イースタニゼーション 台頭するアジア、衰退するアメリカ
ギデオン・ラックマン(著)
,小坂恵理(訳)
/日本経済新聞出版
作品情報
米中貿易戦争は必然だった。
世界は今日、経済、政治、軍事の重心が欧米(西)からアジア(東)へとシフトする
イースタニゼーションのなかにある。
長期的な視点からグローバルな動きを捉えたFT外交コラムニストの力作。
トウ小平の改革開放政策からわずか40年。巨大な発展途上国だった中国は、いまや唯一の超大国アメリカに対抗しうる巨大な国となった。中国に続き、インドも強国として名乗りをあげる。世界の重心は、台頭するアジア諸国へと動くイースタニゼーションのなかにある。著者は圧倒的な取材力で、西欧が中心であることを前提に形作られてきた世界秩序が軋轢を生じている局面を描き出した。
西欧に都合よくつくられた世界の仕組み、組織、システムが、アジア新興国の反発によって変更を迫られている。アメリカをはじめとする先進国、とりわけ旧来秩序のなかで先進国に上り詰めた日本が、イースタニゼーションを踏まえてはたすべき役割を考えさせる力作。
※ 日本語版は、2018年11月にアメリカで刊行されたペーパーバック版に基づく。
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商品情報
- 著者
- ギデオン・ラックマン, 小坂恵理
- 出版社
- 日経BP
- 掲載誌・レーベル
- 日本経済新聞出版
- 書籍発売日
- 2019.02.25
- Reader Store発売日
- 2019.03.04
- ファイルサイズ
- 0.6MB
- ページ数
- 340ページ
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この作品のレビュー
平均 3.0 (2件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
米中関係にはどうしても協力と競争の要素が共存する。
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インドの楽観論は主に人口動態に基づく。中国は高齢化が進んでいる。インドの人口は中国を抜いて世界一になる。
グローバル戦略をパキスタンに妨害されまいとするインドの決意は、中国がパキスタンを支援しているという政府の核心によってさらに強まっている。投稿日:2019.05.05
今後、巨大な富と権力が欧米(西)からアジア(東)へと移り、新たな時代を迎える。西側諸国の衰退とアジア新興国の台頭によって錯綜する、今の世界の姿を描く。
1490年代の大航海時代の幕開け以降、数世紀に…わたってヨーロッパ諸国が、そして第2次世界大戦後はアメリカが世界を支配してきた。だが、過去50年の間に、欧米によるグローバル経済の支配は衰え、アジア各国が台頭した。
アジアの経済発展は、まず1960年代に日本で始まり、70年代に韓国、台湾、東南アジア諸国の一部に波及する。80年以降に中国が、90年代になるとインドが成長を遂げた。そして2014年には、中国が世界最大の経済国になった。
アメリカは9.11同時多発テロの後、中東再編のため、2003年イラクに侵攻した。だが、その後、戦闘が泥沼化し、2008年に世界金融危機が起きると、中東への関与から手を引く。その結果、アメリカに挑む勢力がアジアやヨーロッパで現れた。
今後、アジアの成長ペースが西側世界を上回り「イースタニゼーション」(東洋化)が進むと見られている。
予測によれば、世界の実質GDP(国内総生産)の中で北アメリカ・西ヨーロッパが占めるシェアは、2010年の40%から50年には21%へ落ち込む。一方、アジアのシェアは48.1%に倍増する。
勢いに乗るアジアだが、グローバルパワーを握るのは簡単ではなく、次の2つの障害が立ちはだかる。
・政治腐敗や制度の欠如といった、各国の内政問題。
・アジア内部での政治的分断、ならびに敵対関係。
グローバル経済のイースタニゼーションが意味するのは、太平洋上の無人環礁などを巡る争いが世界を揺るがしかねないということ。
アジア太平洋における中国の野心をアメリカが阻止すべきか。これが今後、国際関係上の最重要課題となる。続きを読む投稿日:2020.06.07
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