
【Reader Store 9周年 特別企画】日本を代表するアーティスト・西川貴教さんが店長就任!!
Reader Store 9周年 特別企画!
今や国民的な存在といっても過言ではない西川貴教さん。
圧倒的な歌唱力でT.M.Revolutionとして音楽シーンに一大旋風を巻き起こし、地元滋賀県で立ち上げた「イナズマロック フェス」を、日本を代表する屋外ライブイベントに成長させるなど、オンステージでもバックステージでもその手腕を大いに振るっています。
芸人さん顔負けのトークでお茶の間でも愛されているキャラクターの持ち主ですが、最近ではNHK連続テレビ小説『スカーレット』への出演も大きな話題となり、さらにファン層を広げているとか。
そんな西川さんに、本についてのお話を伺いました。歌詞を書き、歌い、話す、言葉の使い手ならではの深い考察をどうぞお楽しみください。

西川貴教から電子書籍システムへの提案とは?
───さて、『Reader Store』9周年キャンペーンの一環として、このたび西川さんには店長に就任していただくことになりました。
ありがとうございます! でも僕、けっこうアナログですよ?
───それは意外です。
Spotifyも最近始めたぐらいで。そういった意味ではデジタルなお話にはあまり乗れないかもしれません(笑)。
───普段、電子書籍に触れることはありますか?
電子書籍というか、オーディオブックをたまに。これも登録したばかりでまだ活用しきれてはいないんですけど、移動中に聴くことが多いです。だから読書というか、本を読んでもらっているという。僕は基本的に、紙の雑誌を手でめくって、必要なところをちぎるタイプですから(笑)。ただ、間もなくやってくる5Gの時代にもなれば、雑誌はデジタルカタログとして存在していくんだろうなと思います。見ながらその場でECサイトに直結できたりとか、今まで以上にそういうことになっていくのかな、と。
───インターネットに繋いでさえいれば、システム上は可能なことが多いですよね。
「電子書籍」っていうところで考えると、例えば、読んでいる文章の中に脚注が付いていたり、分からない文言があったりするときに、そこをタップすると脚注の内容や言葉の意味がポップアップで出てくるような、そういうシステムってもうあるのかな?
───まだそこまで便利にはなっていませんね。(※1)
そうなんだ。そういうのがあると、もしかしたら教材としていいのかなと思って。ほら、今って歴史の教科書の内容がどんどん改訂されていってるじゃないですか。年号とか史実とか、アプリをアップデートするたびにちゃんと改訂されていくとしたら、それはすごく便利ですよね。電子書籍って、教材としての価値が高いと思うんです。情報端末としてタブレットがひとつあればいいわけでしょ? 教科書と参考書と辞書、重たいものを持たなくてよくなる。近い将来、そんなふうになっていくのかもしれないですね。
(※1)一部対応している電子書籍の機能もあります。
ボキャブラリー豊富で勤勉家のイメージも読書は苦手!?

───西川さんが好んで読むジャンルはありますか?
うーん、自己啓発本とかじゃなくて、過去の偉人の言葉をまとめた本は好きで、よく読むんですよ。例えば、リリックの中にもうひとつ強い言葉が欲しいなっていうときに、参考にさせてもらうというか、刺激を受けたくて手に取ったりもします。ただ僕ね、正直あまり本を読まないんですよ。だから向いてないの、こういうキュレーターに(笑)。
───そうなんですね。でも、もともとボキャブラリーが豊富で、会話を組み立てることに長けていて、デビュー当初から各メディアを盛り上げてきたじゃないですか。その言葉の知識はどこから得たものなんですか?
なんだろう…。特にこれといった能力がないぶん、気を遣ったといえばいいのかなぁ。人と話をする中で、「おそらく相手はこういうことを言っているんじゃないか」、「この先はこういう展開になるんじゃないか」と先読みして会話が成立すると、それを成功体験として記憶しておくんですね。その後ちゃんと自分で調べて使えるようにしておこうっていう考えがすごく強かった。
───それはある種の処世術のようなものだったのかもしれない。
小さい頃から、周りに大人が多かったんですよね。そのせいかな、と。少し背伸びをしないと会話についていけなかったから。1を知ってから10を引っ張り出すまでのレスポンスを短くしていかないと、「こいつに話しても仕方ない」って子供扱いされることになるんですよ。それがとにかくイヤだった。そこなんだと思うんですよね。
───経験から学んだわけですね。
そう。本から言葉を学んだわけではないんです。家に本がいっぱいあったわけでもないですし。ただ、両親ともに資格オタクで、暇を見つけては資格取得の勉強をしていたんですよ。だから本=教材みたいな印象が強くて(笑)。
───苦手意識が芽生えてしまった?
いや、苦手というかね、本を読むことって、知識を得る代わりに時間を費やさなきゃいけないじゃないですか。僕はわりとスケジュールを詰め込んで生きていたい人間で、いつも「時間が足りない」と思っているタイプだから、本当のところは本を読む時間が惜しいんです(笑)。読むのもすごーく遅い。それは文章だけの本に限らず、コミックでも遅いんです。読み進めていって「この人のこの発言はどこが発端なんだっけ?」って思うたびに何ページも戻っちゃう(笑)。だからなかなか進まないんですよね。でも最近は、歴史の本とか、子供の頃に読んでいたようで読んでいなかったものがたくさんあるので、改めて読んでみたいなとは思うんですけど。

