畿内 古代遺跡ガイド 奈良・大阪・京都・和歌山
松本弥(文・写真)
/メイツ出版
作品情報
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
畿内に点在する古墳や遺跡をGoogle Earthの航空写真を使いながら紹介します。時代区分や遺跡の種類、出土遺物、特徴など、詳しい解説で遺跡巡りに便利な1冊です。
本電子書籍は、2011年当時の情報に基づき作成されています。最新の情報と異なる場合がございますのでご了承ください。
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商品情報
- シリーズ
- 畿内 古代遺跡ガイド
- 著者
- 松本弥
- 出版社
- メイツ出版
- 書籍発売日
- 2011.10.31
- Reader Store発売日
- 2012.02.03
- ファイルサイズ
- 62.2MB
- ページ数
- 144ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (1件のレビュー)
-
コロナ禍のもと、初めての県外脱出してきました。
今年の1月に「畿内古墳探訪ガイド」を見て、京都山城地域には行っていなかったことが判明。是非一度行きたいところとなったのです。旧版を持って行ったので、そこ…に関連する部分だけの旅レポートを転載します。本来は、これにもう少し肉付けして写真をつけたのが、完成した旅レポートです。(それにしても、微妙に本の書名が変わっているのは何故?)
11月1日(日)腫れ
6時半に家を出て、8時半に京都に着。
久しぶりに新幹線に乗った。
実は山城(山代・山背)は、京都の北洛と勘違いしていた。平城京(奈良)の山背でした。よって京都駅から近鉄に乗って久津川駅に下りる。そこから順番に遺跡巡りをするのではあるが、
実は時代順に並べるとこうなる。
森山遺跡(弥生−古墳)
芝が原古墳(弥生晩期?)
上大谷古墳群(4-6c)
行けるかわからないが、
椿井大塚山古墳(4c初め)
丸塚古墳(5c前半)
久津川車塚古墳(5c前半)
芭蕉塚古墳(5c半ば)
となる。その途中で城陽歴史民俗資料館に立ち寄る。
どちらにせよ、
久津川沿いのこの道は京都・近江・日本海に向かう交通の要所であり、久津川からは淀川にも通じている。有力な首長が勃興していては、消えていったところだと思う。
京都駅着。
早速乗り換えを誤解して、15分浪費。できた隙間時間で以上をメモした。
芭蕉塚古墳、思ったよりも大きい。
ハンサムのキャラ絵の看板で説明している。こういうのは初めて見る。
墳丘に登頂できた。竹藪の中に、思ったよりもハッキリ古墳の形が残っていた。
そこから少し歩くと、京都府最大級の久津川古墳群の大将、車塚古墳が見えてくる。
この古墳はJR奈良線を敷いている時に発見された。よって前方部が少し削られいる。この奈良線は、椿井大塚山古墳を丸々削ったことでも有名。しかも重要な古墳ばかり削っている。もっとも、この地域には重要な古墳ばかりなのではあるが。
丸塚古墳はやめて、まだ時間があるので、車塚古墳よりも前の古墳群になる上大谷古墳群を探して、広大な新興住宅地を歩くことにした。この判断が裏目に出る。
しかし、最初は良かった。 この車塚古墳の周りには、非常に緩やかな丘陵が広がっている。洪水を避けるために、古代の人々はこういうところに住居を建てるだろう。遺跡はないが、おそらく近代に人々が住んで破壊尽くされているのだろう。その証拠に、この1番見晴らしがいいところに上大谷古墳群が造営された。と、古墳群を見つけた後に思った。
ところが、古墳群の場所がわからない。
新興住宅を散歩する人2人に道を聞いた。
「最近越してきたのでよくわかりません」
とは、普通は古代に詳しいはずのおじいさん。
越してきたと言っても一年以内なの?
「さア知らない」
とは、30代の男性。
おいおい、この町は貴方たちが住んでいるところなんでしょ?
