歴史小説ではあるけれど難解な表現は控えめなので、とても読みやすかったです。内容としても光圀公の生涯を流れるように進むものなので合本版だとストレスなく読めます。 特典は本当にお試しなのですが、他の冲方作品に触れる機会としては申し分ない分量だと思いました。

読ませようとする箇所は幾つかあったが、どこもどれも盛り上がりに欠ける印象。では、キャラクターはと言うとその個性が特別突き抜けているわけでも、独特であるわけでもなかった。ヒロインであろう教授も、今となっては何番煎じかわからない。読みきった後で、いったいこれは何を楽しめばよいのかわからなくなりました。理論の説明が説明過ぎて寒くなりました。 それでも、これはシリーズなので、今後超面白展開になるかもしれない。と、期待したいです。

お酒についてあれこれやんわりと掘り下げている一冊です。 おそらくお酒に興味がない人はそもそもこのような本を手に取ることはないのでしょうが、特別な興味がなくても話のタネにするにはちょうどよいと思います。それぐらいに酒にまつわる話は懐が広く、想像力を働かせてくれます。 世界各国、人がいるところに必ず酒が存在するのは言わずもがな知れたことではありますが、こうして改めて知り、いま各々が手にしたグラスに注ぐ液体が文化の発展に貢献してきたという事実を合わせて味わってみるのも中々に乙ではないだろうか。知り得た知識を思い浮かべながらの飲酒を是非とも勧めたい。