向田邦子の陽射し
太田光(著)
/文春文庫
作品情報
「それでも僕は語りたい。向田邦子の何処が特別なのか」(太田光)
爆笑問題・太田さんの向田邦子に対する尊敬が詰まっているのが本書です。「こんなことを向田さん以外の誰が書けるだろう」と太田さんに言わしめる向田邦子の傑出した魅力を、その小説、エッセイ、シナリオにおける奇跡のような表現を採り上げて綴ります。太田さんの選ぶ「読む向田邦子」「観る向田邦子」ベストテンも掲載。向田ファンであることの幸福を存分に味わえる、最高の入門書にして最強の向田論です。
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 向田邦子の陽射し
- 著者
- 太田光
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春文庫
- 書籍発売日
- 2014.02.10
- Reader Store発売日
- 2014.03.14
- ファイルサイズ
- 0.6MB
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.7 (10件のレビュー)
-
―――それでも僕は語りたい。向田邦子の何処が特別なのか、何処が他と違うのか。―――
太田光の惜しみなく注がれる愛がすごい。
すきなものをかたるひとのきれいなことよ。
この本はまず構成が素晴らしい。
…初心者にとっては、と前置きをつけておく。
向田邦子プレゼンが巧み。十分読みたいなという気にさせたあとに、短編の小説、エッセイをドドンと全文のっけちゃう。
個人的には、「ぼくはこんなふうに向田邦子を読んできた」でちょうどよく読みたくなってきたところ、小腹がすいた感のまま作品に没入したかったので、それぞれの小説やエッセイの直前の短文レビューは不要だったかな。
作品の感想すこしだけ。
備忘録程度に。
『かわうそ 』
亭主病気で妻活気づく話
包丁のくだり、秀逸。
『三枚肉』
不倫相手の結婚式に妻と出席する
「ダダダダ」はたしかに、すごい。
『男眉』
地蔵まみえの妹と男まみえの姉
トイレのくだりは何回か思いだした。
『大根の月』
庖丁を研ぐ癖が大事なものを傷つけてしまった
この話の恐ろしさ。
いやーーー、こわい。
『ごはん』
空襲、家族、さつまいもの天ぷら、孤児とカンパン、土足の畳
この本を読むと太田は女のなんたるかをすごくよくわかっているみたいに見える。
男と女の構造をよく理解しているようにも。ただ、理解しているから理想の関係が築けるかというとそれはまた別のお話なのだなあとも思うわけで、男女というものはなんとまあ複雑でムツカシイんだろ。
「少ないように思えるが噛みしめるほどに十分な作品を書いてくれた」と感謝して太田の向田邦子論は終わる。
「飾られ、眺められるだけの、“名器”になることを拒否し、毎日使われる“食器”になることを選び、その通りになった。どれほど美しくても、そこに生活がなければつまらない。」続きを読む投稿日:2015.05.27
「太田光」がリスペクトしている作家「向田邦子」への想いを綴った『向田邦子の陽射し』を読みました。
「向田邦子」関連の作品は、4年くらい前に読んだ「文藝春秋」編集の『向田邦子ふたたび』以来ですね。
…-----story-------------
最上のオマージュ、鋭利な批評
誰よりも「向田邦子」を讃仰している「太田光」による最も誠実なオマージュ。
「こんなことを向田さん以外の誰が書けるだろう」というその傑出した魅力を小説・エッセイ・シナリオの奇跡のような表現を通して綴る。
「太田光」が選ぶ、「向田」作品の「読む」「観る」ベスト10の原文も掲載。
「向田」読者の幸福を存分に味わえる、最高の入門書にして最強の「向田」論。
-----------------------
「向田邦子」ファンには堪らない内容でしたねぇ… 「向田邦子」作品の評論に留まらず、お気に入りのエッセイ・小説・シナリオの名シーンの原文が掲載されていて、昔からの読者も懐かしみながら愉しめたし、これから「向田邦子」作品を読んでみようと思っている人への入門書にもなる良書でしたね。
■Ⅰ ぼくはこんなふうに向田邦子を読んできた
○奇跡のような小説―思い出トランプ
○沈黙という、至福の表現―あ・うん
○“人”と“幸福”との距離―隣りの女 男どき女どき(小説)
○向田邦子にしか書けない作品―寺内貫太郎一家
○色彩鮮やかに心を伝える―父の詫び状
○向田さんの“愛し方”と“誇り”―眠る盃
○“大きなもの”への怒り―無名仮名人名簿
○“日本”と“日本人”への向田さんの意思―霊長類ヒト科動物図鑑
○太宰治の“幼稚さ”と向田さんの“強さ”―夜中の薔薇
○向田さんの“茶の間”と“世界”―女の人差し指
○言葉を花にする作家―男どき女どき(エッセイ)
○“片思い”の対話―向田邦子全対談
○生への“沈黙”―向田邦子の恋文 向田邦子の遺言
○太田光が選ぶ「読む向田邦子」ベスト10
《小説》
・かわうそ
・三枚肉
・男眉
・大根の月
・あ・うん
《エッセイ》
・ごはん
・水羊羹
・なんだ・こりゃ
・鉛筆
・マスク
■Ⅱ 向田邦子が書いた女と男の情景
○向田邦子の不在の大きさ
○浮気をされても腹は減る
○男は女にかなわない
○ダメな男をかわいがる
○強いけど、もろい人―妹・和子さんに聞く
○太田光が選ぶ「観る向田邦子」ベスト10
《阿修羅のごとく(1979年NHK)》
・女正月
・虞美人草
《あ・うん(1981年NHK)》
・こま犬
・送別
《寺内貫太郎一家(1974年TBS)》
・1 茶の間
■あとがき
「太田光」も語っていますが、「向田邦子」作品に登場する人物って、愛せない人がいないんですよねぇ… 中途半端な人間でも、ダメ人間でも、ついつい許しちゃいたくなるような、そんな魅力に溢れています、、、
登場人物が嘘っぽくなくて、身近にいるような感じがするんですよね… そして、心の機微の描き方が巧い、そこが魅力なんだと思います。
収録されている短篇やエッセイは全て再読ですが… その中でも、特に印象的だったのは『かわうそ』や『三枚肉』、『男眉』、『大根の月』ですね、、、
男女の機微の描き方が秀逸… 再読で新たな気付きもあって愉しめました。
ずっと昔に読んだ短篇を、また読んでみたくなりました。続きを読む投稿日:2023.02.01
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。