西川的、日本史への興味と学び方
───学びへの欲求は、大人になって余裕が出てくると自然に湧いてくるものだったりしますね。
いやいや、むしろ余裕はないんです。自分で「イナズマロック フェス」というイベントを立ち上げて何年も続けていく中で、「地方創生」ということを身近なこととして捉えられるようになったんですね。地元を盛り上げるために何かできないかと、アドバイスを求められることも増えました。そういった意味では、意外と知らないことが多い地元についてはもちろん、日本の歴史も分かっていたいなと自然に思うようになって。ただ、歴史をちゃんと学ぼうとすれば途方もないから、どう転んでも余裕はないんです(笑)。
───電子書籍で読みましょうよ、歴史本。
興味はあります。現代に語り継がれているものって、どれも勝者の歴史でしかなかったりするし、一方向から物事を見ても真実は読み解けないでしょう。ちょっと遠回りだけど、そのへんから探ってみたいな、と。それに、みんながイメージする歴史上の偉人って、小説や映画に描かれたキャラクターだったりするじゃないですか。坂本龍馬だって、多くの人の頭の中にあるのは司馬遼太郎先生の龍馬だから。こういう現象って世の中ですごくたくさん起きてると思うんです。アニメなどで描かれたものでももちろんいいんだけど、歴史上のキャラクターが好きなら、きちんと掘り下げてみると面白いと思いますよね。そこでやっぱり、電子書籍にはワードを引用できたりとか(※2)、関連本が自動的にストックできる機能があるといいなって思うんです。本の良さって、自分の中でいろんなものを保管していくってことでもあるから。
(※2)近しい電子書籍の機能もあります。
───はい、脳内にライブラリーを作っていく作業です。
そうそう。自分の中のライブラリーだね。この作業って、後々役に立つじゃないですか。特に、モノを作る人間にとってはすごく大事なんです。読んだときはさほど衝撃を受けなかったとしても、ストックしておくことで、いつか何かの助けになるかもしれない。ゼロからイチを生み出す作業の時に、その大事さは実感しますね。だから、さっきの話とは真逆の理論になっちゃいますけど、すぐに引用できたり、すぐに聴きに行けたりすると残らないかもね。なんでも簡単に知ったふうになっちゃうというか。
記憶することの価値観の変化

───掘り下げるプロセスこそ大事かもしれません。
そうなんですよね。かといって、「辞書をめくる作業で脳にインプットされるんだ!」なんてことは僕は1ミリも思わないけど(笑)、今後もっとネットワークが発達することで、自分の脳の外部記録化が進んでいくだろうから、ものを覚える、記憶するっていうことに対する価値観が変わっていっちゃうのかな。前はさ、山手線の駅を全部言える2歳児がもてはやされたりしたけど、最近はそうもいかなくなってきましたよね。
───なんでもクラウド化されて、手元ですぐに検索できるから。
そうだよね。時代の流れですけど、やっぱり一長一短ですよね。
───でも今日は思いがけずすごく店長っぽいお話を聞けました(笑)。ありがとうございました!
いやいや、それっぽく語っただけだから! もうね、オススメの本とか、正直全然出てこない。僕が今回ご紹介させていただいたのは、必死にひねり出した3冊なので、ある意味貴重ですよ(笑)。
インタビュー・文:斉藤ユカ
撮影:荻原大志
スタイリスト:川部優花
ヘアメイク:浅沼薫 (Deep-End)
【profile】

