
担当編集者推薦!『幼女戦記』のカルロ・ゼン最新作『ヤキトリ 1──一銭五厘の軌道降下』
異星文明による植民惑星となった地球で生まれ育ったアキラ。彼は自らの決められた運命を変えるため、惑星軌道歩兵部隊に志願する。
担当編集者推薦!『ヤキトリ 1──一銭五厘の軌道降下』
2011年より小説投稿サイト「Arcadia」で発表されていた『幼女戦記』が評判を呼び、2013年に同作の書籍版がエンターブレイン(現KADOKAWA)より刊行されるや、Web小説界の鬼才として注目を集めるカルロ・ゼンさん。『幼女戦記』は「エリートサラリーマンが幼女ターニャとして、大戦期の欧州を彷彿とさせる異世界に転生する」という特異極まりない設定と、精緻な軍事・政治描写が魅力の小説シリーズです。2016年にコミック化、翌年にはTVアニメ化を果たしています。「是非とも、この斬新過ぎる才能にハヤカワ文庫で筆を振るって欲しい」と考え、最初にお声がけしたのが2016年のはじめのことでした。
「早川書房さんで小説を書くのであれば、宇宙を舞台にした作品が良い」と仰って頂いたのが最初の打合せでのこと。そして頂いたプロットには冒頭に「ヤキトリ」の四文字がありました。「ヤキトリ!?」……その単語のインパクトにビックリしたことと、「まあ『幼女戦記』の人だからなあ」と、頭のどこかで奇妙な納得をしたことを覚えています。
金髪、碧眼そして白く透き通った肌の幼女が、空を飛び、容赦なく敵を撃ち落とす。幼女らしい舌足らずさで軍を指揮する彼女の名はターニャ・デグレチャフ。だが、その中身は、神の暴走により幼女へと生まれ変わることとなった日本のエリートサラリーマン。効率化と自らの出世をなにより優先する幼女デグレチャフは、帝国軍魔導士の中でも最も危険な存在へとなっていく――。
遥かな宇宙を舞台にした「ヤキトリ」というの名の物語とはなんぞや――それ即ち「ヤキトリ」と蔑称される機動歩兵たちの生死を賭けたドラマです。カルロさんは「ヤキトリは、19世紀にイギリス東インド会社に対して大反乱を起こしたセポイ(シパーヒー)をイメージしてください」と説明されました。宗主国に雇用される植民地の現地人傭兵、それがセポイです。さらに「そのセポイに現代社会の“持たざる者”を重ねてください」と付け加えられたのです。自分の中で次々とヤキトリのイメージが繋がって広がっていきました。圧倒的な力によって閉塞的な環境に押し込められながらも、命を賭して抵抗を試みる者たちが、本作の主人公アキラをはじめとするヤキトリたちなのだ……! と。生まれたイメージのエッセンスは、カバーイラストを手掛けて頂いた『オーバーロード』などの作品で著名なイラストレーターso-binさんの、アキラのビジュアルにも大きく影響しています。
本作で描かれるのはハインラインの『宇宙の戦士』のような最強の機動歩兵部隊ではなく、異星文明に使い捨てにされ侮蔑される消耗品です。
恐るべき破壊力を秘めたパワードスーツを着用して、目的の惑星へと宇宙空間から降下、奇襲攻撃をかける機動歩兵。地球連邦軍に志願したジョニーが配属されたのは、この宇宙最強の部隊だった。肉体的にも精神的にも過酷な訓練や異星人との戦いの日々を通して、ジョニーは第一級の兵士へと成長していくが・・・・・・。ミリタリーSF・シリーズの原点ここに。映画・アニメ界にも多大な影響をもたらした、巨匠ハインラインのヒューゴ賞受賞作。
その上、彼らが戦うのは、降下作戦での死亡率が平均して7割という苛烈な戦場。それは、誰にも期待されていない、自分自身も自分たちに期待できない、人間扱いすらされない絶望的な環境なのです。担当である自分は、ヤキトリの物語は戦争SFであると同時に、現代を生きる人々の寓話であると考えています。「持たざる者たち」「期待されない者たち」とは、あらかじめ未来を約束されていない今を生きる人達自身の影絵に他なりません。
圧倒的絶望の中で、アキラたちヤキトリがいかにして“未来”を掴み取っていくのか、どうぞ本編でお楽しみ下さい。もちろん『幼女戦記』や『約束の国』でカルロさんが魅せた濃密な戦争描写は、地球の大気圏を超えても健在ですよ。(早川書房第二編集部 奥村勝也)
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