ヴィクトリア女王 大英帝国の“戦う女王”
君塚直隆(著)
/中公新書
作品情報
植民地を世界各地に築き、「太陽の沈まない帝国」と呼ばれた19世紀イギリス。18歳で即位し、この繁栄期に64年間王位にあったのがヴィクトリアである。後に「君臨すれども統治せず」の確立期と言われ、女王の役割は小さいとされたが、実態は違う。自らの四男五女で欧州各王室と血縁を深めた女王は、独自外交を繰り広げ、しばしば時の政権と対立した。本書は、全盛期の大英帝国で、意思を持って戦い続けた女王の実像を描く。
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商品情報
- シリーズ
- ヴィクトリア女王 大英帝国の“戦う女王”
- 著者
- 君塚直隆
- 出版社
- 中央公論新社
- 掲載誌・レーベル
- 中公新書
- 書籍発売日
- 2007.10.25
- Reader Store発売日
- 2014.12.21
- ファイルサイズ
- 2.9MB
- ページ数
- 288ページ
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この作品のレビュー
平均 4.1 (20件のレビュー)
-
19世紀イギリスの繁栄期に64年近くも女王の座にあったヴィクトリア。
「君臨すれども統治せず」という言葉もあったため、政治にはあまり口を出さなかったような印象があるが、実際はそうでもなく、かなり熱心だ…ったという実像を紹介。
女性であり、若くして即位、9人の子だくさんで家庭的なイメージといったあたりから、実際よりも政治的でないと思われている。
王家の跡継ぎがいなくなりそうだった時期の問題から始まり、結婚出産ラッシュ。
しかし早世した子もあって、四男の娘ヴィクトリアしか跡継ぎはいない事態に。
ヴィクトリア自身は伯父にあたる王に気に入られていたが、母親ケント公妃がドイツ人だったために王に信頼されていなかったいきさつも。
首相や大臣達との対立や交流ぶりが具体的に。
メルバーン首相を師と仰いで信頼したが、政権交代で身近な女官も取り替えなければならなくなって、当初はこれを拒否したために揉める。メルバーンは妻子を亡くした後で、父娘のようだったらしい。
ディズレーリやグラッドストン、名前は覚えていたけど、詳しいことはすっかり忘れていたので、また印象が変わりました。
自由主義のグラッドストンとは仲が悪く、ヨーロッパのもめ事に不干渉な態度を無責任と感じたらしい。世間にも不評となって辞めたがまた復帰、長年勤め上げて辞めたときにも冷たい態度だったとか。
女王が拡張政策に熱心だったという一面も。
長女のヴィクトリアがドイツ皇太子を結婚し(後の皇帝フリードリヒ3世)と結婚したため、ドイツとも縁が深かった。
ビスマルクを嫌っていたが、対面したときに互いに印象が変わったという。
ロシアのことはかなり警戒していて、ロシアが帝国であるために、一つランクが低い「女王」というだけでなく張り合える「インド女帝」の称号を望んでいたとも。
(1872年に女帝の称号を得る)
子どもや孫が各国の王家と縁を結んだので、ヨーロッパ一のゴッドマザーになってゆく。
1861年、42歳の時に最愛の夫アルバート公が亡くなってしまう。
その後は、生涯喪服で通したため、政治に関心を失ったと思われてもいる。
実際に10年ほどは国民の前に姿を現さなくなったのだが、離宮で静養していても書類は持ってこさせ、政務には関わっていた。そして、10年ほどだってからは、やはり国民の前に出なければと思うようになったらしい。
黒い服で通したが、子どもの結婚の時には白いベールを付け、在位50年の時には黒いドレスに銀の刺しゅう、60年の時には金の刺しゅうをしたとか。
長男で跡継ぎのバーティには失望していて、30になっても何も実権を与えなかったのは失策だったと批判的に書かれています。
確かにバーティは大学を中退してしまった遊び人ではあったんですね。
自身が喪に服している時期には、バーティに何かさせた方が良かったかもねえ。
1893年には、ロシアの皇太子ニコライ二世がロンドンを訪問。
バーティの次男ジョージ(後のジョージ5世)の結婚式に出るためだった。ニコライとジョージは母親同士がデンマーク王女で姉妹という従兄弟で、そっくりだったという。
翌1894年には、皇帝になったニコライ2世と、女王の孫娘のアリックスが結婚。
後にロシア革命で倒された一家ですね。皇帝の方が格が上なため、結婚式はロシアで行われた。
結婚相手が公国の出だったりすれば、結婚式はイギリスで、ということになる。
面白かったです。
女王は、1901年1月に81歳で死去。
世紀の葬列を夏目漱石が目撃したとか。ちょうど留学していて、下宿の主人の肩に乗ったんだとか。
2007年発行。続きを読む投稿日:2012.07.09
何を正義ととるかは別にして、
選挙法改正等、民主主義のブームの中で
王室やイギリスの尊厳を守るという純粋な使命感をもって政治を陰に陽にコントロールしてきた女帝の強さがよくわかる一冊だった。投稿日:2023.11.26
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