大震災でわかった学校の大問題 被災地の教室からの提言
大森直樹(著)
/小学館101新書
作品情報
大震災の現場から政府の教育政策を問い直す!
東日本大震災は、とくに岩手・宮城・福島の三県に未曾有の事態をもたらしました。被害からの「復旧」「復興」が急がれています。特に、子どもと教育の問題については、先送りにできない緊急の課題です。
本書は、長年、教育現場での実践について研究してきた第一線の教育学者が、現場の声をふまえて、今何をなすべきか、これからどう進めていくべきなのかを提言するものです。
現場のことを知らない「お上」からの画一的な指示では、「想定外」の事態に対応できないのは、原発事故の対応と同じだと言えるでしょう。大震災は、効率やコストを重視し過ぎることの問題を浮き彫りにしました。今後の復興においては、多様性や分権を大切にしなければなりません。教育についても同様です。管理強化と効率第一主義の「改革」によって、先生が子どもと向き合う時間がなくなった現状を改め、教育を子どもと先生のもとへ取り戻すことの大切さを訴えます。
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商品情報
- 著者
- 大森直樹
- 出版社
- 小学館
- 掲載誌・レーベル
- 小学館101新書
- 書籍発売日
- 2011.08.06
- Reader Store発売日
- 2011.12.16
- ファイルサイズ
- 3.9MB
- ページ数
- 192ページ
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この作品のレビュー
平均 3.0 (2件のレビュー)
-
残念な本。もし購入を検討しているなら、買わないことをオススメします。
まず大震災については、ただ子どもと教師と学校の被害をルポするだけ。大震災当初からずっと報道されていたことで、目新しいことはな…し。被害を受けた人たちには本当に心が痛むけれど、そういう事実を受けて、さてどうするのか、というと具体策はいっさいなし。
で、震災後に目指すべきは「一人の人間もきりすてない学校づくり」なんだって。こんなだれでも言えるようなことを、よく恥ずかしげもなく言えるなあ。しかも震災前から必要でしょ、それは。
後半になると「教員加配」だの「全国学力テスト」だの「教員免許更新制」だの具体的な話と提言があるにはるんだけど、それって大震災とは関係ないよね・・・本書のタイトルは「大震災でわかった学校の大問題」なんですが、東京学芸大の准教授ともあろう方が、震災前には気がつかなかったのですか。。。
それに実際の提言も「教育現場が望んでいない」の一言で正当化しようとしている。たとえば、提言の一つに習熟度別指導はやめろ、というのがあるけど、私学では習熟度別指導を実施しているところは多いよね。本当に教育現場はみんな習熟度別授業に反対なの?
それに教員免許更新制も廃止すべきだ、それが教育現場の一致した意見だ、としているけど、少なくともワタクシは教員免許更新制には賛成です。ベテラン教員で能力が明らかに低い人はいっぱいいますしね。もちろん有能なベテラン教師もいます。更新講習の中身はもっと改善されるべきだとは思いますが、更新は必要ない、というのは教師のおごりだと私は考えます。
他にもいろいろ言いたいことはあるのですが、とりあえずこの辺にしておきます。「震災後の教育現場」というテーマ自体は重要だと思うので、もっと能力の高い書き手にぜひ書いてほしいところです。続きを読む投稿日:2012.05.03
大震災の傷跡がまだまだ残っている(外部的にも内部的にも)にもかかわらず「通常の教育活動」「授業時間の確保」を最優先したいという姿勢をしめす中央文科省。
日本の教育は,一体どこを向いてきたのか。そし…てそれは,今回の震災でどう変わっていくのか。
本書を読む限り,震災で教育の方向が変わろうとはしていないと寂しくなります。
一人の人間も切り捨てない学校づくり…それは遠くにある気がします。でも,自分でできることはある…そう思わせてくれる内容でもありました。続きを読む投稿日:2012.05.04
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