新約聖書を知っていますか
阿刀田高(著)
/新潮社
作品情報
新約聖書の冒頭で、マリアの夫ヨセフの系図を長々と述べているのはなぜでしょう。処女懐胎が本当ならば、そんなことはイエスの血筋と無関係のはずです。ところで、聖書の中に何人のマリアが登場するか知っていますか? ではヨハネは? そして、イエスの“復活”の真相は? 永遠のベストセラー『新約聖書』の数々の謎に、ミステリーの名手が迫ります。初級者のための新約聖書入門。
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この作品のレビュー
平均 3.8 (90件のレビュー)
-
阿刀田さん「知っていますかシリーズ」を読んだだけで分かったつもりになっている個人的読書企画(笑)
今回は新約聖書。
新約聖書は二十七章から成り立つ。
❐マタイによる付近書、マルコによる福音書、ルカに…よる福音書、ヨハネによる福音書
⇒それぞれの語り手が、イエス・キリストの言動と教えを伝える物。イエス本人のそのままの姿というより、神学的な見解から伝道したい神の子イエスのイメージ像。
❐使徒言行禄
⇒イエス十二弟子や、イエス死後使徒になった人たちの言行禄。
❐○○人への手紙
⇒イエスの死後使徒となったパウロから各地へ送った手紙と、その他の手紙各種。
❐ヨハネの黙示録
⇒神から直接的に得た啓示。異教の神を信じるものには罰が下り、人間の世界は終わり、復活したキリストと真のキリスト者により、新たな神の国が顕われるとの予言。
黙示録だけの解説本も。
https://booklog.jp/item/1/406292496X
新約聖書に描かれているイエスの言葉などは、
「比喩が多くてわかりづらい。だからどうとでも解釈できる」といいつつ、阿刀田さんとしての解説を丁寧に載せている。
…それを読んでもやっぱりよく分からない。(ーー;)
私は子供の頃近所の日曜学校(市の集会所でやってた)に行ってたはずなのになーーー
さらに聖書に描かれているイエスの生涯を追い、そして阿刀田さんの作家としての思考が書かれる。
イエスはいかにして自分が”神の子”と自覚していったのかその心理的道のりは?
自分の運命を知りながら逮捕前夜にゲッセマネの丘で激しく動揺した”人間”イエスがその後にどのような心境を辿ったのか?
逮捕されたイエスのことを三度「あんな奴知らない」と否定したペテロの慟哭、一度は故郷に帰ったペテロが布教に戻り、死ぬと分かっている道を引き返したのは?
キリスト教徒最大の布教者パウロは、生きていた頃のイエスを知らずそれまではキリスト教徒を迫害してきた。そのパウロがなぜ「パウロなければキリスト教なし」といわれるほどの布教活動を行えたのか?
十字架のイエスを埋葬したアリマタヤのヨセフは、そのような重要なことをしたにもかかわらず彼の功績が書かれていないのはなぜだろう?
ユダが”裏切った”のは、宗教的世界観の違いや布教の方向の違いもあったのでは?