いつも、たとえ自分の家の数メートル先にあっても住民は遺跡の場所を知らない。いつものことなのではあるが、改めて、自分の住居地域の「歴史」に無関心な市民の実態に憤りを感じる。
どうも違うみたいなので、来た道を引き返す。やっと住宅地図を見つけた。そうか、あそこで道を曲がるんだっんだ。ほれほれ30代男性に道を聞いた所から近道があったじゃないか!
古墳公園は三つあり、そのうちの二つに行くことにする。古墳群ではあるが、古墳の名前しか無い。説明板を置いていない。出土品はないのか、少し怒りながら次に行こうとすると、今日最大級の悲劇が起きた。
ベルトの留め具か外れたのである。
もう15年以上使っているからなあ。
小さなネジなので、見つけてまた嵌めれば使える。
ところが、目を皿のようにして地面に這いつくばって、おそらく20-30分探したけど見つからない。
溝の中に落ちたのならば、もう見つけようがない。
たまたまその時持っていたUSBケーブルをまとめる小さな針金を使って応急処置が出来た。これであと三日間凌ぐしか無い。
上大谷古墳群は、古墳時代の墳丘を中心に、丘陵の1番見晴らしがいいところに保存措置をしていた。
17号墳は移築して石室を公開。6世紀後半の円墳らしい。
想像以上の時間を食った。今日は予定では、2時半までには山城地域の古墳巡りを終えなくてはならない。急いで新興住宅地を降りる。駅前で、地域の人たちが感染防止措置(消毒液の設置、体温測定)をしながら、マルシェを開催していた。古代米も、売っていた。
「写真撮って良いですか」
「いいですよ」
「岡山の吉備から来たのですが、赤米や黒米は見たことがあるのですが、みどり米は初めてです」
「幻の米と言われているらしいですよ」
とのこと。因みに、流石に、各古墳の位置はご存知でした。みどり米180g500円を買う。
芝が原古墳を迷いながら突き止めました。
前方後方墳です。なんと庄内式土器が出てきたことで、弥生末期の築造では無いか?といわれ国指定遺跡になっています。時間がないので、さっさと写真を撮って次に行きます。この時点で、18,000歩の歩数。3万歩超えるかなあ。
柿本人麻呂の「山城の久世の鷺坂 神代より 春ははりつつ 秋は散りけり」の碑が、丘陵をおりた辺りの神社(久世廃寺跡)の前にあった。7世紀後半では、既にこの辺りは「神代から栄えた地域」になっていたのである。
城陽歴史民俗資料館を目指す。やはり迷った。大回りしてたどり着く。京都府で、数少ない考古学博物館である。遠くに見える市民センターの4階にそれはある。
たくさん写真撮りました。
久津川車塚古墳、芝原古墳、森山遺跡の遺物が展示されている。ちょっと貧相だった。
城陽市の隣の京田辺の同志社大学田辺キャンパス近くが継体天皇が建てた筒城宮の伝承地らしい。歴代天皇との関係は深かったようだ。
車塚古墳の長持形石棺は兵庫の龍山石で作られている。その時代、山城は1番栄えたということだ。石棺は未盗掘だった。しかし、明治27年の工事中の発見ということもあり、十分な科学的調査ができていない。
図録も貧相な割には割高になっていたが、もう来れないと思って買った。昼食はマルシェで買ったパンで済ませた。
長池駅のそばの森山遺跡に急ぐ。初めて三角縁獣神鏡が大量に出た椿井大塚山古墳にはもう間に合わない。
森山遺跡は綺麗な公園として整備されている。縄文から古墳時代にかけての複合遺跡。弥生後期、古墳時代後期の竪穴式住居もいくつか発見されている。
方形台の遺構は、お墓ではなくて古墳時代豪族の住居跡らしい。ここからは、綺麗に山城地区が見えたことだろう。
1日目の「畿内古墳探訪ガイド」関連の記述は以上の通り。この後京都市街に入り、2-3カ所訪ねた。3日目は向日の古墳探訪をしたが、それは省略する。本は、探訪するところを決める決定打とはなるが、本来の知識は、本からは半分も得られない。行ってみてわかることはあまりにも多い。特に向日は本に未記述のことが非常に多かった。これが旅の醍醐味だろう。
続きを読む投稿日:2020.11.07
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