人間はたまねぎ - 自分の心の取扱説明書(トリセツ)をつくろう! -
小川仁志(著)
/ワニブックス
作品情報
私の敵は、“私”でした。
一番身近なのに、知らないことだらけだった自分を見つけ出す方法。
私たちは毎日嬉しかったり、悲しかったり、
ムカついたり、楽しかったり、さまざまな気持ちを抱きます。
これらを決定づけているのが、私たちの中にある7つの感情
達成感/義務感/罪悪感/親近感/嫌悪感/劣等感/幸福感です。
私たちはこの7つの感情を、皮のように身にまとって生きています。
まるで、たまねぎのように……。
本書では、その皮を1枚ずつ
丁寧に剥がすように、感情たちの本質を解き明かしていきます。
7枚の皮を剥がし終えた時、あなたは感情を使いこなし、
甘くて辛いたまねぎのように、
味わい深い人生を手に入れることでしょう。
累計80万部を超え、
京大→商社マン→フリーター→公務員→哲学者という異色の経歴をもつ著者が、
わかりやすく、おもしろく、7つの感情の皮を剥がす旅へとご案内します。
この本を読み終えれば、あなたはもう他の自己啓発本を必要としなくなるはずです。
【トピック】
1章 達成感の皮
私たちが仕事や勉強やスポーツに励むのは、なぜ?/何かをやり遂げると、誰かに伝えたくなるのはなぜ?
2章 義務感の皮
義務感はこの世に必要か?/義務感を放棄すれば、楽になれるのか?
3章 罪悪感の皮
そもそも他人に迷惑をかけることはいけないことなのか?/悪人に罪悪感はあるのか?
4章 親近感の皮
親近感がわく人とそうでない人の違いは?/なぜ友達は変わっていくのか?
5章 嫌悪感の皮
嫌悪感を抱くのは、私の性格が悪いから?/嫌なものを好きになるのは不可能なのか?
6章 劣等感の皮
自分と他人を比べてしまうのはなぜ?/そもそも人間は平等なのか?
7章 幸福感の皮
幸せって何なのか?/なぜ私たちは幸せを求めるのか? etc.
【著者情報】
小川仁志(おがわ・ひとし)
哲学者
1970年、京都府生まれ。山口大学国際総合科学部准教授。
京都大学法学部卒業、名古屋市立大学大学院博士後期課程修了。
伊藤忠商事のサラリーマン、フリーター、名古屋市役所職員を経て哲学者になったという異色の経歴の持ち主。
パリ発祥の市民の哲学討論の場である「哲学カフェ」を国内で主宰し、
市民のための開かれた哲学を実践している。
グローバルに活躍するには哲学的思考が不可欠であるとし、
「哲学を学び自分のものにすること」の重要性を訴えている。
現在は学生たちと共に成長するべく、日々若い人にもわかりやすい哲学の普及に励む。
著書に『7日間で突然頭がよくなる本』『超訳「哲学用語」事典』(いずれもPHP研究所)
『人生が変わる哲学の教室』(KADOKAWA)などがあり、著者累計は80万部を超える。
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この作品のレビュー
平均 2.7 (3件のレビュー)
-
哲学的見地からの自己啓発本である。
人間の七つの感情(達成感・義務感・罪悪感・親近感・嫌悪感・劣等感・幸福感)について述べられている。
これら七つの感情をたまねぎの皮に見立ているところが新鮮だったな。…
人間の本質は、この七つの皮(感情)に包まれていると言う。では、この七つの皮(感情)と上手く付き合うことが出来れば、人生を有意義に楽しめるんじゃないか?という見地から書かれた本である。
一枚一枚、皮を剥いでいく事によって、たまねぎの中心には何があるのか?というところも最後に述べられていて、なかなか読者を引っ張る文章だった。
・達成感の皮
達成感を得るためには多少のきつさが必要だし、チャレンジは生きる行為そのものである。
・義務感
責任を感じる経験が義務感を生む。
この章で印象的だったのは、義務感には善と悪が有るという部分だ。こんなこと考えた事もなかったので、「あ~、そういう事もあるなぁ」と納得。
・罪悪感の皮
罪悪感を覚えるべき時とは、皆が納得するルールに反したとき。では、快楽は悪なのか?例えばギャンブルや酒...。ここで作者は、ほどほどの域を超えると罪悪感が生じる、と述べている。
う~ん、罪悪感の欠片も感じさせない人も居るけどなぁ、とちょっと首をひねったな。ギャンブル依存やアルコール依存の人って、罪悪感を感じてるの?と思うが...。
作者は、すかさずこの章の終わりで、こう述べている。
悪人だって考える機会さえあれば罪悪感を持てる。
・親近感の皮
共感指数の高い人ほど親近感がわく、と述べられている。言っていることは分かるんだけど、じゃぁ、どうやってその共感指数を高くするのかが具体的に書かれていないのが残念だ。他にも、利己主義と利他主義を6対4の割合で持つ、なども書かれている。
・嫌悪感の皮
この章は、目次を見たときから一番、気になってた章だ。自分の実生活でどうしても好きになれない異性が居るからなんだけど、どれぐらい嫌悪してるかというと、「オレの半径10mに近づいてくるな!」って思うほど嫌悪してるんだよね。この嫌悪感という感情を上手くコントロールできれば、って思っていたのだ。
ここで作者は述べているんだが、世の中、話せばわかる人ばかりではないのです、と。じゃぁ、どうするのか?
