相手に「伝わる」話し方 ぼくはこんなことを考えながら話してきた
池上彰(著)
/講談社現代新書
作品情報
面接、プレゼン、祝辞書き言葉は、「読む文章」です。「話す文章」は、本来まったく異なるもののはずです。いわば「文章の生理」の違いのようなものだと私は思います。「書く文章」をそのまま読み上げても、聞き手を感動させることはありません。聞き手の心に届くような話し方をしたければ、「書いた文章」を読み上げるのではなく、「自分の言葉」で語りかけなければならないのです。(本文より)
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商品情報
- 著者
- 池上彰
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社現代新書
- 書籍発売日
- 2002.08.20
- Reader Store発売日
- 2012.03.16
- ファイルサイズ
- 0.4MB
- ページ数
- 224ページ
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この作品のレビュー
平均 3.6 (74件のレビュー)
-
相手に伝わるように話したい。それは万人の願いだと思います。僕自身どちらかというと口が回る方ではあるのですが、伝える事に自信があるのかと問われればちょっと・・・。
他のしゃべり方の本とは違ってメソッドが…あるわけではなく、記者だった池上さんがどうやってしゃべれるようになったか、しゃべれるようにしたかを振り返っています。
一つこの本で重要な事を学んだのは、難しい言葉で説明してわかっている気になっていると、相手がその言葉を分かっておらず全く伝わっていないという事でした。
出来るだけ普通の言葉で説明できるように、一般的な言葉に置き換える事が出来る語彙力をつけたいです。続きを読む投稿日:2022.06.14
池上彰氏は今やテレビで誰にでもわかりやすくニュースを伝える代表格として不動の地位にある。氏の著書も大変わかりやすく、特に以前は宗教関連の入門書的な位置付けで読みまくっていた。なぜこんなにわかりやすく説…明できるのだろうか。いつからこうした説明ができる様になったのか、そんな疑問を抱きつつ本書を手に取った。
ご存知の通り池上氏はNHKの記者として歩みを始め、ニュースキャスターだけでなく裏方の仕事も含めてあらゆる「伝える」側の仕事を経験されてきた。特に記憶に新しい「週刊子供ニュース」は確かに大人の私がみても「実はそうだったのか!」と知らずに流して聞いていた用語一つ一つを丁寧に説明していた。何気にわかった気になっていただけで、中身はよくわかっていなかった、という事を改めて気づかせてくれる内容だ。
誰しも人に説明したり判ってもらいたいことが沢山ある。中々語彙力に問題があったり、プレゼンや人前の挨拶では緊張して、上手く表現できない。私もかつて英語で自己紹介しなければならないシーンで頭の中で何度も英語で呟きながら復唱していたにも関わらず、私がそのことばかりに気を取られ、いざ自分に向かってくる相手の顔も見れてなかった事から、目の前を素通りされてしまった事がある。実は外資系企業の社長や役員、自分の上司含めてかなり高齢な方々に囲まれた、会食だったので、2まわりぐらい若い私はホテルのスタッフと間違われた様だが。
例えばこの時も相手に英語で挨拶していても恐らくは、表面的なやり取りのみで相手の記憶の端にも残らなかっただろう。私の言葉はインターネットで調べた自己紹介を単に自分の名前に置き換えただけだったし、何より直前まで練習するくらいだから、自分の言葉にもなっていない。
本書はそうした人に伝える技術を池上氏が記者をやっていた時代からキャスターになるまでに考えて修得してきた事について、これまた分かり易い文章にして教えてくれる。「何をしてください」ではなく「何をするべきだったか」中心に、氏と一緒に考えていく読み物になっている。きっと読者の皆さんも同じ様なシーンに何度もぶつかり、その都度悩んできた事だろう。
私も会社の資料作りやプレゼンなどの機会が多く、限られた時間、資料枚数の中で、端的にわかりやすく伝えるにはどうしたら良いか常に悩んでいる。相手の知識レベルもマチマチ、更には忙しい人、興味が全くなさそうな役員などにどの言葉で伝えるか難しい。最終的には決裁権限を持つ人に狙いを定めてしまうが、承認ワークフローが多岐に渡り複雑だとややこしい。最終的には誰もが納得できる分かり易い喋り方というのは難しく中々に修得しきれないのである。ただ本書が伝えたいのは、そうした相手の気持ちになって考えるだけでなく、自分自身の言葉にすることに重点を置く。自分が理解していない納得していない原稿を他人に聞かせても、気持ち・心の入ってない言葉は所詮流れてくるだけの音になってしまう。感動的な音楽に触れた時に鳥肌が立つ様に、響いてくる体や心が反応するには、作者や話者が自分の言葉・モノにしていないとダメなのだ、このことを強く感じる。
プレゼンで失敗すると、上司に熱意が足りないと笑ながら指摘されるが、資料の体裁や見た目ばかりにとらわれて肝心の説得する話し方ができてないケースは多い。本書を参考に自分の言葉とは何かを改めて考える良い機会となれば良い。続きを読む投稿日:2023.08.05
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