ポエムに万歳!
小田嶋隆(著)
/新潮文庫
作品情報
書き手の「何か」が過剰に溢れた言葉。意図的に「何か」を隠すため、論理を捨てて抒情に流れた文章。そこに「ポエム」は現われる。感情過多で演出過剰な、鳥肌モノの自分語りは、もはや私生活ストリップだ。Jポップの歌詞や広告のコピーならまだ許せる。だが、いまやこの国では、ニュースや政治の言葉までもが「ポエム化」している! 名物コラムニストが不透明な時代を考察する。
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商品情報
- シリーズ
- ポエムに万歳!
- 著者
- 小田嶋隆
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 新潮社
- 掲載誌・レーベル
- 新潮文庫
- 書籍発売日
- 2016.09.01
- Reader Store発売日
- 2017.02.17
- ファイルサイズ
- 1.1MB
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この作品のレビュー
平均 3.8 (6件のレビュー)
-
小田嶋隆が止まりません。
単行本でも読みましたが、この度めでたく文庫本となったので、一も二もなく購入しました。
著者は、「ポエム」が性質の悪い感冒のように社会に蔓延していると危惧します(いや、そうは言…ってませんが、多分そういうことなのでしょう)。
では、ポエムとは何か?
実例を見ていただければ、たちどころに了解するでしょう。
□□□
俺が「サッカー」という旅に出てからおよそ20年の月日が経った。
8歳の冬、寒空のもと山梨のとある小学校の校庭の片隅からその旅は始まった。
―中略―
サッカーはどんなときも俺の心の中心にあった。
サッカーは本当に多くのものを授けてくれた。
喜び、悲しみ、友、そして試練を与えてくれた。
□□□
中田永寿の引退声明文です。
著者は「率直に申し上げて、私は気持ちが悪かった。鳥肌が立った。30歳間近の男が、ここまで臆面もなく自分語りをしてしまって、後の人生は大丈夫なのか、と、心配になった。」と余計な心配をしています笑。
いや、私も余計な心配をしてしまいました。
まあ、でも、その分野の第一線で活躍したアスリートだけに、引退に際して必要以上にノスタルジックになるのは、心の情動として致し方ないのかもしれません。
ただ、この「ポエム」が、あらゆる場面で幅を利かせているというのが著者の見立て。
たとえば、東日本大震災復興構想会議がまとめた「復興への提言」、五輪招致委員会のメッセージ、果てはニュース原稿(古館さんに非があるそうです)や朝日新聞の「天声人語」までもポエム化しているとあっては、看過できません。
著者は、「書き手が何かを隠蔽しようとする時、文章はポエムの体裁を身に纏わざるを得ないのである。」と鋭い指摘をしています。
これには納得。
あと、端的に言って、書き手に訴えたいことがない場合や主題が明確でない場合も、文章がポエムに堕していくことを、私は経験を通して知っています。
まあ、しかし、ポエム化の流れは止められなさそうです。
そうであれば、いささかの皮肉を込めて叫ぼうではありませんか。
「ポエムに万歳!」と。続きを読む投稿日:2016.10.24
我が国首相・安倍晋三はよく夕方6時から記者会見を開く。すると、私が
唯一きちんと見ている夕方のテレビ・ニュースが官邸によってジャックさ
れることとなる。
仕方がないので見る。というか、顔を見た…くないので聞く。用意された
原稿を読んでいるだけなのに、何を言っているのか分からない。
「全国放送を使ってポエムを読んでんじゃないよ」
こんな風に突っ込んでいることが多い。首相だけではない。本書で著者
が取り上げている元サッカー選手・中田英寿の引退表明のコメント(?)
なんてニュースで読み上げられた時に「この人、大丈夫か?」と思った。
ポエムが氾濫していると著者は言う。それは昔々と違って、インターネット
が普及して誰もが「書く」という行為を気軽に出来るようになったから。
そうだよな。インターネットがない時代、文章を書いて発表する場と言った
らプロの物書きになるか、同人誌を作るか、自費出版するか、町内会の
「お知らせ」に載せるかとかで、非常に限られた範囲だものね。
ハードルが低くなった。その分、誰もが書いて発表できる。例え書いた
内容が意味をなさなくても、書いた本人は満足。言葉遣いの間違い
なんか気にしない。雰囲気さえ伝わればいい。これぞ、ポエムである。
このポエムが生まれるに至った道筋を考察する過程が素晴らしいんだ。
小田嶋さん、やっぱり冴えている。
本書は月刊誌などに連載されたコラムをまとめた作品なので、ポエム
以外にも「お笑い」や「高齢者の犯罪」などについても考察している。
それでもポエムの章は身につまされるよ。だって、私自身、日々、こうし
てネット上に「ポエム」を綴っているのだから。
自分もそうだけれど、みんな結構、書くことが好きだよね。人によって
内容の完成度は千差万別だけれどさ。続きを読む投稿日:2017.08.24
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