山椒大夫・高瀬舟
森鴎外(著)
/新潮社
この作品のレビュー
平均 3.7 (117件のレビュー)
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芦田愛菜さんの「まなの本棚」に感化され、拝読しました。
事前のイメージとは違い、内容は深くともさらっと読みやすく、ページ数も少ない為物足りないほどすぐ読み終わってしまいました。
森鴎外の緻密で繊細な描…写は、やはり文豪らしく秀逸でした。特に情景描写の美しさに惹かれました。
「その日は暮れ方から風がやんで、空一面をおおった薄い雲が、月の輪郭をかすませ、ようよう近寄って来る夏の温かさが、両岸の土からも、川床の土からも、もやになって立ちのぼるかと思われる夜であった」
安楽死について、罪について、読了後も引きずるように思いを巡らせずにはいられません。
善悪の区別がつかないような展開に、幾度となく心が揺さぶられる作品。続きを読む投稿日:2021.12.23
何十年も前に、この『鶏』を読んだ時に、とてもイラっとしたのを思い出す。今もそうだが、この”別当”のタイプの人がものすごく嫌いなのである。足元をみて、じわじわとグレーゾーンで悪いことというか、セコいこと…をするヤカラ。人のものを自分のもののように使い、勘違いする。この別当の延長線に最近大きな問題になった某球団をクビになった犯罪者のような人に繋がるのかと思う。
石田は吝(けち)ではあるが、美学のある人物として描かれる。美学、というか良えカッコしいというか、めんどくさいというか、、そこらへんもわからんでもない。腹が立っても言わない人っちゅうかねぇ。ほんま、わからんでもないが、モヤるのである。
「鶏なんぞはいらんと云え。」
執着、という言葉を考えさせられる話でもある(主観)。
この時代の軍人(位の高い)的な、というか、
石田(森先生のアバター)の教育者向きの部分を感じなくはない。
細かいことは思うけど言えない、モヤっとしつつ
表向きはポーカーフェイス上等である
それ以上に、別当タイプのうざい人にはかかわらず、
関わると同じクソに落ちるように感じて逆に口聞けない
無視が一番というか、、(100%主観か)
書き出すと、異常に長くなるのでこの辺でやめておく(笑)
小倉三部作と総称されるのは
「鶏」、「独身」、「二人の友
学生時代、研究テーマを森鴎外にしようかめちゃくちゃ悩んだ時期があった。
結局別の人にしたが(すまん森先生)、それぐらい非常に入れ込んだ作家である。
小倉の旧森鴎外邸を訪れる機会に恵まれたのでゆっくり再読した
「この土地の家は大小の違いがあるばかりで。
どの家も皆同じ平面図に依って建てたようにできている。」
『鶏』で石田が感じた小倉の住宅は、
そのまま森先生が感じたことであろう
現在はしょうしょう背の高い近代コンクリートのアパートメントなどが周りを囲んでいて、少々興がそがれるが、邸本体のたたずまいはしっかりと当時を保っている。
「門口を入って左側が外壁で、家は右の方へ長方形に延びている。その長方形が表側と裏側に分かれていて、裏側が勝手になっているのである。」
「先ず、柱が鉄丹(ベンがら)か何かで、代赭(明るめのマットな赤茶、赤土の顔料赭”そほに”)のような色に塗ってあるのが異様に感ぜられた。」
異様ではあるが不快ではない、とも書かれている。
新築とは言わないが、建ててからそんなに年数が経っていないのに、
「何となく古い、時代のある家のように思われる。」
このあたりは要塞が近いので石塀や煉瓦塀を築くことができなかったらしい。なので、現在も当時のままの竹の生垣なのであろうか。
「玄関から次の間を経て、右に突き当たる西の詰が一番よい座敷で、床の間が附いている。」
裏側の方は、西の詰が小さい間、その次がやや広い。「この二間が表側の床の間のある屋敷の裏」
「表側の次の間と玄関と裏が、半ば土間になっている台所」
「井戸は土間の隅に掘ってある」室内井戸になっている。
「庭には石炭屑を敷かないので、綺麗な砂」
「真中に大きな百日紅の木がある。垣の方に寄って夾竹桃が五六本立っている」
残念ながら庭の地面も庭木も経年ですこし違っている
裏庭は表庭の3倍ぐらいの広さ(現在はそんなに広くはない)、所々にみかんの樹、「瓦で築いた花壇には菊、丸石で畳んだ井戸、どの石の隙間からも赤い蟹。」
赤い蟹はいなかったが、ジョウビタキがうろうろしていて
とても趣があった。続きを読む投稿日:2024.04.13
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