地方消滅の罠 ――「増田レポート」と人口減少社会の正体
山下祐介(著)
/ちくま新書
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「2040年までに全国の市町村の半数が消滅する」とぶちあげ、「すべての町は救えない」と煽って衝撃を与えた日本創成会議の「増田レポート」。だがその警鐘にこそ、地方を消滅へと導く罠が潜んでいる。「選択と集中」などという論理を振りかざす本当の狙いは何か。「棄民」への政策転換がなされたように見せかけているのはなぜか。限界集落問題が「つくられた」ことを示して話題となった社会学者が、増田レポートの虚妄を暴き、地方を守るために必要な論理と、再生に向けた道筋を示す。
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この作品のレビュー
平均 3.1 (37件のレビュー)
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半数の市町村が消滅する、としたレポート、通称「増田レポート」を、disるわけじゃないけれど、ちょっと視点が違うんじゃないの、という本。増田氏の「地方消滅」は未読のまま、先にこちらを読んでしまった。
…
増田レポートの問題点として再三あげられるのが「選択と集中」。東京一極集中はいけない、としながら、地方中核都市に人を集めよという。結局地方は切り捨てる、ということになってしまう。
今のところ政治家も役人も、地方を消滅させるのに積極的な素振りはみせていない。けれど、増田レポートの衝撃は大きく、その衝撃を利用して、「大義のため」などといって、地域を淘汰することが自分の仕事、というやつが出てきちゃうんじゃないか、そうすると危ないぞ、と。公的なレポートはいつも二面性を持っている(逃げ道を設けている)から、どっちに転んでも大丈夫(?)。
一番子どもが生まれない都市は東京で、それを模倣したような地域の都市をつくっていっても、子どもはやっぱり増えるわけでもないかもしれない。社会は経済と雇用だけでなりたっているのではないことは、特にいわゆる「地方」を見ればわかるだろう。「選択と集中」のカウンターとして、「多様性の共生」があげられている。今の世の中の怖いところは、「多様性の共生」という言葉さえ、一つの「選択」になってしまうところだが…
自治は小さな単位でこそ働く。自治体が消滅を恐れて大きくなればなるほど、自治は働かなくなる。集中、というのは、いろんなことを手放してしまうことなんだなあ。結局のところ、世の中は選択と集中に動きそうな香りが強く漂っているけれど、違う選択もある、ということは忘れちゃなんねえだ。続きを読む投稿日:2015.04.20
序章 地方消滅ショック
第1章 人口減少はなぜ起きるのか
第2章 地方消滅へと導くのは誰か
第3章 「選択と集中」論の危うさ
第4章 多様なものの共生へ
第5章 「ふるさと回帰」は再生の切り札になるか…
第6章 持続する制度を生み出す
終章 新しい社会を選べるか
著者:山下祐介(1969-、社会学)続きを読む投稿日:2018.11.23
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