文章はうまいし、天然キャラの匙加減は絶妙だわ、仕事ちゃんとしてるわで、文句のつけようがない面白さ。このこなれた文章は相当なベテラン？と思ってチェックしたらやはりそのようで、初買いなのは自分のアンテナがひたすら低すぎたせい。あらすじを読んでいいなと思ったら買うことをお勧めします。ビーボーイだからお高めだけど、その価値はあります。失敗なしです。

文章も良いし、テンションも高まって！・・・からの終盤が、かなり尻すぼみというか駆け足でもったいない！と思った。その結末にするにせよ後、せめて150ページぐらいあって、ある計画が成功→後に色々と気づいていくってバージョンだったら最高だったんだけど。しかし、それまでの閉じた世界での息苦しさは非常に丁寧に描かれていていい。

まさにタイトル通りの話。それ以上でもそれ以下でもなく、しかし、人物描写、エロ描写のうまさで最後までしっかり読ませる職人技。不倫物は、主人公の行動原理を正当化するために結婚相手を徹底的に悪者にしたりする場合もあるけど、それでも不倫である以上その辺りの匙加減は難しい。実際、読んでる最中に、いや、そこまでうまくいっていないなら別居、離婚するのが誠実さでは？それは、当事者同士でまず話し合うべきでは？その問題を解決しないで外にのは逃げでは？とか我に返ったりつっこんだりする部分が多くてまったく話にのめりこめなかった、という経験も少なくはない。その点この話は、不倫だけど、どんどん逃れられなくなっていく主人公、という軸がまったくぶれないので、大変よろしい。その堕ちっぷりを軽いサイコホラーとしても読める。お勧めです。

ファンタジー、溺愛系、獣とか全てストライクゾーンから外れているのですが、他のサイトでの評価が高かったので、読んでみました。良い！やはり文章がうまくて構成がしっかりしていれば、プロット全体の起伏がそんなになかろうが、獣人設定だろうが、その他のご都合設定もすべて、大した問題ではないと思えてきちゃうのです。すごいです。ひたすら王様と一緒に子ひょうを愛でることができました。

面白くて、文章もうまく、一気読みしました。全然知らない作家の方でしたが、他にも作品があればぜひ読んでみたいと思わせる作風でした。ミステリ仕立てとBLの割合が私にはちょうどいい塩梅でした。よく、物語が佳境に入っているとき、長めのエロシーンがあると飛ばすことが多いのですが、その辺りの配置もちょうど良い感じでした。地中海系オリーブ色の肌の男子の魅力を堪能しました！ 難をいえば、爺の過去話の展開、実はさらになにかあるか、期待していたのでちょっと肩透かしをくらったきになりましたが、メインプロットには全く関係ないし、基本的な伏線はちゃんと回収されているので、話としての破綻があるわけではありません。

主人公の侑央の中々にしたたかな性格がもろ京都な舞台と相まって、相乗効果を上げています。攻めの千秋の行動は卑怯とか腹黒いという言葉がぴったりなのですが、いつの間にか健気に見えてくるというのは、まさに作者の筆力（と侑央のしたたかさ）のおかげ。場面場面の雰囲気を味わいながら楽しめるBLです。お勧めです。

お坊さんBLと聞くとついつい手に取ってしまうのは、今思い返せばこのBLのせいかもしれません。というか、ストイックな坊主の美しさ、うなじのきれいさに目覚めたのは絶対にこのBLのせいです。なんと仏像が現代に転生！主人公若返り、とか、結構とんでも設定なのですが、そんなびっくり設定などなどはもう、恵照様のお美しさとえろさの前では吹っ飛んでしまうのです。とにかく、鎌倉時代の美貌の僧侶の悲恋と、抱擁攻め×つんでれという王道を一度に二つ味わえるBLです。お勧めです。

月村さんの本は合うものと合わないものがあるのですが、この本はちょうどヒットしました。恋しちゃった気持ちが膨れ上がって持て余しまくって大変！な典型的なロマコメ路線なんだけど、そこにさらに自分の性志向を肯定的にとらえられなくて、むしろ罪悪感を抱えているというわりと深刻なアイデンティティにまつわる悩みもちゃんと絡ませて、無理ない成長譚として仕上げているあたりが好感度大でした。 主人公が恋した喬介がまた無理ない程度の完璧な好人物で、単純に私の好みにあっていたのも、おそらくこの本の私評価が高いことの理由の一つです。

とんでもタイトルだけど、私好みのガチムチ受か、と他サイトのレビューをチェックしたら軒並み高評価。早速購入、一気読みしました。 オメガバースレベルのファンタジー設定なのだけど、あほか、と白目をむくことなく、最後まで読ませられたのは、とにかく人物描写が非常に丁寧で、そしてなんというか、まっとうだから。主人公が抱える生きづらさ、周囲の何気ない悪意を的確かつ詳細に描いていく導入部で、あっという間に話に引き込まれました。 相手のガテン系兄ちゃんの造形も素晴らしい。（肉体描写も人物描写も） 読後、こんなにすがすがしい気分になるとは、タイトルからは想像もつきませんでした。 個人的に、Gay for you （ゲイじゃないけどお前だから好きなんだ）と「ノーマル」（という語の使用）が、 ＢＬでは結構地雷なんですけど、その辺りのセンスもまっっっったく心配無用でした。 一読目は先が知りたくて、エッチシーンはがんがん飛ばして読みましたが、エッチシーンも濃厚で愛にあふれていていいです。 医院勤めの医者設定ですが、その描写も素人目には非常にらしさがあって満足です。 おすすめです。