佐藤優の「公明党」論
佐藤優(著)
/第三文明社
作品情報
連載「公明党50年の歩みを読む」(月刊『第三文明』誌掲載)の書籍化《日本語版のみ。英語版は別の電子書籍として配信中》。著者はまえがきで、「本書で私が意図したことは、(党史の)『大衆とともに──公明党50年の歩み』を深く読み解くことで、政治を通して確固たる価値観を持つ公明党員が、日本と世界の宿命を大きく転換しているという現実を示すことだ」と語り、支持母体の創価学会との関係に迫りつつ、21世紀の日本政治における公明党の役割を描き出す。
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この作品のレビュー
平均 4.0 (1件のレビュー)
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このレビューはネタバレを含みます
いや来ましたね。学会の皆さんから苦情。学会員の方々、私は例の宗教法人出身というわけで、盛り上げましたが、学会の方を否定するわけではありません。現に学会員の親友がいますし、彼を通じて創価学会がどれほどまともな宗教団体か知っているからです。
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そこで「佐藤優の「公明党」論」という本を近くの図書館が貸してくれたので、早速レビューすることにしました。学会の皆さんすいませんね。
まず佐藤優先生は本著で「私が理解する限り、公明党は、存在論的平和主義だ。平和を創るために生まれ、平和を守るために活動し続ける存在だ。公明党は現実の政治の場で、しっかりとその責務を果たしている。今後もしっかりと公明党を支持していくことが、そのまま現実の平和を維持することにつながる。」
公明党というと、常に創価学会との「政教分離」の問題が起こってくるが、公明党の山口那津男代表はこう述べている。「日本国憲法に定められた「政教分離」の原則は特定の宗教団体の政治活動を縛るものではありません。「国家が特定の宗教を優遇したり排斥しない」。これが政教分離の正しい考え方です」
次に佐藤先生は「公明党を見ていれば日本政治はわかる」とまで言い切る。なぜなら一強他弱の現在の政治状況を止めるのは「与党内野党」の公明党しかないからだ。
さらに佐藤先生の分析は続く。「日本には現実的な政治力を持つ「宗教政党」は公明党しかない。だからこそ、既存の政治の論理だけでは、公明党の動向を推し量りことはできない。その意味で予見不可能な側面があり、公明党・創価学会の動きを中止する必要があるのだ」。
しかしながら日本国民には公明党は「政教分離問題」でうさん臭さを感じているというが、これは佐藤先生によると、国際基準では全くもって問題ではないという。
なぜなら、ドイツには「キリスト教民主同盟(CDU)」があるし、諸外国には宗教政党はたくさんある。
キリスト教のような「世界観型」の宗教にとって、政治もまた世界の一部であるから、そこだけを切り離して考えるのは不可能だと、佐藤先生は断ずる。
創価学会/日蓮仏法もまた「世界観型の宗教」であるから、政治活動だけを自分たちの生活から切り離すことは、そもそもできないのだ。
よって、佐藤先生は宗教団体の政治参加それ自体は、憲法の政教分離原則に何ら抵触するものではなく、学会・公明党に対する「政教一致批判」のほうが「ためにする批判」であり、歪んでいるのだとする。
したがって、佐藤先生は公明党はもっと堂々と、池田大作氏によって創立されたこと、日蓮仏法の価値観を根底に据えた政党であることを、公に表明していくべきだと考えている。
公明党は昔も今も、しばしば「中道政党」と評される、それは「どっちつかずの政党」という皮肉を込めて用いられることが多い。
しかし、公明党が志向する「中道」とはそのように浅いものではない。それは国家やイデオロギーなどの都合に左右されず、常に「人間自身の幸福な生存」をこそブレない軸とするという意味での「中道」なのである。
創価学会での最近のエポックとして「五十年史」(公明党結党(1964年11月17日))があるが、そこでの池田大作氏の言葉が白眉だという。それを紹介してこのブログを終了しよう。
「。。。最後の最後まで、生涯、政治家として、大衆に直結していってもらいたい。偉くなったからといって、大衆から遊離して、孤立したり、また組織の上にあぐらをかいたりするような政治家には絶対になっていただきたくないのであります。大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に入り切って、大衆の中に死んでいっていただきたい。どうか公正連(=公明党)の同志の皆さん方だけは、全民衆のための、大衆のなかの政治家として一生を貫き通していただきていと、切望するものであります」
学会員の方々、佐藤先生のご著書を読んで信仰のご参考にして下さい。投稿日:2017.08.06
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