完全にヤバイ!韓国経済
三橋貴明(著)
,渡邉哲也(著)
/彩図社
作品情報
天国から地獄へ、ジェットコースターのように上下するウォン相場。
ウォン安とドル不足で、企業の債務は膨れ上がり、銀行はインターバンクでの借換えができず、高金利の短期借入に依存!
為替オプションで膨大な債務を抱えた企業に粉飾?決算を奨め、破綻寸前の銀行には政府保証!
政府は米国に懇願し、スワップでドルを入手。
しかし、3ヶ月のスワップ満期が来ても、用意できないので、スワップ償還のためのスワップを繰り返す。
本当に大丈夫か?韓国。
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この作品のレビュー
平均 3.3 (5件のレビュー)
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隣は何をする国ぞ
一時期、「サムスンがスゴい!」とマスコミがこぞって取り上げたことがある。まぁ、某経済新聞をはじめ、マスコミなぞ時流に流されて報道とか特集とか組んでしまうものだが、
そういう「韓国経済恐るべし!」といっ…た風潮の中、疑問符を投げかけていたのが著者らしい・・・・。そういう自慢話が、最初から始まりゲンナリ。
マスコミの報道のいい加減さは同意するが、それと違った見方を自慢するあたりは底が浅いというか五十歩百歩です・・・。
それを我慢して読み進めると、為替の話しが大半で面白くない。大事なことなんだろうけど、「読ませる」という点では、マスコミの方が一日の長があります。
で、結局何が言いたいのか分からない。
読み取れた内容は、日本は資本財輸出が多く経済の地盤が安定しているが、韓国は完成品輸出が多く、これは早晩人件費の安い国に取って代わられる
ということくらい。
もう少し、韓国の事例から学べることやそこから得られる自国への提言など、前向きな話しを読みたかった。続きを読む投稿日:2016.07.14
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私は仕事で韓国を担当しているので個人的には韓国にはこれから益々栄えて欲しいと思っており、三橋氏の書かれているこの本の内容が少しでも外れて欲しいと願っています。
但し、実際に手に入るデータから解析を行…っている点、同じ解析の方法で他の国(特に日本)とのデータを比較、解析している点を読み込むと気分が滅入ってきます。
外見は日本人と韓国人は似ているのですが、考え方はかなり異なっていると思いますし、日本に対する対抗意識も強いものがあると思います。この本に書かれている内容が正しいか否かは5年もすれば明らかになると思いますが、各国の指導者達は自分達の幸せだけを考えるのではなく、国民の8割程度が幸せを実感できる仕組みづくりをして欲しいと思います。
以下は気になったポイントです。
・韓国の個人投資家が懸命に株価を支えた理由として、1)銀行金利が物価上昇率を下回っている、2)個人向け株式の信用取引が解禁されたことにある(p15)
・日本の「対前期比」の成長率を、中国の「対前年同期比」を比べて無意味であるが、日本のマスメディアはよくやる(p24)
・GDP=個人消費+政府最終消費支出+民間住宅投資+民間設備投資+公共投資+在庫変動+純輸出(:製品サービス輸出-製品サービス輸入)(p25)
・日本の2008年4QのGDPは、外需(純輸出)が大きなマイナスとなる中、住宅投資や政府支出の増加がカバーされたとなる(p26)
・韓国は資本財輸入費用として海外に流れ出す金額の割合が年々増加している、1995年には1000ウォン輸出で海外へ302ウォンだったが、2000年には376、2005年には388ウォンとなった(p31)
・日本の商品別輸出(2007年)をみると、資本財:52、工業用材料:22(化学工業品、鉄鋼等)、耐久消費財:19%に対して、輸入は、工業用材料:52、資本財:25%である(p43)
・海外の輸出製造業はある程度の資本財ストックを保有しているので、世界的な需要収縮に対して、最初に輸入をストップすることになり日本の輸出減少が大きくなった(p46)
・韓国はリーマンショック後の2008年11月以降、4ヶ月連続で輸出額が減少しているが、輸入の減少率が輸出を超えたため、貿易黒字が増え続けている(p51)
・韓国版サブプライムローンは2006年に最も多く利用され、そのオプション期間が2009年に期限切れとなる、その規模は33.5兆ウォン(p56)
・韓国企業は2007年まで海外直接投資を活発に行っていたが、2008年9月に対外純債務国に転落した(P73)
・韓国の海外取引の概況は、2004をピークに貿易黒字が減少し始め、2008年に赤字化、海外留学を中心としたサービス収支の赤字が止まらず、純債務国へ転落、海外向けの送金が景気低迷と通貨安のため激減した(p75)
・世界市場ではドル枯渇は収まることはなく、ドル需要が強い状況が継続、2008年9月にFRBはハードカーレンシーである、オーストラリア、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンの中央銀行へスワップを拡大、ついで10月29日にブラジル、メキシコ、韓国、シンガポールと締結(p141、146)
・韓国の対外短期債務は外貨準備高とほぼ同額、外資の引き上げが通貨危機に直結する(p160)
・英経済週刊誌のエコノミストは、新興市場国17国のうち、南アフリカ共和国、ハンガリーに続き、ポーランドと韓国を3番目に「危機に脆弱な国」と指摘した(p182)
・現在の韓国は、国内でインフレが進む中で利下げをしている、ウォン安により物価が上昇する中で失業率は上昇、所得は減少、資産価値が失われて生活が苦しくなるスタグフレーションである(p202)
・韓国では非正規労働者の割合が50%以上、日本の30%よりも多い、青年失業率(15-29歳)は20%(p246)
・日本の国富(純資産)は、2800兆円、日本の資産8427兆円のうち、5883兆円は金融資産、株式は559兆円、残り5324兆円は安定債権、問題は高齢者の保有割合が多いこと(p247)、一方、韓国の国富は417兆円であるが固定資産の割合が91%と多く、金融資産は16兆円(2007年末のデータ)である、これが最も異なる点(p248)続きを読む投稿日:2012.04.20
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