ページ数
- 256ページ
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この作品のレビュー
平均 3.6 (6件のレビュー)
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2019年 中公新書ラクレ
AIと倫理を考えるにあたり、それぞれを定義する必要がある。例えばAIであれば、推論プログラムを用いるもの、膨大な情報から瞬間的に抽出するもの、深層学習を行うもの、対話型プロ…グラムを行うもの等々が存在する。
倫理は、功利主義、自由平等主義、自由至上主義、共同体主義等の観点がある。(優位性は無い)
しかしAIと倫理の諸問題を考える際、それぞれを十分に整理された状況ではなく、論じることが出来ない。そもそもAIは他律型機械(プログラミングによって答えを出す)為、客観的責任を撮ることが出来ない。
その為自動運転、監視選別社会、AIによる創作物等は、官民学の連携が必要である。(例えば、自動運転で誤作動による事故の責任は、プログラミングした人ではなく、国が補償する)
感想
AIや倫理には様々な段階、種類があり、一概にAI責任論について論じる事は出来ないというのは確かにその通りだと思った。ただ、人工知能が「責任」を取れないからと言って国が補償するのは、極論では無いか?と思った。シンギュラリティやデータ至上主義、AIが人間社会よりも優位性を持つ事は、ユダヤ教やキリスト教に基づくSFであるという著者の意見
が興味深いと思った。
ハラリ
人間の代わりにAIが意思決定をする。
人間至上主義から機械的なデータが信頼されるデータ至上主義に変更する。
フロリディ
ハイパーヒストリー時代
コペルニクス革命、ダーウィン革命、フロイト革命、情報革命続きを読む投稿日:2024.04.07
私が初めて筆者西垣通氏の名前を知ったのは、2004年朝日新聞に掲載された「情報伝達という神話」というコラムだった。西垣氏は、東京大学名誉教授であり、また日立でコンピュータソフトの研究開発に関わってこら…れたバリバリの”専門家”であるが、そのコラムは専門的なうんちくではなく、意外な内容だった。情報が伝わるとはどういうことか、そもそも情報って、本当に伝わるものなのかという反論から展開されていた。「人工知能は責任をとれるのか」と題された本書のタイトルと西垣氏の名前を見て、即買い。特に第6章監視選別社会が印象に残った。AIによって便利な社会になることは言わずもがなであるが、それにより我々が選別される社会になること、そのことに対する警鐘を忘れてはならない。続きを読む
投稿日:2022.06.28
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