
【サマーブックフェス2021】お笑い芸人・AMEMIYAさんオンラインイベント開催記念インタビュー

【サマーブックフェス2021 スペシャル企画】に、コウメ太夫さんと共にご登場いただくAMEMIYAさん。「冷やし中華はじめました」を替え歌にした「〜に捧げる歌」は、芸人さんのネタでありながらも、なんでもない日常をドラマティックに仕立ててくれると、全国各地の結婚披露宴からも引っ張りだこ。そんなAMEMIYAさんの“実のところ”を、今回はちょっとだけのぞかせていただきました。

「捧げる歌」は相手が何を求めているかが分かればすぐに完成する
――AMEMIYAさんには今回、イベント応募者へ捧げるオリジナルの「〜はじめました」を熱唱していただくことになりました。【サマーブックフェス2021】のキャンペーンボーイです!
キャンペーンボーイ!? そんなの光栄じゃないですか!いくらでもやりますよ!でも、10名も応募あるかな?だってAMEMIYAですよ?そこがちょっと心配ですけどね。
――どうしてそんなに自虐的なんですか(笑)。
あのね、経験に基づいて判断してるんです。だってファンとかいないんですよ。営業ではニーズがあるんですけど、ライブやっても人が来ないですからね。もうだから、10名じゃなくて応募してくれた全員分歌いますよ。でも8名ぐらいじゃないかな。
――人それぞれの「〜はじめました」は、すぐに作れるものなんですか?
その方が何を歌って欲しいかが見つかれば、わりとすぐできます。
――先日出演されたテレビ番組では、歌詞を作るために細かく取材をするとおっしゃっていましたが。
例えば、結婚披露宴で新郎新婦に捧げる歌を作るとして、AMEMIYAもその方々のことを知らないので事前にアンケートを取るんです。そのいただいた情報から、新郎新婦の良さを詰め込んで作ります。細かく調べるのは、膨大なエピソードの中からチョイスしたいからですね。
――いちばん面白くしたいから。
そういうことですね。面白くしたいときもあるし、場合によっては感動的にしたいこともありますよ。新郎新婦のアンケートを見れば、何を求めているかはだいたい分かるんですけどね。感動系なのか、爆笑系なのか、両方入れたいのか。そのへんの匙加減は相手によるかな。

芸人になったきっかけと、数々の苦悩
――AMEMIYAさんは、ミュージシャンでも芸人でもない立ち位置で世の中を見ているような感じがしますね。
まさに、自分のジャンルをなんて言っていいか分かんないですね。なんでもいいです、お任せします。芸人でも歌手でも好きに呼んでください。AMEMIYA自身が自分はこうだと言えないんで。ま、台本に書いてあったら言いますけどね、「どうも!歌ネタ芸人のAMEMIYAです!」(笑)。
――もともとは何を目指してこの世界に足を踏み入れたんですか?
別に芸人になりたいと思ってたわけじゃないんですよ。ただ、人を楽しませたいというのだけはありましたね。だから手段はなんでも良かったんです。最初はお笑いコンビでしたけど、相方のプロジェクトだったということもあって、自分の力を試してみたいと思うようになって。そこで、ギターでお仕事いただけてるっていうことは、AMEMIYAはそこにニーズがあるんじゃないか、しかも周りにライバルがいないぞ!? ということで、音楽系タレントがいいかなって思ってたら、友達とバンドを始めることになって。でもそれも結局ダメで、最終的にギターしか残らなかったんですよ。お笑いとバンドを経験したことで、どっちと気が合うかなって考えたときに、芸人でいることがしっくりくるなと思って。そうこうしているうちに偶然にも「冷やし中華はじめました」ができただけ。だから超ラッキーだっただけだと思いますよ。
――でもね、冷やし中華のメロディってみんな知っているじゃないですか。日本中で多くの人が知るオリジナルのメロディを持っているって、すごいことだと思います。
ホントですか!? うれしいですね。でも、本当にみんな知ってるかな?
――知ってますって(笑)。
もちろん知ってくれてるんだろうなと思うんですけど、自分としては全然大したことないっていう気持ちで仕事に臨んでるから。天狗になっちゃうとマズイなっていうのがあるんで。すごくありがたいことだとは思うんですけどね。
「冷やし中華〜」が皆さんに喜んでいただけるようになって、AMEMIYAはちょっと焦ったんです、持ち歌がそれしかなかったから。このままだと、一発屋ならぬ一曲屋みたいになりかねないなって。とはいえ、芸人って売れたらネタとかやんなくていいんじゃないの、普通にテレビに出れんじゃないのって思ってもいたんですよ。それでネタ作りをやめて、『R-1』とか出ないでいたら仕事が減ったんですよね。2013年かな。そのときに、今も一緒にラジオ番組をやってる先輩の作家にケツ叩かれて、ネタ作んないとダメだよって言われて。面倒くせぇなと思ったけど、作家の力も借りて毎週1本作るようにしたんです。ノーギャラでやってるしね、そのラジオ番組も。仕事してんのに事務所にも金が入らないという(笑)。
――自主的に修行をしているような。
そうそう、塾みたいな感じ。俺が作家に謝礼払ってやってるんだもん。だけどそのおかげで今があるの。やっぱり作るってことは大事ですね。とにかく努力をし続けなきゃいけないんだなってことですよ。ラクしたらメディアに出られなくなっちゃう。
――やっぱり、怖さがあるんでしょうね。
怖い、怖い。常に怖いですよ。まだまだ足りないですよ、住宅ローンも残ってるし(笑)。

