ツイッターで学んだいちばん大切なこと 共同創業者の「つぶやき」
ビズ・ストーン(著)
,石垣賀子(訳)
/早川書房
作品情報
140字のつぶやきが世界のみんなをつないだ! 自分の思いを短文で発信する――たったそれだけのシンプルなサービスが、2億7000万人に愛され、社会を動かすようになったのはなぜ? 共同創業者のビズ・ストーンが、ツイッターの誕生秘話や裏話をユーモアたっぷりにつづる。「チャンスは自分で作り出せ」「最悪のシナリオを受け入れる覚悟をしないかぎり、最高のシナリオは手に入らない」など、成功するためのヒントが満載。
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この作品のレビュー
平均 4.3 (7件のレビュー)
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”twitter 共同創業者であり、精神的支柱だったビズ・ストーン氏( @biz )が、何を考え、どんな行動をしてきたかを自ら綴った一冊。
彼が、「人間」や「コミュニティ」を徹底的に信じ、創造、開発…、運営にあたってきたことが伝わってくる。twitter の経営を離れ、Jelly を立ち上げた今も、「人間の善意」への絶大なる信頼と、ふさわしいツールを提供することできっと世界が変わる!という確信がそこにあるのだ。
本書後半に登場する「利他主義の複利」という考えにとても共感でき、読了感がすこぶる爽快だった。それを具現化しようというアプリ Jelly はまだこれからかもしれないが、応援していきたい。
<キーフレーズ>
★人は、ふさわしいツールを手にすると、じつに驚くようなことを成し遂げられる。自分たちの人生を変えられる。世界を変えられる。(p.16)
★ステータスを見るだけで友だちが今どんな気分なのか、何をしているのかがわかる、この感じがいいなと思うんだ、とジャックは言った。これに似たようなものを作れるといいんだけど、どうだろう? ジャックは僕に聞いた。自分のステータスを載せられて、友人のステータスを見られるようなシステムを。(p.69)
※2006年、オデオ社のハッカソンで、ジャック・ドーシーとビズが AOLインスタントメッセンジャーをヒントに語った会話。
・140字という制限が、思いがけず最初から宣伝のきっかけになった。謎めいていたのだ。(p.95)
・僕ら数人の小さなチームは、目の前に現れるまで人々が必要性に気づかなかったようなものを、世に送り出そうとしていたのだ。僕たちが作り出したのは新しいコミュニケーションのスタイルだった。その可能性はようやく少し見えてきたばかりだ。ツイッターが何かの勝利なのだとしたら、テクノロジーの勝利ではなく、人間性の勝利だろう。(p.106)
※SXSW でのパブ間の人の移動をみて。「目の前に現れるまで人々が必要性に気付かなかった」「人間性の勝利」
★一人ひとりが、群れの中にいる鳥の一羽一羽が、一緒に飛んでいるほかの鳥の存在に、またほかの鳥がごく近くにいるという事実に、新たに気づいて行動したのだ。みながそれぞれ、世界の中での自分の場所を、飛びながら、ライブで体験していた。(p.114)
★ピザ届いた?
なんてことだ。ツイッターユーザーのコミュニティが、僕たちを応援してくれていた。
サイトがダウンしているのを責めるのではなく、何人ものユーザーが僕たちのオフィスにピザを差し入れ、頑張れと励まし、奮闘している僕たちを応援してくれていた。(p.139)
※くぅー、いいね。chiedasも立ち上げ前後はこうだったなぁ。はてなのサーバ移動実況なんかも思い出す。
・僕たちは自分たちの技術がすごいと強調するのではなく(略)、ユーザーがツイッターを使ってすばらしいことをしている事実に拍手を送ることにした。(p.162)
※とてもよくわかる。これが本当のコミュマネ、コミュニティビルダーなのではないか。
・善良な人々が可能性を手にすると、すごいことをやってのける。スーパーヒーローはいなくても、力を合わせれば世界を新たな方向へ動かすことができるのだ。(p.182)
★ツイッターに新しい社員が加わる時は、エヴァンと僕が会って迎えた。会社を立ち上げたときの話をして、次の6つの前提を共有し、話しあった。
ツイッター社員が心にとめておくべき前提
1.この先どうなるかは、いつも予測できるわけではない
2.社外には社内よりもたくさんの賢い人間がいる
3.ユーザーたのめに正しいことをすれば勝てる
4.ウィンウィンの取引だけが取引に値する
5.共に働く仲間は賢く、善意をもっている。
6.僕たちはビジネスを成立させ、世界を変え、かつ楽しんで仕事をする。(p.231)
※いいなぁ。特に5&6!
★番組に迎えたゲストにギフトカードを贈る形でスティーブン・コルベアが行った小さな善意は、こうして加速度的に広がった。僕はこれを利他主義の複利とよんでいる。(p.251)
※【利他主義の複利】って、いい言葉!「コルベア・レポー」への出演者に贈られた、ドナーズ・チューズの25ドル分のギフトカード。これが大きく広がっていく。HERO、ハタチ基金、致知ギフト、カジ応援 etc. 色んなことにつながっている。
★僕がもしまっとうな人間なのだとしたら、リヴィアの影響を強く受けているからにほかならない。
こう考えると、自分のライフワークが見えてきた。やりたい仕事、目指す方向、遺したい仕事は何なのかがわかった。僕は人を助けることに自分の人生を使おう。それを、自分の得意なことを活かして実践したい。(p.293)
・ジェリーをひとことで説明すると、人が助けあうためのツールだ。
重要なのはテクノロジーではない。人だ。コンセプトはごくシンプルなものだ。疑問に答えてくれそうな友人に、聞きたい質問を送る。人が人の助けになれるほどすばらしいことはない。すでにつながりあっている社会を利用する発想だ。(p.303-304)
※http://www.jelly.co/about
・今の仕事を辞めなくてもいい。ほんの少しの変化で軌道は変わる。たとえば仕事から帰ってまず「ただいま。何か手伝うことある?」と言ってみるだけでもいい。試してみてほしい。(p.315:おわりに)
★つながりあった社会の本当の意味での希望は、人と人が助けあうことにある。
人は基本的に善だ。僕らがつながるのは、互いに人の力になるためだ。協力しあうためだ。それ以上いい理由があるだろうか?(p.309)
・僕たちは共に歩いている。みんなで大きな何かに向かって歩いている。そこには希望があるはずだ。(p.316)
※なぜだか、金子みすゞさんの「このみち」のフレーズが浮かんできた。
「このみちのさきには、
なにかなにかあろうよ。
みんなでみんなで行こうよ、
このみちをゆこうよ。」
<きっかけ>
CMC での市川さんのオススメにより、ノータイムポチ。”続きを読む投稿日:2019.08.15
Twitter創業者による、Twitter創業の物語。
読みやすくて、読み進むうちに、事業を始める人なら誰にも言える、気づきのポイントが随所に出てきて、非常に為になりました。
翻訳も良かったです。
事…業のヒントにもなります。
オススメの一冊です。続きを読む投稿日:2020.09.07
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