西川貴教(にしかわ・たかのり)
1970年9月19日生まれ。滋賀県出身。1996年5月、ソロプロジェクト「T.M.Revolution」としてシングル「独裁-monopolize-」でデビュー。キャッチーな楽曲、観る者を魅了する完成されたステージ、圧倒的なライブパフォーマンスに定評があり、「HIGH PRESSURE」「HOT LIMIT」「WHITE BREATH」など大ヒット曲を連発する。故郷・滋賀県から初代「滋賀ふるさと観光大使」に任命され、県初の大型野外ロックフェス“イナズマロック フェス”を主催、地方自治体の協力のもと、毎年滋賀県草津市で開催している。
2016年5月にはT.M.Revolutionデビュー20周年を迎え、オールタイム・ベストアルバムをリリース。オリコン・アルバムチャートで1位を獲得し、2017年5月には20周年プロジェクトの集大成としてさいたまスーパーアリーナ2days公演を開催。2018年から西川貴教名義での活動を本格的にスタートさせ、3月に1stシングル「Bright Burning Shout」、10月にFear, and Loathing in Las Vegasとコラボレーションした配信シングル「Be Affected」、11月に2ndシングル「His/Story / Roll The Dice」をリリース。2019年3月6日に西川貴教としての1stアルバム「SINGularity」をリリースし、4月から全国ツアーを開催。追加公演を含む14公演を大盛況のうちに完走した。現在はNHK連続テレビ小説『スカーレット』にジョージ富士川役として出演するなど、役者、歌手、声優と常に新たな挑戦を続けている。
■リリース情報
西川貴教
ライブDVD『Takanori Nishikawa LIVE TOUR 001[SINGularity]』好評発売中
・初回生産限定盤A Blu-ray+2CD+フォトブック ¥8,182+税
・初回生産限定盤B DVD+2CD+フォトブック ¥7,727+税
・通常盤 DVD ¥5,000+税
【西川貴教店長 オススメ書籍ご紹介】
【西川貴教店長 推薦コメント】
よく勘違いされるんですけど、読んでも筋肉は増えません(笑)。T.M.Revolutionデビュー20周年のタイミングで、ウェブ連載されていたものをまとめた本です。西川貴教はいかにして作られたかという話なので、時に歩んできた道を振り返ったりしているんですけど、その中で「経験から学ぶ」ということの大切さは伝えられたんじゃないかな、と。心のワークアウトと銘打っている通り、読んでもらって、少しでもみなさんの糧になればいいなと思います。これで楽しんでもらえたら、僕にもまだちょっとニーズがあるのかなって思えるし、それが僕自身の力にもなるので、よろしくお願いします(笑)。
【西川貴教店長 推薦コメント】
僕は「最新の自分が、自分史上最高の自分」という目標を持ち毎日を生きているのですが、岡本太郎さんのこの書籍の冒頭の言葉「人生は積み減らすべきだ、蓄えれば蓄えるほど自在を失い過去の蓄積にこだわると身動きができなくなる、人生に挑み本当に生きるには瞬間瞬間に新しく生まれ変わって運命を拓くのだ」と言う言葉に引き込まれ、一気に読み進めてしまいました。まさに「自由は、不自由や」です。岡本さんの放つ一つ一つの言葉に力を感じ、自分が新しいことに挑戦する時に読み返したくなる、そんな書籍です。

『医師が教える疲れが抜けない人の食事法 』(本間良子・本間龍介/祥伝社)
【西川貴教店長 推薦コメント】
食事の面でサポートしていただいている本間先生ご夫婦の書籍です。グルテンフリーとカゼインフリー生活をしている僕にとって、何故グルテンフリーとカゼインフリー生活が体にいいのかを説明し、具体的な結果を明記している非常に重要な1冊です。この書籍1冊で様々な知識が身につきます。食事の意識を変えることによって、身体だけでなく、意志も変わりポジティブな気持ちに導かれ、本来の力を発揮することができています。この書籍によって「食べることは生きること」であると改めて実感しました。電子書籍版はまだ出版されていないので、ぜひとも電子化してほしいです!
※『医師が教える疲れが抜けない人の食事法 』は未電子化作品です。












