ヴィクトリアン・ローズ・テーラー6 恋のドレスと硝子のドールハウス
青木祐子(著)
,あき(イラストレーター)
/集英社コバルト文庫
作品情報
仕立屋『薔薇色(ローズ・カラーズ)』を訪れた少年エド。クリスは彼にそっくりだという姉シャロンのドレスを依頼される。屋敷を訪れたクリスは、シャロンの恋の相手を選んでほしいと頼まれ、恋をゲームのように弄ぶ姉弟に困惑する。『薔薇色』のドレスで本当の恋に目覚めたシャロンにエドは反発するが…。一方、シャーロックは闇のドレスとクリスの母の関わりに気づき、クリスと向き合う決心をする。
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商品情報
- シリーズ
- ヴィクトリアン・ローズ・テーラー
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社コバルト文庫
- 書籍発売日
- 2007.04.01
- Reader Store発売日
- 2011.07.01
- ファイルサイズ
- 2.8MB
- ページ数
- 256ページ
- シリーズ情報
- 全29巻
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この作品のレビュー
平均 3.4 (15件のレビュー)
-
“クリスはかすかに笑った。
この人は強い、それは事実なのだろうと思う。けれど、弱い、とも思う。
妹に対して、親友に対して、あるいは祖国や家、愛するものに対して――見せる弱さは誇りと自信の影に隠れて、本…人さえ気づかないから、よけい、もろい。もろくて、優しい。
「何がおかしい?」
シャーロックの声がけげんそうになる。否定されることに慣れていないのだ。
「あなたが、おかしいのです」
クリスは素直に言った。シャーロックが心外な、といった顔になる。
「俺が?」
「そう。それに、わたしもおかしいんです。わたしはこれまで、ずっと、とても怖かったのに。男の人は、怖くて、ずるくて、女の人の心をさらっていくものだと思っていました」
地面を踏みしめる音が、幸せだった。シャーロックはクリスのために、歩調をゆっくりにしてくれている。怖いどころか、ただ守られて、安心するだけだ。
ああ、きっとシャロンと同じなんだわ、とクリスは思った。知らないから、怖かったの。怖かったから、見ないようにしてきたの。
必死の思いで目を閉じて、自分の心を隠してきた。恋をしないように。恋をしたら、わたしの心は知らない、怖い、醜い世界に行ってしまう。もう、恋のドレスをつくれなくなる、そう思って。
それなのに、今、目を開けてみると、この人がいる世界は、見たこともないくらい美しい。”
エドとシャロンが二人とも闇のドレスを着てしまった…の件がいまいちよくわからなかった。
うーん、読解力の低下?
パメラとイアン先生もっとくっつけばいいのに……とか。
他人の視線があると、クリスは駄目なのかな。
“「……期待していたのは、確かだね。問題は、ぼくが期待に応えられなかった、ってところだよ。一年たってもやっぱりぼくが小さくて、体も弱いってことを知ったら、きっとジョンはがっかりするだろうよ」
エドはうつむいて、くっと笑った。
「ぼくが、女の子だったらよかったんだよね。それで、シャロンが、男の子だったら。シャロンと、よくそう話したよ。……シャロンも、そうだったらいいって言ってた。わたしなら、ジョンの怖いおしおきなんかにも、耐えられるだろうって」
「おとうさまのことは――おとうさまのような男の人のことは、シャロンさまも、怖がっておられましたわ」
「シャロンは、ぼくがされたことを自分がされたように思ってしまうんだよ」
エドはそれだけ言って、ぐったりと背もたれに体をもたせかけた。
「どうして、ジョンのことなんか訊くの、クリス」
エドがぽつりと言った。”続きを読む投稿日:2010.08.19
クリスの過去、依頼人の過去と場面がたびたび変わります。
1冊完結で、何処から読んでもいいとのことですが、私はやはり順に読んで行きたいです。投稿日:2014.03.08
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