教養の力 東大駒場で学ぶこと
斎藤兆史(著)
/集英社新書
作品情報
1990年代、大学から「教養」の名を冠した学部が次々に姿を消した。それに応ずる形で専門知・実用知の優位性が喧伝されると、いまや「教養」はかつてのエリート達による懐古趣味のようなカビ臭い存在になってしまった感がある。しかし、本来の教養は、行き過ぎた専門知の追求に対して物事を多角的に捉える視点を与えるものでもあった。本書では、そうした意義に加え、人格的な豊かさを体現するためにも不可欠な教養の意味を問い直し、今の時代にも活きる新しい形を提示する。東大教養学部で長年教えた著者が授ける教養の力!【目次】まえがき/第一章 「教養」は変質しているか/第二章 学問・知識としての教養/第三章 教え授ける・修得する行為としての教養/第四章 身につくものとしての教養/第五章 新時代の教養/あとがき
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 教養の力 東大駒場で学ぶこと
- 著者
- 斎藤兆史
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社新書
- 書籍発売日
- 2013.04.22
- Reader Store発売日
- 2013.10.25
- ファイルサイズ
- 1.7MB
- ページ数
- 192ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.1 (17件のレビュー)
-
英文学者による教養論。P.99で著者がいうように「一般書・新書文体を使」って書かれたものである。著者自身の経験から得られた知見が述べられている。
逆に、先行研究のレビューが少なく、巻末の参考文献を見…る限り、猪木武徳、村上陽一郎、西山雄二のそれぞれの論には触れられていない。ちなみに、この中には駒場関係者も含まれる。サブタイトルに「東大駒場」という言葉が使用されたり、黄色い帯に「東大には、なぜ「教養」学部が残ったのか?」といった、個人的に購買意欲がそそられる表示・体裁となっている。こうしたことから、ある程度組織的コンセンサスが織り込まれているのではと思い込んで読み進めた。だが、新書・啓蒙書の部類だからか、最初にいったとおり、ある「一事例の紹介」という印象が強く残った。
とはいえ、大学教育における「教養」の概念を考えていく上で、必要な視座を再確認できた。例えば、①主な日英の辞書からの教養の定義を列挙、②修養、教養主義のレビュー③教養教育の成否≒基礎知識・学力の定着度という点である。
また新時代の教養の柱、すなわち「知的技術」「センス・オブ・プロポーション」「人格」の提示にも共感できた。これらについても、多くの場面で論じられる機会が多いが、コンパクトに著者なりの整理がなされている。
本書の最後で、「全人教育としての教養教育が充実し、より多くの教養人が生まれれば、それだけ社会の秩序は整っていくはずである。」(P.171)という言説で結論づけている。全く否定のしようがない意見だ。現在、多くの国公私立大学・中高で教育理念の中で全人教育を標榜していることからも明らかである。個人的には、全人教育の概念の出自を意識しつつ、その用例が一般化・普遍化した現状を素直に受け入れたい。
-----
私が修論で書こうとしていることは、古くからある仮説を新しいデータで実証することでもあると気づいた。続きを読む投稿日:2013.04.29
東京大学の教養学部で長く英語教育に携わってきた著者が、教養の復権を説いた本です。
倉田百三の『愛と認識の出発』や阿部次郎の『三太郎の日記』などに代表される大正教養主義について、文化史的な観点から考察…をおこなった本も多く刊行されていますが、本書で展開されているのは、歴史的な観点から旧制高校的な教養を相対化するような議論ではありません。もっともそのこと自体は、本書のテーマからはずれるということもあり、かならずしも本書の欠陥といえないでしょう。
ただ、「教養」と「修養」の差異についてあまり検討をおこなうことなく、両者をひとつながりのものとしてあつかっている点は、すこし気になりました。これは本書が、教養が軽んじられる現代から教養主義を仰ぎ見るような立場に立っていることによるのではないかと思われます。このため、唐木順三の教養主義批判に代表されるような、大正教養主義をそれに先立つ時代から相対化するような視座が欠けており、どこか「学問の置き所悪し」の印象があります。続きを読む投稿日:2018.12.09
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。