演歌の虫
山口洋子(著)
/文春文庫
作品情報
演歌歌手を育てて世に出すことに情熱を燃やすレコード会社のディレクターの夢と挫折を、冷めているようで暖かい女性作詞家の眼で描く「演歌の虫」、毎日美しく髪を結っては旦那が訪ねて来るのを待ち続ける老芸妓の心境を淡々と描く「老梅」の第93回直木賞受賞作2作のほか、だめな男に金を貢ぐのをやめられない女の心理をおそろしいほど正確に描く小説「貢ぐ女」、プロ野球選手とポルノ女優のしがらみを生々しく描く「弥次郎兵衛」を収録した著者会心の短篇集。
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商品情報
- シリーズ
- 演歌の虫
- 著者
- 山口洋子
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春文庫
- 書籍発売日
- 1988.02.10
- Reader Store発売日
- 2011.11.25
- ファイルサイズ
- 0.7MB
- ページ数
- 272ページ
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この作品のレビュー
平均 4.5 (2件のレビュー)
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この人にしか書けない、まさに会心の短編集
短編集なのでありますが、下手な長編よりも、読みごたえもあり、また読後の満足感も半端ではありません。四つの短篇が掲載されていますが、いずれも、酸いも甘いもかみ分けた、それでいて業界にも詳しい作者ならで…はの視点が光ります。直木賞受賞作となった「演歌の虫」と「老梅」もすばらしいですが、「貢ぐ女」も「弥次郎兵衛」も、どうしようもない人間の性、あるいは業のようなものが描かれています。
それぞれモデルとなる人がいるのかな?と思わせつつも虚実混交でありまして、「愛するということは、自分と相手の人生をいとおしく感じ、大事と願うことです」などという、山田洋次監督のコトバが、さらりと引用されていたりします。
タイトルが「演歌の虫」とあるので、そのイメージから演歌のような世界観を想像されるかもしれませんが、プロデュースした音楽のジャンルが演歌というだけであって、その内容は、一つの仕事に打ち込んできた男の喜びと悲哀が綴られたものです。これは、懸命に働いている人すべてに、当てはまるものでしょう。
総じて言えることは、これは大人の小説と言うことです。私もこういう世界をしみじみ味わえるようになったと言うことは、それなりに歳をとったということかもしれません。続きを読む投稿日:2016.07.23
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男女間の駆け引きとしがらみを描いた短編4つ。思っていたのとは違い、なかなか重みのある作品群。
表題作は、仕事の腐れ縁というか同朋による、仕事の楽しさと苦しさを描く。演歌歌手のディレクター(プロデュー…サーか?)、作詞家、作曲家が業界の不満と3人でそれを打破する夢を語り、心を通わせるが、実は温度差が有ったことが、室さんが亡くなったときにわかってくる…。
あとの3作は、男女の関係が不倫やら二股で首が回らなくなっていく話。ショーモナイと言われればそうだけど、筆致の癖もあり、なかなか重くて読み応えがある。
全体に、最後の「演歌の虫」ではないが、演歌(艶歌)の歌詞を読むような、不思議なねっとり絡みつくような文章が印象的。普通の文が会話だったり、その中に「そうね。」なんて文章になっていない単語が入ってきたりして、他の作家ならイライラするようなポイントが、この人の場合はいい感じのリズムになっている。
初読だったのもあり、最近の作家かな?艶歌っていうのは、ハズシのネタかな?なんて錯覚して読み始めたものの、実際には昭和50年代だった。だったのだが、十分に今でも楽しめる話だ。
未来に置いても、古典として残っていく価値の有る作品ではないかと思う。
あとからわかったが、本人の体験(作詞家、銀座のママ、スポーツ記者)的なものが多く含まれている、私小説の部分が多いのだな。そう言われると重みのあるのも納得行く。続きを読む投稿日:2018.03.15
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