覚醒する大円高
若林栄四(著)
/日本実業出版社
作品情報
株式市場や為替市場が2015年末からにわかに風雲急を告げる様相となり、乱高下するなど大荒れとなっている。
そのようななか、大胆な予測を次々と当てて豪快に勝つことから、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)時代より「ゴッドハンド」といわれ、現在も国内外の投資家から絶大な人気を誇っている若林栄四氏が、2016年とそれ以降の相場の行方を詳細に予測する!
後付けの経済評論ではなく、これからの相場の行方について「その時期と水準」を明示する若林氏。これまでも、『勝ち残りのFX(エスカルゴムック236)』(2007年11月)で「2011年までに75円になる」と予測して的中、『デフレの終わり』(2011年7月)で「2012年が最後の超円高」と予測して的中、『不連続の日本経済』(2012年12月)で「2013年からそれまでと不連続で垂直的な株価上昇に入る」と予測して的中、『富の不均衡バブル』(2014年6月)で「米国ダウは2015年が大天井」と予測して的中させている。
その予測の元になっているのが、長年の研究によって確立した黄金分割とペンタゴンチャートによる相場解析である。「相場は神意である」とする若林氏が、2016年の相場予測に加えて、2022年までの新たな長期予測を大公開。果たしてその内容は?
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商品情報
- シリーズ
- 覚醒する大円高
- 著者
- 若林栄四
- 出版社
- 日本実業出版社
- 書籍発売日
- 2016.03.01
- Reader Store発売日
- 2016.04.28
- ファイルサイズ
- 4.4MB
- ページ数
- 232ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (4件のレビュー)
-
待ってました!という感じの若林氏の最新作(2016.3.12現在)です。社会人数年目の頃に半信半疑で読んだ若林氏の本に書いてある内容(円高になる時期やレベル)が当たっていたので、それ以降、彼の本が出る…たびに愛読しています。
彼は為替や株の将来動向を解説しますが、そのベースになっているのが、経済・社会動向に焦点をあてるのではなく、それらのチャートが持つエネルギー(波動)を解析している点が独自です。彼の本の中には「日柄」や「黄金比」という言葉がよく登場しますが、人間の思いや行動の結果が為替等のチャートに反映されるという考え方は大変興味があります。
また、多くの本では、円高になると言っても、その時期やそのレベルを明言することを極力避けますが、若林氏はずばり断言しています。円ドル為替レートでは、2022年に65円という今までの記録を塗り替えるようです。また日本株も、好調に上がっていくようです。
こつこつと積立貯金するのも良いですが、他のことにも興味のある私は、若林氏がこの本で書かれている内容は多いに興味を持ちました。
以下は気になったポイントです。
・日本はすでにデフレを脱却している経済であるため、この株式相場の下げの日柄が終わる2016年末には底を見て、再び日経平均が上昇に転じる。株式相場の大底は2008年10月(まえがきp3)
・すでに世界はゼロ金利なので、金利は役目を終えて、為替相場がもっぱら景気の安全弁として使われる時代である。金利の世界で景気が調節できたインフレ時代とは別のデフレ時代の発想が必要だろう(まえがきp5)
・ドルは2015年6月5日につっけた125円86銭が天井であり、それ以上円安には進まないだろう。ここから円高トレンドになり、2017年に100円割れとなるのは確実、2022年には65円となる(p16)
・相場は、自ら動きたいから動いている。10年、20年といった周期で発生する大きな波動のことを指す。「40年半」が極めて重要な日柄である(p25)
・FRBの利上げ判断が愚かな政策だったかといえば、米国はいまデフレの真っ最中であるから。そのデフレの終わりは2022年。1941年から金利上昇40年半のうち最初の27年が緩やか、残りの13年で物価や金利上昇が加速する(p27)
・アメリカのデフレの起点は1982年、そこから27年目ば2008年(リーマンショック)、そこからディスインフレの加速局面とすると、2022年まで続く(p28)
・相場の転換点となる日柄を考える場合、62日、62週、62か月、162日、162週、とその半分の日柄がカギを握る(p37)
・1995年4月(1ドル79円)というのは、1968年3月に採用された金の二重価格制からの27年目に当たる、さらに27年目は2022年となる(p46、47)
・太陰暦で月足のチャートを描くといろいろ不具合が生じる。1か月の日数を28日で区切る必要がある。週足・日足は自然界のサイクルに合致している(p51)
・以前はファンダメンタルズを見ておけば為替相場を予測できたが、1980年に行われた外為管理法の原則自由化で状況変わった。経常取引以外に資本取引が認められた。貿易収支黒字により円高になりそうだが、資本取引により円が売られたので相場は動かなくなった(p55、56)
・2015年6月(125円の円安)は、1998年8月(147円)からの16年10か月。27を10倍して16で割ると、16年と10か月となる。1995年4月からの20年3か月は81四半期で、重要数字40年半のちょうど半分(p88)
・2016年半ばまでは大きく下落しないだろう、せいぜい110円程度。後半になると、2016年8月(1971年ニクソンショックから45年目=540か月、ドル75円という大底をつけた2011年10月から19四半期)という重要な日柄がくる(p93)
・2017年第三四半期までは、ユーロ安・円高だが、それ以降はユーロ高が始まるドル全面安の前夜となる、1971年8月から続いてきた大円高が2022年で終わることになる(p95)
・ユーロの問題は、2017年第3四半期に向けてのユーロ安の後に、ユーロ高となった場合、弱い国(ギリシア、ポルトガル、イタリア等)が生き残れない、離脱せざるを得なくなる(p107)
・日経平均が史上最高値をつけたのは、明治維新から81年目の1949年5月に東証再開されてから40年半後にあたる、1989年12月であった(p119)
・1989年12月から27年目の2016年12月に向けて、1万4000円を目指して下落するだろう(p124)
・ユニコーンとは、IT系ベンチャー企業を中心として、評価額が10億ドル以上あり、かつ非上場のプライベートカンパニーと定義される。米国には2015年8月時点で132社もある。タクシー配車のウーバー、空室賃貸のエアビーアンドビー、莫大な資金調達をしながら、かつ株主に口を出されずに済む方法(p151)
・日本株は、2017年から2030年にかけて大きく上昇する。1989年の最高値、3万8957円も超えるだろう(p157)
・中国の金融市場が世界の実体経済に大きな影響を及ぼすことは基本的にはあり得ない、中国市場には外国人投資家の自由参加が認められていないので。(p168)
・原油は、2008年7月につけた1バレル146ドルから、2017年3Qに、20ドルまで下がることが見える。これはユーロ高に転じる、ドルが下がり始める日柄と一致する(p174)
・金はインフレに強いのではなく、デフレに強い。資産デフレが起きているときは、金は実物資産として効果を発揮する。2022年にかけてデフレが進み、株価が大きく下げる中で金の出番となる(p178)
・金価格のボトムは2016年6月となる、そこから先は暴騰するだろう(p184)
2016年3月12日作成続きを読む投稿日:2016.03.12
栄四、かく語りき、相場は、波動である。よって相場は、自ら動きたいほうへ動く。相場は記号、波が満ちたり、引いたりするように、相場は満ち引きする。それにうまく乗って、うまく降りるのが、唯一の方法。これは、…実感でしょうね。 そして、恐怖、欲望、傲岸、謙虚、ありとあらゆるものが湧いてくる世界。ある程度、悪い奴でなければ、生き残れない世界。結局、もうすでに決まっているもの、いかにして発見するのか、に懸かっているいるという。何やら、物理学の授業であります。続きを読む
投稿日:2016.10.09
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