AMEMIYAの背中を押した、漫画の名言と「座右の銘」
――AMEMIYAさんは漫画や小説をよく読まれるとのことですが、本から着想を得たり、なぐさめられたりということもありますか?
すごく助けられてると思いますよ。気分を切り替えるのにも役に立ちますしね。今も寝る前には必ず漫画を読むし、小説も東野圭吾さんが大好きでしょっちゅう読んでますね。電子書籍もね、遠征のときに『トリコ』を忘れちゃった!! と思っても、すぐダウンロードできるから便利だなと思って。
僕ね、下積みが13年ぐらいあったんですよ。今思えばけっこう短いですけどね、32歳のときにテレビに出られちゃってますから。でもそれまではお笑いコンビやってもダメで、バンドやってもダメで、その頃にずっと『はじめの一歩』を読んでました。繰り返し読んでた、長いから(現在も連載中)途中までだけどね(笑)。
主人公の幕之内一歩が所属する鴨川ボクシングジムの鴨川会長の言葉に、「努力した者が全て報われるとは限らん。しかし!成功した者は皆すべからく努力しておる!!」っていう言葉があって、それに心を打たれてたんでしょうね。僕、挫折をしたわけですからね、お笑いコンビやめたらファンもいなくなって、彼女にもフラれ、実家に帰り、そんな中で読んでたんですよ。そりゃ、頑張んなきゃなって思いますよね。
――AMEMIYAさん、ただマジメなだけではないですよね。くそマジメですよね(笑)。
そうなのかもね(笑)。いや、くそマジメだと思いますよ、慎重だし。よくプラス思考とかマイナス思考とか言うでしょ。マイナス思考なんてもんじゃないですよ、サイアク思考だね。
――常に最悪の事態を想定しておく、と。
そうそう、そういうこと。それが僕の座右の銘ですね、「常に最悪のことを想定しろ」。テレビの収録も、どうせ今日もダメだろうと思ってから臨みますから。それでちょっとでもウケたりすると、自分はまだまだ幸せだなって思えますからね。

これまでの自分の「ほどほど」がいまの大きな代償に!?
――何かこう、思いっきりのいいことをやってやろう、みたいな気持ちは?
なんかね、とことん行くところは行くんですよ、バカだから。慎重にやりゃいいのにってところができなかったりします。タバコは1日4箱ぐらい吸ってたし、年に数回は声が全く出なくなってたし、酒も好きなだけ飲んでいいと思ってたんですよ。そしたら医者に止められたの。知らなかったんですもん、ほどほどにしなきゃいけないなんてこと。だから親に怒りましたよ、「なんで教えてくれなかったんだ!?」って。そしたら「そんなこと親が教えなくても分かるもんだろ」って言われて(笑)。
――世の中では、お酒もタバコもほどほどにって散々言われているのに(笑)。
それはもちろん知ってましたよ。でも、飲みたくなくなったところでやめてたから、自分は適量を飲んでると思ってたの。そんなことやってたから、今になって身体がガクッときてるんですよね。43歳になりますからね。
――曲がり角ですね。
急激すぎますよね。腰はスベリ症になって、坐骨神経痛で長時間立っていられなくなって、ちょっとした内臓疾患になって、帯状疱疹がばーっと出て、へんなでかいシコリができたりもして(笑)。今は体調も改善したんですが、もうね、分かったんです、自分はもう若くないって。子供も今年2人目が産まれて、4歳と0歳の子を持つおじさんです。それを自覚して、今はもうヨーグルトに青汁を入れて飲んでますよ。

インタビュー・文:斉藤ユカ
撮影:荻原大志
【profile】

AMEMIYA(アメミヤ)
1978年11月10日/千葉県生まれ/AB型/本名:雨宮陽平
作詞・作曲の特技を活かし、一つのフレーズを基にギターと歌で演奏する“シンガーソングライター芸人”として活動。特に結婚披露宴のオファーが多く、新郎新婦へのオリジナルソングで会場中を感動と笑いに包んでいる。現在は『千鳥のクセがスゴいネタGP』準レギュラー出演中。また、満を持して「冷やし中華はじめました」が各配信ストアにてダウンロード・ストリーミング配信スタート。
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【AMEMIYAさんコメント】
何度も読み返すぐらい好きな作品です。“グルメ時代”っていう設定がまず面白いですよね。バカバカしさも炸裂で、まさしく男の子が好きな漫画。読んでいてワクワクするんです。例えば『ONE PEACE』だと完璧に伏線張られてる感じがするんですけど、トリコは勢いで描いてて無理やり辻褄合わせてない!? って感じもまた楽しい、まぁ実際はどうか分かりませんけどね(笑)。でもとにかく面白い! もう、島袋先生と飲みに行きたいです!!
『悪意』 東野圭吾(著)/講談社
※未電子化作品※
【AMEMIYAさんコメント】
これは「加賀恭一郎シリーズ」の中でも面白かったな。めちゃめちゃ騙された! ひどいんですよこの犯人がまた。本当に捕まって良かったと思いました(笑)。読んでみたら、タイトルの『悪意』がなるほど! と思いますよ。僕は東野圭吾さんの作品が大好きで、ほとんど読んでいます。読みやすいところもいいんですよね、ぐいぐい引き込まれるし、感情移入しちゃうし。ほんと大ファンです。


