人口激減―移民は日本に必要である―
毛受敏浩(著)
/新潮新書
作品情報
日本の人口減少が止まらない。このままでは、内需の縮小による経済的後退のみならず、活力そのものが失われ、日本は世界から取り残されていくばかりだ。本書では、人口減少化社会への劇薬として、移民受入れを議論する。彼らの労働力や「多文化パワー」を最大限に活かす方法、その経済的効果、本当の受入れリスクなどを検証。はたして移民は、“救世主”となるのか。国際交流のスペシャリストによる、新しい日本再生論。
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商品情報
- シリーズ
- 人口激減―移民は日本に必要である―
- 著者
- 毛受敏浩
- 出版社
- 新潮社
- 掲載誌・レーベル
- 新潮新書
- 書籍発売日
- 2011.09.16
- Reader Store発売日
- 2012.03.16
- ファイルサイズ
- 0.8MB
- ページ数
- 191ページ
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この作品のレビュー
平均 3.1 (11件のレビュー)
-
「移民は日本に必要である」というストレートなサブタイトルを見て手に取った。
自分は外国人と身近に接する機会がないし、戦争を体験した祖父母の影響も受けて、中国人や韓国人(北朝鮮人)を含む彼らには多少…抵抗があるし、外国人の受け入れに関しても「無関心」であった。しかし、日本の人口はすでに減少傾向にあり、この先超高齢化社会が避けて通れない状況になってきている。子どもの通う小学校も生徒数は減少の一途だ。人口を増やす目的の移民は何百万人も受け入れなければならないし、それは自分も含め相当な抵抗や反対があるが、外国人を受け入れ、「戦力」とすることで、地域社会そして日本を活性化することには賛成だ。日本に来ている外国人の多くは、日本に強い興味があるし、日本で成功したいという意欲があるはずだ。3Kの仕事を多くの外国人が引き受けてくれていることも事実だ。彼らや彼らのもつ異文化に触れることで日本人が刺激され新たな文化やビジネスへのベクトルが生まれることも良いことだ。
移民の受け入れについて、単なる賛成や反対の議論ではなく、受け入れる必要性やメリット・デメリットの検証をニュートラルに行える場・雰囲気は必要だ。
本書を読んでそう強く感じた。続きを読む投稿日:2011.09.23
自分が小さかった時代よりは、海外から来た人が増えたと感じるが、自分の行動範囲が広がっただけで実はあまり変わらないのかもしれない。日本の人口もこの10年位は毎年減少傾向になっている。誰でもわかる算数で、…2人の親から2人以上の子供が生まれなければ、大方は親が先に寿命を迎えるのだから人口減少は当たり前の話だ。数十年前に書いた自分の卒論も、高齢者会の政策を題材にしたものだった。当時から既に移民政策には積極的だったと記憶する。私は消費税観点での研究だったせいかそんなに記憶に残ってないが、高齢化に伴う労働者不足への取り組みは早かったと思う。近年は移民問題も取り沙汰される同国だが、当然移民の扱いも社会の慣れも日本とは比べ物にならないくらい先んじているだろう。私は仕事柄地方の事務所勤務だった時代もあり、駅前一等地の商店街がシャッター閉じっぱなしの実情にはかなり衝撃を受けた(それでも地方の大都市ではあったのだが)。何となく漠然と日本もいずれはGDPが下がる一方だと不安に駆られた事を覚えている。
何故これだけ超高齢社会に突き進む日本で移民に寛大な措置や立場の政治家が生まれないか。本書曰く島国閉じられた世界、外を受け入れにくい国民性とも違う何か別の原因がある様に思える。
犯罪率に関しては前述のスウェーデンも一時期は問題になり、極右政党が勢いを増す時期もあった様だ。外国人研修受け入れにも制度的な問題と使う側の意識の低さも顕著に表れている。
確かにこのままではマズイ。
本書は何も措置できない今の現状が続いた未来と、移民受け入れに積極的に出た未来をフィクションで語っていく。後者が圧倒的に魅力的だし、今の「豊かな」日本の選択肢はそれしかない様にも思える。移民に寛大なアメリカがナショナリズムに傾いてメキシコとの国境に柵を設ける、といった馬鹿げた政策をするくらいだから相応の覚悟と社会の作り直しは必要だ。閑散として縮小する世界と新しい希望を受け入れる世界と、選ぶのは我々自身だ。皆、消費税率が15%を超えてきたら、何であの時…。もう遅い。続きを読む投稿日:2023.04.20
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