この作品のレビュー
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サムスンをグローバル企業に押し上げた李会長の改革の真髄。『危機感ではなく、危機意識を持て。』かつて韓国は金融主導で誘発されたIMF危機に苦しみ、それを乗り越えたサムスンは、嵐をじっと耐えるような危機感…ではなく、いつ嵐が来ても耐えられる体力をつけるために、危機意識を社員に植え付けた。
過去には日本のマネをし、設計図も無く、それでいてエリート意識は強い集団だったが、それを3つのイノベーション、『3PI活動』により改革した。
3つのPとは、パーソナル、プロダクト、プロセスだ。
パーソナル
人力開発院で社員に現地語のエリート教育、地域専門家を育てる。現地の文化、経済に溶け込ませ、情報を収集させる。
プロセス
デジタルモノづくりとなり、製品開発は『串焼方式』から、企画デザイン〜設計生産までがラップする『刺身方式 』に!
部品メーカーへの見える化を進め、部品の早期手配を可能にした。
技術の先行開発はせず、先行メーカーの技術を、素早いプロセスでキャッチアップして真似をする
プロダクト
日本追従型から、新興国市場を向く
新興国では過度な品質よりも、価格重視。日本メーカーの製品から、主要な部分を真似して、新興国向けにアレンジして販売する。
先進国と新興国では、求めるものが異なる。価格から利益を引いてコストを決めていく引き算方式。
多品種少量生産が可能。
体感不良率を減らす(韓国の洗濯機の例:サービスマンが車に基盤とモーターを積んで巡回。故障の連絡があれば即部品交換。それでもダメなら新品と交換。→毎日使うものだから、いかに早く直すかが顧客満足には重要)
サムスンは真にグローバル企業だ。社員は世界中に溶け込み、情報を集め、製品は多少品質が落ちても、その地域で真に求められているものをきめ細かく投入し、プロダクトで最も大事な顧客満足度を高めている。
日本企業も、品質、部署の利害、だけにこだわるのでは無く、割り切りを持って真に需要のある製品を投入出来るか、が必要。
高いポテンシャルをどう活かしていけるか、考えなければならない。続きを読む投稿日:2011.11.22
サムスン成功の整理その2。
1.強いリーダーシップ。強い危機意識による変革。
2.戦略の明確化。成長市場である新興市場をターゲットとし、目標に合わせた戦略の策定。
(無いものは追わない、効率的・戦…略的な順位付け)
3.日本企業は1,2ともに後手に回っている。危機意識と「変える」意志、
後追いではなく、それぞれが持つ能力を生かした戦略立案が必要。
・「3PI運動」=パーソナル・イノベーション、プロセス・イノベーション、
プロダクト・イノベーション
驕り、相互不信、個人や集団利己主義、権威主義や他律、日和見、無責任などの弊害の
改革のための3PI運動。当初は機能しなかったが、IMF危機による危機意識の高まりにより
改革が機能し始めた。
危機意識に本当に直面したかどうかの違いは大きい。
・トップの最大の役割は、戦略を考え、それを組織全体に示すこと。価値付けを行って
組織全体に徹底させること。どの方向に進むべきかという戦略。
・日本が生き残る道
サムソンは日本追従から強いリーダーシップで方針を変えた。新興国へ、マーケットインへ。
新興国・デジタルの製品作りの時代では、「表の競争力」(=デザインや価格など消費者から
よく見える部分での競争力)が最優先・効果的なことを見極めて、大きく舵を切った。
日本が強い「裏の競争力」(=品質や基礎技術)の追従は時間がかかるし、効率的でない。
今後、中国やインドの企業もサムスンのような戦略を採りうる。サムスンはブランド作りや
次の戦略構築により対策。
日本企業は「裏の競争力」を持っていることが利点。だが、この力が競争力に結びついていない。
結びつける戦略もないのが課題。技術を生かした企画開発力が要求されている。
サムスンのように新興市場に打って出るというのは1つの解に過ぎない。
企業それぞれが持っている能力によって、最適解はちがう。
かつての李健熙会長が持っていたような危機意識と、「変える」という強い意志が必要。
続きを読む投稿日:2020.09.21
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