建築史的モンダイ
藤森照信(著)
/ちくま新書
作品情報
近代建築史研究一筋だった著者が中世ヨーロッパ建築、さらに初期キリスト教建築、新石器時代の建築へと歴史を遡るうちに気付いたのは、建築の発祥という大問題だった。何が始まりだろうか?住まいか?それとも神殿か?そもそも建築とは何をもって建築というのだろうか?長い長い年月を経て、石や穴だけとなった遺跡を訪ね、その遺跡のもらすつぶやきに耳をすませて見えてきたものとは?建築の起源、和洋の違い、日本独自の建築の歩み…「建築」にまつわる疑問を縦横無尽に解き明かす。
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商品情報
- シリーズ
- 建築史的モンダイ
- 著者
- 藤森照信
- ジャンル
- サイエンス・テクノロジー - 工学
- 出版社
- 筑摩書房
- 掲載誌・レーベル
- ちくま新書
- 書籍発売日
- 2008.09.10
- Reader Store発売日
- 2014.12.23
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 231ページ
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この作品のレビュー
平均 3.8 (13件のレビュー)
-
問題設定能力と解決へと導く考察力、ユーモアがすごい。ある対象を見て何かがおかしいと感じる繊細さと、解決の糸口をつかみ出す膨大な知識量に圧倒される。そして、いつもながら藤森節といえるような文章のテンポも…心地よい。
以下に、おもしろかった所を整理する。
・建築と住まいの違い→結局は美しさ。自然界の中で美を感ずる能力を人類は養った。おかしい所を一瞬にして見出す能力。それを人工物にふりむけた瞬間が建築のはじまり。
・西洋建築は時代ごとのスタイル。日本建築は機能ごとのスタイル。
・中国、日本のみ宗教建築が横長。縦長は崇高性を高める。中国で孔子、老子などの身近な先祖を祭り出した時から、住宅的な横長の形式に。
・日本のモクゾウ。
防火性能のため木が見えない。東大安田講堂の設計者である内田祥三の発案による準防火の考え方が現在まで至っている。
・屋根の国ニッポン。
世界最多の屋根葺き材の種類。檜皮葺きは坪50万。
四権分立または瓦を除いた三権分立。
伊勢神宮 茅 20年の式年遷宮になじむからか。(私見)
出雲大社 杮 日本海側は檜は育たず、杉地帯。多田羅の鉄器で杉を割った。
京都御所 檜皮 面積大なので最も勾配が緩くてすむ檜皮が有利。高級さの主張。
法隆寺 瓦 仏教と同時に伝来。
・日本だけにある銘木の概念。
・間取り界の横綱居間
茶の間=ダイニング。博物館にあるような縄文時代の竪穴式住居も復元模型の団欒風景も考古学者は否定している。外で食べていただろうし、一家族が一棟とは限らなかった。また戦前の日本には居間中心の家はない。居間以外に住宅の発展の可能性を期待したい。
・ブルーノタウトとミースファンデルローエはガラスを石だとして、グロピウスはガラスは何もないものとした。現在の日本のほとんどの高層ビルはグロピウスの流れか。
・打ち放しコンクリートは日本が引っ張った。西洋は壁式の石造からの脱却にRCの柱梁によるフレーム構造を見た。日本は既に木造が柱梁のフレーム構造で、RCでそれをやっても美しいと感じない。安藤忠雄は徹底的に壁式のRC。続きを読む投稿日:2011.11.09
古今東西の建築の歴史を縦横にめぐりながら、著者自身の感じた建築にかんする根源的な問題について論じているです。
エッセイふうの文章で書かれていますが、冒頭から「人類が最初に造った建築は、神様のための神…殿だったのか、それとも自分たちの住まいだったのか」という根源的な問題が提起されています。このばあいの「最初に造った建築」とは、最初の「住まい」ではなく、「美しいこと」あるいは「視覚的な秩序があること」という性格をそなえた建築を意味しており、つづいて旧石器時代の洞窟壁画にまでさかのぼって、人類と建築の根源的な関係へと探求を進めていきます。
かならずしもしっかりとした論証がおこなわれているわけではなく、むしろ著者の研究のはじまりとなるような発想の芽のようなものが率直に語られています。茶室における炉の問題から、「茶室の核心には火がある」という結論にいたるところなど、どの程度妥当性のある意見なのかわたくしには判断がつかないのですが、興味深く読みました。続きを読む投稿日:2021.05.02
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