これで古典がよくわかる
橋本治(著)
/ちくま文庫
作品情報
あまりにも多くの人たちが日本の古典とは遠いところにいると気づかされた著者は、『枕草子』『源氏物語』などの古典の現代語訳をはじめた。「古典とはこんなに面白い」「古典はけっして裏切らない」ことを知ってほしいのだ。どうすれば古典が「わかる」ようになるかを具体例を挙げ、独特な語り口で興味深く教授する最良の入門書。
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商品情報
- シリーズ
- これで古典がよくわかる
- 著者
- 橋本治
- 出版社
- 筑摩書房
- 掲載誌・レーベル
- ちくま文庫
- 書籍発売日
- 2001.12.13
- Reader Store発売日
- 2014.11.14
- ファイルサイズ
- 0.2MB
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この作品のレビュー
平均 4.1 (57件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
軽いタイトルと軽い表現の裏に濃厚な味がする本でした。
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古典の内容よりも、漢字・漢文という外国語が日本に到来して、それをいかに日本人が悪戦苦闘の末、克服して現在に至ったかを、古典を通じて、橋本流の面白い比喩を駆使した解かり易く丁寧な説明で、楽しく読むことが出来ます。
漢文だけで書かれた『古事記』や『日本書紀』、漢字を使った万葉仮名の『万葉集』、そして「ひらがな」だけで書かれた『源氏物語』『枕草子』などを経由して、鎌倉時代にはいり『方丈記』をへて『徒然草』の和漢混淆文の完成にいたり、現代使用されている日本語に近づいたとの道筋をチョコチョコと寄り道をしながら楽しく読ませてくれます。
カタカナは漢字のカンニング用に考え出されたという話、句読点や濁点がなく、ただだらだらと連続した「ひらがな」だけで書かれた源氏物語というのも想像すると壮絶ですし、男女の関係がイスラム原理主義のような時代に、唯一男女を取り結んだ「和歌」の話も楽しく、またその和歌が近代になり「生活必需品」から「教養」へと「転落する」という表現もなるほどと思わせる。
この本を読み終えて、以前に読んだ「おどろきの中国」の中で橋爪大三郎が中華文明としての基準を『中国>韓国>日本』と評価していたのを思い出しました。
わが国の先人の苦労を知るにつけ、漢字の発祥の中国やその模範生である韓国から見れば、漢文や漢詩の下手くそな東の海の向こうの野蛮な国が、如何に自分たちの独自性を崩さずに独立自尊の精神で苦労してきたかを誇りにすら思えます。投稿日:2013.09.01
とっても面白かった!
古典は慣れること。書かれた時代、言葉が違うのだから難しいのは当たり前。
まずは冒頭を覚える。暗唱するまで。
余計な知識はいらない。
そして「をかし、あはれ」など、
当時の人たちが…感じていた感情を同じように感じてみる。
月を見よう、梅の花を嗅ごう。(P228など)
P181 「古典を書くのも、いま詠むのもみんな同じ人間。だからどこかに接点はある。昔の人たちもみんなその時代に生きていた。現代人だった。」
P219 古典が教えてくれるのは、
「え、昔から人間はそうだったの?」
という人間に関する事実。
とんでもない(元)現代人でいっぱい!
☆P62
紀貫之が古今和歌集の序文で言っていることが刺さった。
「和歌は人の心の中にある感情を核として生まれた言葉によってできている。生きている人間は日々忙しいが故に、さまざまな感情を生む。ほれがあるからこそ人間は見聞きすることで、自らの感情を形にした歌を詠むのだ」と。
日本人にとってその感情を最もよく表現する道具は 日本製の平仮名だった。
→なるほど。だからこそ和歌には人の感情がいっぱいいっぱい込められているのだな。
P47 昔の人はカタカナでカンニングをしていた。
P53 漢字は男のもの。平仮名は女のもの。女が漢字本を読むなんて気持ち悪い! それが平安時代。
P57 紀貫之は 女になりきって、土佐日記を書いた。当時は漢文ばかりの時代。日記に用いるのは漢字。しかし紀貫之は和歌の名人。歌は万葉仮名で詠むもの。つまり、平仮名は女しか使わないもので、それで日記を書くのだから、当然平仮名になる。ひらがなの文章を書くためなら女にでもなる!という紀貫之。
いとをかし!!
P60 様々な人が自由に詠んだ詩を集めた万葉集に対して、
勅撰和歌集は国家事業として作られた本。
P72 作者が歌人で、主役は和歌。という伊勢物語。
P74.5 紫式部は紫式部日記の中で、清少納言はやな女!と書いている。
平安時代は、「女は漢字の外にいるべきだ!」というのが常識だった。
いくら男たちが声に出して漢詩を歌っても、あまり女の子ところには届かない。
ならば届けてみせようじゃないか、と彼らは平仮名で和歌を詠み、贈ったという。
つまり、和歌は団所が恋愛状態になるときや、その後に贈るラブレターのようなものだった。
→P78 平安時代の和歌が、ほとんど言葉や感情を同じだった。
P112 源氏物語が難解なのは、平仮名だらけで、登場人物がやたらと多く、それぞれが複雑な気持ち心理や社会的地位背景を抱えており、主語が平気で抜けているため。
P140 源実朝は、和歌を詠む将軍。「金子恵美塊和歌集」
将軍だが和歌を愛していた珍しい人。
→P158 「はかなくて 今宵あけなば ゆく年の 思ひ出もなき 春にやかはなむ」
大晦日に思う。この1年何の思い出もなかった・・・と孤独に押しつぶされそうになる歌。
はかない。。。
P147 平安時代の貴族たちは
「京都以外には文化がなく、他の地はまともな人間関係の住むところではない」と考えていた。
P168 藤原定家は、源氏物語や新古今和歌集からの本歌取りが多い。楽しむには教養が必要。
だからこそ、源実朝の シンプルさが際だつ。
続きを読む投稿日:2024.03.21
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