集合知とは何か ネット時代の「知」のゆくえ
西垣通(著)
/中公新書
作品情報
インターネットの普及以来、アカデミズムの中核を成してきた専門知が凋落する中で、集合知が注目を集めている。このネット上に出現した多数のアマチュアによる知の集積は、いかなる可能性をもち、社会をどのように変えようとしているのか。基礎情報学を中軸に据え、哲学からサイバネティクス、脳科学まで脱領域的に横断しつつ、二一世紀の知のあり方を問い、情報社会の近未来をダイナミックに展望する。
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商品情報
- 著者
- 西垣通
- ジャンル
- コンピュータ・情報 - IT・Eビジネス・資格・読み物
- 出版社
- 中央公論新社
- 掲載誌・レーベル
- 中公新書
- 書籍発売日
- 2013.02.25
- Reader Store発売日
- 2017.01.06
- ファイルサイズ
- 2.5MB
- ページ数
- 240ページ
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この作品のレビュー
平均 3.7 (37件のレビュー)
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もっと丁寧に書いてくれ!
事実にかかわる説明は自明のこと(?)とすっとばして、ご意見だけ開陳したような印象。ながらく研究してきた人間が昨今のバラ色な集合知期待論にひとこと言いたいのは分かったが、素人向けの新書なのだからもっと丁…寧にちゃんと書いてほしい。書くべきことはあるように見えるだけもったいない。
・興味を引かれた記述
開放システムと閉鎖システム(両者では信用情報の伝わり方に違いがある)をシミュレーションしてみると、閉鎖システムで一人のリーダーが安定して生まれる(萌芽的なリーダーが現れたり、リーダーの交代も起こるが、安定的なリーダーを持つ期間がほとんど。ある程度一元的な価値観の摺り合わせがされたと看做せる)のに対し、開放システムでは、従属閾値の違いにより、1.絶対的なリーダー、2.複数乱立、3.リーダーなし、といった状況になる。不安定。
→ネイト・シルバーの本に似たようなことが書いてあった気が。最近の政治の状況に照らし合わせると面白い。
→しかし、この話にしても開放/閉鎖の前提条件をもう少し書いてくれても。。。原著(西川アサキ)に丸投げするかね、ふつう。続きを読む投稿日:2017.03.12
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西垣さんの本は「ビッグデータと人工知能」(2016年)を読み、とても面白かったので、少し昔に書かれている本書を手に取りました。個人的には集合知とは何で、ネット時代にどういう意義があるのかを知りたいと言…うことで購入しましたが、読み終えた感想は、集合知以外のところというか、知のそもそものあり方についてとても勉強になり面白かったです。
また経営学の重鎮である野中郁次郎さんの「知識創造企業」との関連性をすごく感じました。野中さんは日本企業がいかに各従業員の暗黙知を吸い上げてイノベーションにつなげているかを分析されていますが、知は人間個々人に暗黙知として宿ること、そして暗黙知と暗黙知がぶつかりあってグループ内で共有化されるプロセスや、その暗黙知が形式知に「表出化」されるプロセスを分析されていますが、西垣さんの思想との親和性を強く感じました。そして西垣さんの呼び名を借りれば「主観知」こそが出発地点であって、客観世界とは仮象であること、そしてこれからのデジタル技術は、人間の暗黙知を表出化するところにこそ使われれるべきだと述べていて、とても共感できました。産業資本主義が、世界の客観化にあったとすれば、デジタル技術は逆説的に聞こえるかもしれませんが人間の主観知へと焦点を当て直すことになるのかもしれないと思い、非常に興味深く拝読しました。西垣説は正しい気がしましたし、日本はこの領域は得意なのでは?と感じた次第です。続きを読む投稿日:2023.04.30
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