性格を変えなくても人格者になればよい。うへぇっ、ハードル高いな...。
・劣等感の皮
人と比べて苦しむより、自分にあった生き方を探す。そして強い劣等感が危うい優越感を生む。つまり優越感が劣等感の裏返しである以上、劣等感の暴走を食い止める事が肝心である。劣等感の克服とは暴走を食い止めること。う~ん、その具体的な方法を知りたいんだけどなぁ...。
・幸福感の皮
ここで紹介されるのは三大幸福論と呼ばれるアラン、ラッセル、ヒルティの書。この三人の主張は、それぞれ違ったもののように見えるが、実は重要な共通項があると作者は述べている。「気持ちしだいで幸福感が得られる」と述べているのだ。ということは、「自分の中に生じる感情をうまく使いこなす事ができれば、幸福になれるということです」と述べている。誰でも幸せになれると。
達成感を得るために何か努力する。その努力したという経験こそが、人を幸せにする。あ~、これ分かるなぁ。
義務感があるのは、誰かに必要とされている証。つまりこれも幸福感に繋がるわけだ。
では罪悪感は幸福につながるのか?作者はこう述べている。罪悪感があるから、人は何度でも生まれ変われる。
親近感。これはわかりやすかった。親近感を育てる事が、幸せへの近道。
嫌悪感は幸福につながるのか?今の自分には、一番の難関である。作者は述べている。「嫌悪感を乗り越えた後に幸福はやってくる」
お~ぃ、だから、嫌悪感を克服する方法を具体的に教えて欲しいんだって...。
劣等感・・・卑屈になりすぎず、尊大になりすぎず、多少自分のダメさ加減を意識して生きる。これが幸福への近道らしい。
七つの感情の皮を剥いた後には、芯が残る。つまり人間の本質だ。作者はこの芯を「無」ではないかと書いている。
この「無」が感情の皮に覆われ、泣いたり笑ったりして生きていると...。切なくて強い人間が、生きる中でさまざまな経験をし、その都度新たな感情に覆われていく。
う~ん、けっこう読みごたえあったなぁ。なるほど!と思う箇所もあった。
ただ、具体例というか、方法論というか、ハウツーと言うか.....、そういうのが欠けてる。それぞれの感情との付き合い方は書かれてるし、納得もするんだけど、じゃぁ、具体的にどういうふうに考えれば良いのか、どういうふうに行動すれば良いのかを、もう少し具体的に書いてくれてた方が自分の好みだな。
「BOOK」データベース~
私の敵は、“私”でした。一番身近なのに、実は知らないことだらけだった“自分”をまるごと使いこなす。累計80万部突破の著者によるあなたにとって人生最後の自己啓発本。
それぞれの感情について分かりやすく書かれているけど、その先の対処法がちょっと不親切な気がするんだよなぁ。自分が甘えすぎなのかな?続きを読む投稿日:2016.07.16
人間の感情って結局は幸せを得るためのもので、全ての感情の最終点って幸福感なんだなって思った。幸せになるために、優越感や劣等感を感じて、自身を成長させる。深いね。
玉ねぎの皮のように1枚1枚自分…の皮を剥いて、自分の芯を見ることができたから、感情コントロールもこれでできるようになるのでは!?
本を読むと、自分が以前よりも成長したって気持ちになるから楽しいんだよね。
自分がなぜこのような感情になるのか、これからは分かれるかもしれない。続きを読む投稿日:2023.11.16
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