対話する医療
孫大輔(著)
/さくら舎
作品情報
あらゆる病を緩和させる、対話する医療!
今、医療現場で「対話」が必要とされている。「対話」するということは、患者も医師も対等の立場に立ち、お互いの考えを深く理解できるような関係性を構築することを意味する。
本書では、著者が実践している家庭医療、医療コミュニケーション、地域・コミュニティー活動、医学教育などについて、「対話」をキーワードに、様々なトピックを紹介。第1章は、人間全体を診る医師として「家庭医」を取り上げ、家庭医がどんな視点で患者や家族のケアを実践しているかを紹介。第2章は、患者と医者のコミュニケーションにおける様々な課題やアプローチについて、フィンランドのオープンダイアローグや精神科病院の改革を行ったイタリアのフランコ・バザーリアの活動を取り上げながら解説。第3章は、健康における社会的側面について、人のつながりが健康に及ぼす影響、銭湯のようなソーシャルキャピタルが果たす役割や日本で最も自殺率の低い町(徳島県・旧海部町)の地域の特徴を考察しながら紹介。第4章は、患者の立場からみた理想の医師像、医師の雑談やユーモア、共感力による治療効果、医学教育における「対話型教育」の意義、などについて解説。全編にわたって、医師と患者の対話が生み出す、新たな医療のカタチを明示する!
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この作品のレビュー
平均 4.0 (6件のレビュー)
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家庭医であり、町に出て屋台を引いたりする中で健康を高める“まちけん(谷根千まちばの健康プロジェクト)”という活動を行っている、町に飛び出すお医者さん孫大輔先生の著書。
読んでいて、患者としての自分や、…医療者としての自分、地域で生きる一人の人間としての自分など、いろいろな角度の自分に響いた。助産師である前に、自分自身も一人の「生活者」であることを改めて感じた。正岡子規やら黒ひげまで登場する多岐に渡る視点が読んでいて飽きない。
以前、目が痛くて眼科に行った時、医師の話がよく理解できなかったので沢山質問をしたところ「いいから黙って言うことを聞いてください!」と怒鳴られたことがあった。生活者として「主観的」な不安を抱えて病院を訪れた私と、「疾患」を判断する医師との「まなざし」の違いが、あの時私を悲しい気持ちにさせたのだとわかった。医療者としては早くラベリングしてしまった方が楽だしスッキリするけれど、その「不確実性」に耐えてじっくり話を聞かないと一方的なアセスメントをしてしまいがちだ。自分に翻って胸が痛い。
その際に大切なのが「対話」だ。「対話」では、「すべての発話は相手の言葉を受けた応答となる」ことが重要で、白黒つけたりラベリングすることが目的ではなく、「対話すること自体が目的」。不安軽減でさえも副産物であるそうだ。目から鱗だった。議論とも、ディベートとも違う、対話。
孫先生の作られる場に一度参加したことがあるが、えも言われぬ安心感があった。北風と太陽の太陽のように、無理矢理こじ開けるのではなく自分からつい心を開きたくなるような暖かい空気に、ふいに問わず語りで自分のことを話し始めた方がいた。決してぐいぐいほじくり出すのではなく、そこにいることを肯定されているやさしい感覚。判断を自分に委ねられている感。これが私にとっての「対話」体験だった。
こうして対話を重ねていく患者さん一人の後ろには家族の木があり、その人が住む地域がある。地域全体を看る視点は、病院にいるだけでは欠けやすい。公衆浴場の地域コミュニティ機能も、風呂が壊れて一冬温泉に通い続けた身として非常に共感するし、自殺の少ない町、徳島県海部町のゆるいつながりもとても参考になった。監視ではなく、関心を持つ。困ったときは助けてくれるけれど、普段はそっとしておいてくれる鬱陶しくない適度な距離感。これが、コミュニティ作りのキーワードかもしれない。
平田オリザさんの『わかりあえないことから』も大好きな本で、表出されたことば単体ではなく、そのことばの裏に潜むコンテクスト(背景)を慮るということが書いてあり、そこともリンクした。
他者とはわかりあえないことから、はじまる。だから諦めるのではなく、だからこそ、対話する価値があるし、自分では考えつかない発想だったり可能性を示唆してくれる。それをオモシロがれるかどうかは、自分次第なのだと思った。続きを読む投稿日:2018.05.24
★★★
今月3冊目
医療には対話が大切ってこと。このドクターは地域と色々なコミュニティを作ってる素晴らしいドクター。
が、読み物としてはどうも入りにくい本投稿日:2020.02.04
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