聖書では「イエスは神の子」というエピソードが沢山あるけれど、
阿刀田さんは「人が何かを成し遂げるにおいて、信じることが本人にも信者にも必要だったのだろう」という目線で聖書の記載を読みとっている。
さらに聖書に出てくる人物の心境などを考察します。その阿刀田さんの人間への目線は優しい。
確かに聖書の話を「なんか一部の人が信じてる信じがたい話」だと思うよりは、「実際の人間はどのように考えたのだろう?」と考えると、実に身近な物語として感じられる。
ちょっと面白かったこと。
宗教画などで有名な「受胎告知」は、4つの福音書のうち2つにしか取り上げられていないということ。それなら後世に作り足された話なのか?と考えられる。
さらにマリアの夫のヨセフは、ソロモン王にも遡る確かな血筋だとも書かれている。
…イエスが人間の父不明とされているのは、父は神だからってことでしょうけれど(宗教画で、マリアと結婚した時のヨセフは老齢に書かれていて「子供を作れません」みたいに描写されているものもある。…しかしそれだと弟たちはどうやって生まれたんだろうとなるけど)、この聖書の記載からでヨセフの由緒正しさを強調しているなら、何も処女懐妊でなくて普通にヨセフが実父だっておかしくないような…。
そして、この本を読んで分かったのですが…、私は「マグダラのマリア」と「ベタニアのマリア」を一人の人間かと思ってました…orz。
だけどイエスを描いた映画でも二人を同一人物扱いしてるよねーー(と言い訳してみる)
❐マグダラのマリア
⇒以前は娼婦だったがイエスにより悪霊を取り払われた。イエスの恋人では?とか言われてる(映画とかではそのように描かれることも多い)。十字架のイエスを看取り、復活したイエスに会う。
❐ベタニアのマリア
⇒イエスが蘇らせたラザロの姉。マリアの姉のマルタがイエスを歓迎する準備に追われていた時になにもせずにただただイエスの話を聞き、イエスからは「私の一番望むことをした」と言われる。イエスに高価な香油を使って「無駄遣い~」とかいちゃもんつけられたのも彼女。
イエスを描く映画メモ。
●「ベン・ハー」
https://eiga.com/movie/49232/
⇒皇帝ネロ時代のローマ帝国。主人公の軍人ベン・ハーは不幸な事故から追放されて奴隷に落とされる。道で倒れたベン・ハーを助け起こし水を飲ませた男がいた。
数年後、奴隷から身分を回復したベン・ハーは、自分が架けられる十字架を担ぎゴルゴダの丘へ歩かされる罪人を見た。彼こそが自分を助け起こした男、イエス・キリストだった。ベン・ハーは倒れたイエスに水を飲ませる。
●「キリスト最後の誘惑」https://booklog.jp/item/1/B000E6GB12
⇒イエスが人間として苦悩する姿。
悪魔がイエスに「ただの人間として生きたなら平和な暮らしができる。神の子など辞めてしまえ」と誘惑し、イエスはマグダラのマリアとの間に子供ができて平穏な人生を送る自分を妄想する。
製作時に「イエスの性行為を描くとは!」とかなり反対運動が起きた…と、高校の先生が言っていたので劇場で観てきた。
この映画では、イエスはユダを信頼していたから神の使命として裏切らせた、とかそんな感じですが、
この映画で上映反対運動が起きたということは、おそらくこれより前は「イエス・キリストは神の子で、ユダは裏切り者」としか書けなかったのだろうか。
しかしイエスはウィレム・デフォーで、ユダはハーベイ・カイテルなんだが、こんな強面師弟が神殿で暴れたらそりゃーローマも警戒するよとはちょっと思った(笑)
監督マーチン・スコセッシで、音楽はピーター・ガブリエルの「パッション」
https://www.youtube.com/watch?v=yvjA25SPsK8
●ミュージカル「ジーザス・クライスト・スーパースター」略してJCS
⇒キリスト最後の7日間の苦悩。感想はこちら。
https://booklog.jp/item/1/B00005EV5V続きを読む投稿日:2019.08.23
『旧約聖書を知っていますか』に続き読了。
御本人が書いておられる通り、イスラエルの建国史とも読める「旧約聖書」と異なり、こちらはどうしても信仰につながるだけに書きにくかったのかなと……。聖書からの引用…が多く、阿刀田先生のユーモアがあまり感じられなかったのが残念でした。
しかし、キリスト教が身近にない私でも、少なくともそのイメージを掴むことはできました。サン・ピエトロ大聖堂が聖ペテロのお墓の上に建っていることすら知りませんでしたから……。
日本以外の地域で生まれた小説、建築、美術、音楽そしてその他のありとあらゆる文化は、キリスト教から多大な影響を受けています。
たとえば今後絵画や彫刻を目にした時に、これまで気付けなかった発見がありそうでワクワクしますね。『ダ・ヴィンチ・コード』も、読み直したら印象が変わりそう。
阿刀田先生のエッセイでもう一つ気になるのが、『楽しい古事記』。
「古事記」もマンガやゲームでたくさん触れてきましたが、先生の洒脱な文体で改めて読んでみたいなと思っています。続きを読む投稿日:2024.01.14
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