父の戒名をつけてみました
朝山実(著)
/中央公論新社
作品情報
父の死の連絡がきた「その日」から1年半の、実体験ルポ。生前の父との約束があり、喪主である著者は、ベストセラーとなった島田裕巳著『戒名は、自分で決める』を参考に、父の戒名を自作した。ところが、旦那寺の僧侶に「自分で戒名をつけてみたのですが……」と言いかけた途端、「人のビジネスに手を出すな」と恫喝され、さらには、「墓に入れない」と怒鳴られる。葬儀社の応援もあり、別の僧侶に頼んでなんとか葬式を執り行うが、今度は約2億円(?)の遺産をめぐって「争族」が勃発。4人のきょうだいは二派に割れる。前半は、著者の体験ドキュメント。後半は、体験から派生して、ノンフィクションライターである著者の「取材」へと進んでいく。戒名とは、そして、人の死を弔うとは、どういうことなのか? また、揉めに揉めた「争族」は、相続税納付ぎりぎりの10ヵ月後に決着をみたが、どうすればもう少しスムーズに解決できたのか? 自分なりの答えを探すべく、さまざまな参考文献を読み、僧侶や葬儀社の関係者、弁護士や司法書士に話を聞いていく。突然降りかかる家族の死。「その日」に慌てないために、読んでおきたい一冊。
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商品情報
- シリーズ
- 父の戒名をつけてみました
- 著者
- 朝山実
- 出版社
- 中央公論新社
- 書籍発売日
- 2013.12.10
- Reader Store発売日
- 2014.06.27
- ファイルサイズ
- 0.9MB
- ページ数
- 239ページ
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この作品のレビュー
平均 3.4 (10件のレビュー)
-
少々扇情的なタイトルである。Amazonの紹介文にも「父の戒名を自作したところ、僧侶に『人のビジネスに手を出すな』と恫喝され・・・」とあり、何やら穏やかでない。
目次の見出しも、「住職から恫喝を受けま…した」「檀家はやめるの、やめないの?」「請求二億円!?『争族』の始まり」と、キワモノ感が漂う。
いやいや、一見、いささか露悪的だが、これは存外、真面目で考えさせられる1冊である。
著者は人物ルポなどを手がけるライター。
関西に住む老父とは離れ、首都圏で仕事をしている。
ある日、施設に入所している父が亡くなったと連絡を受ける。関西へと向かう新幹線の車中で、著者は”ふと”父の戒名を自作しようと思い立つ。
にわか勉強だったが、父の人柄や生き様を考え、これだと思う戒名を思いつく。
ところがそれを旦那寺の住職に告げたところ、「おまえさん、何考えているのか知らんが」と威圧的に脅されてしまう。
そこから、「父らしい葬式」を上げるための著者の闘いが始まる。
発端は、「戒名を自分で作ってもよいではないか」という素朴な思いつきと、「なぜお坊さんに恫喝までされなければならないのか」という疑問である。
著者は基本、常識人だと思う。ただ、故人の思いを知っているのに、世間の慣習に流されるのをよしとしなかったのだ。
お坊さん側が心ない言葉を使い、強い態度で出てきたことと、それでも著者が引かなかったことがいささか問題を大きくしたというところだろう。
著者は兄1人、姉2人を持つ末っ子だが、家の事情は少々複雑で、実子であるのは著者1人だった。
兄と父は、父の生前、裁判に至るまでの争いをしている。そのため、遺産相続の話し合いもかなり面倒なことになっていく。
そして父の田舎との関係もまたしがらみに満ち、心地よいものではなかった。
多くの人は、肉親の死で憔悴しているとき、争いごとを強いて始めようとはしないだろう。これが常識といわれれば黙って従っておくだろう。
だが著者は踏ん張った。そして葬式の慣例が現在のようになった背景を追う執念も見せる。友人・知人の経験を尋ね、何人かのお坊さんや元お坊さんに会ってインタビューし、税理士さんに相続の事例について聞き、最後には社会学者の橋爪大三郎に話を聞きに行っている。
ライターとしての経験が生きているのだろうが、文章が読みやすい。
視点も一般人のものに近いように思われ、好感が持てる。
葬式仏教の問題点ばかりではない。
遺産相続の難しさ。肉親であるがゆえのわりきれなさ。人が亡くなった後の事務関係の煩雑さ。
父の死を境にさまざまな問題が一挙に吹き上がる。
人が1人死ぬということは、なるほどこういうことなのだろうな、と思う。自分の場合はどうなるのか、あれこれ考えさせられる。続きを読む投稿日:2014.03.31
この本を読んで、無宗教で父のお葬式ができてよかったなと思う。誰も文句言わなかったし、何より父が望んでいたことだし。戒名だっていらんと思ってたことも間違ってなかった。
役所の手続きの大変さは、激しく同感…。続きを読む投稿日:2015.09.13
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