「理」と「情」の狭間 大塚家具から考えるコーポレートガバナンス
磯山友幸(著)
/日経BP
作品情報
本書は、2015年に世間を賑わせた「大塚家具騒動」の顛末記である。父である大塚勝久会長と娘の久美子社長が経営権を巡り株主総会で争った様は、テレビのワイドショーの格好のネタになり、お茶の間の話題をさらった。
「理」で推した久美子社長と、「情」に訴えた勝久会長の戦いはなぜ起きたのか。本当に得をしたのは誰か。創業者が立ち上げた「家業」を、社会全体のものである「公器」に変えようとした久美子社長の思いとは何だったのか。騒動をつぶさに観察してきたジャーナリストが、徹底取材と単独インタビューで、久美子社長の胸の内に迫る。
大塚家具を巡る家族間の対立は、どこの家庭でも、そして、どこの家族経営の企業でも、普通に起きることだろう。だからこそ、あれだけ世の中の関心を集めたに違いない。逆に言えば、この騒動から学ぶことがたくさんあるのだ。本書では、「大塚家具騒動」の一部始終を振り返りながら、同族経営の限界と、ガバナンス面での課題を真正面から考える。
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商品情報
- シリーズ
- 「理」と「情」の狭間
- 著者
- 磯山友幸
- 出版社
- 日経BP
- 書籍発売日
- 2016.03.15
- Reader Store発売日
- 2016.03.22
- ファイルサイズ
- 4.8MB
- ページ数
- 248ページ
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この作品のレビュー
平均 3.3 (7件のレビュー)
-
日本で家具経営と言えば大塚家具の父娘対決がワイドショー的には盛り上がった。世間は父親の大塚勝久さんへの同情が強い。しかし、IKEAの成功など世界のビジネスの動きを踏まえれば、大塚久美子社長の改革の方が…皆が手軽に家具を購入できるというコモディティ化に流れに乗っているとはならないだろうか。経営は結果が見られるため、久美子さんが失敗と評価されることは免れない。しかし、その失敗原因は改革を進めたことではなく、もっとドラスティックに改革できなかったことにあるかもしれない。続きを読む
投稿日:2020.01.18
日経記者によるコーポレートガバナンスについて書かれた本。親子の仁義なき戦いといわれた大塚勝久創業者と娘の久美子社長との経営権争いについて詳しく説明されている。「情」に訴える創業者と淡々と将来計画を説明…する「理」の久美子社長の争いは、株主総会で娘に軍配が上がる。一昔前なら、厚い人間関係から創業者が勝ってもおかしくなかったと著者は言うが、今回は大差で娘が勝利した。株式会社とは、もはや創業家一族の所有物とは言えず、ステークホルダーを無視した身勝手な経営は、創業者であっても許されない。会社の利益を優先する将来を見据えた経営をしなければならないのは当然で、そのためのコーポレートガバナンスの重要性について、よくわかった。
「創業者はたいがいワンマンである。たとえ娘でも自分に異を唱える人の意見は聞きたくないものだ。会見で勝久氏が「久美子はいくら言っても言うことを聞かない」「まだ反抗期だ」と言い放ったのは、そんな苛立ちの表れだった」p93
「「社員は子供」と言い切る勝久氏にとって、大塚家具はまさに「自分の会社」だったのだろう。久美子氏は次の世代を考えれば、早く脱大塚家経営を進めた方が、株主としての大塚家の利益を守ることにもつながると考えていた。だからこそ弟妹4人のうち、3人が久美子社長を支持したのだろう」p110
「(久美子社長)私を選ぶか、会長を選ぶかといった選択のように報道されていますが、決してそうではありません。株式公開企業として「あるべき経営」「あるべきガバナンス体制」を実現させようとする取締役会の多数意見に対して、個人商店流の経営がしたい勝久会長が抵抗しているという構図なのです」p117
「大塚家具の営業部隊の社風は「体育会系」であるという。自分自身で考えて行動するというよりも、上司の命令には従う。ワンマンと言われる創業者のトップの下で育った社員は自らイエスマンとなっていく。久美子氏は5年間社長を務めた間、幹部社員はもっと自分自身で考えて意見を言うべきだと指導していた」p155
「(JPX日経インデックス400)グローバルな投資基準に求められる要件を満たした投資者にとって投資魅力の高い会社400社で構成。株主資本利益率(ROE)や3年間の累積営業利益などでランキングし、その合計点が高い企業から順に400社を選んだ世界でもユニークな指数」p172
「(久美子氏)いつまでも会社は自分のモノだという意識が消えないのでしょう。自分の自由にできないなら壊してしまった方がいいと感じているようにすら見えます」p217続きを読む投稿日:2018.10.23
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