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  • ST 警視庁科学特捜班 エピソード1<新装版>

    ST 警視庁科学特捜班 エピソード1<新装版>

    今野敏

    講談社文庫

    特殊能力を持った変わり者たちの一風変わった戦隊ヒーローもの!?

    STという架空の組織の活躍を描いた警察小説。 STは、「scientific taskforce」 の略で、科学捜査をする特殊部隊ということになります。 読んでいて、感じたのは、最近、TBSで放送されたドラマ『ホワイト・ラボ〜警視庁特別科学捜査班〜』 に近いですね。 ST は、特殊能力をもちながら、いや、それゆえに、かなり変わったメンバーで、構成されています。 メンバーを簡単に、ご紹介すると、 ・赤城 左門(あかぎ さもん) STの法医学担当。対人恐怖症 ・青山 翔(あおやま しょう) STの文書鑑定担当。専門は筆跡鑑定、ポリグラフ、プロファイリングなど。秩序恐怖症 ・ 黒崎 勇治(くろさき ゆうじ) STの第一化学担当。発達した嗅覚を持つ。先端恐怖症 ・ 山吹 才蔵(やまぶき さいぞう) STの第二化学担当。僧籍を持った本物の僧侶でもある。 ・ 結城 翠(ゆうき みどり) STの物理学担当。絶対音感と驚異的に発達した聴覚を持つ。閉所恐怖症。 この赤・青・黒・黄色(山吹)・緑(翠)が揃っていることで、戦隊ヒーローものを彷彿してしまうのです。 ゴレンジャー世代の人には、堪らないかもしれません。 それにしても、この人たち癖がありすぎ! このエピソード1では、さまざまな意味で日本市場を狙う外国人の起こす犯罪が描かれています。 話は、スピード感があるし、登場人物にはそれぞれ魅力があって、面白かったです。

    10
    投稿日: 2014.07.11
  • 私の男

    私の男

    桜庭一樹

    文春文庫

    「血」のつながりについて考えさせられる1冊

    このタイトルの気恥ずかしいまでのストレートさで、選ぶのをためらっていました。 でも、その解釈は、間違いでした。 「私の男」というタイトルが表しているのは、相手に対する所有としての表現ではありません。 複雑な状況から表される、とりわけ、血のつながりが関係する表現だと、感じました。 読み始めてみると、時間を遡りながらストーリーが展開されていくため、そこ(ラストであり最初に辿り着く過程を愉しみながら読めます。 主な舞台は、北海道の紋別で、海に関する表現が頻繁に出てくるのですが、これだけ不気味な表現がよくできるものだな、と作者の筆力に感心するほどです。 でも、読後感としては、悪くなく、血のつながりがどういうものかを、改めて考えさせられました。 そして、家族がいて、当然という意識を持っている人には、この話を完全に理解するのは難しいかもしれません。 私も完全には理解できなかった一人です。

    5
    投稿日: 2014.07.05
  • 幻の翼(百舌シリーズ)

    幻の翼(百舌シリーズ)

    逢坂剛

    集英社文庫

    グラークアルファ作戦は……

    『百舌の叫ぶ夜』に引き続き、 この作品でも、グラークアルファ作戦は出てきません。 ドラマの進展が気になって、購入を検討されている方は、ご注意ください! さてさて、今回の舞台は……と言いたいところですが、 主な舞台となるのは、1作目で出てくる、あの病院です。 そして、ストーリーの主軸となるのは、大杉と美希。 1作目からの因縁が続いていますので、1作目で、誰が誰の手によってなくなったのか、確認しておくと良いと思います。 なかには、「あれっ?そんなことになっていたっけ?」と思わせる表現がありますが、それは次回作への伏線かもしれません。 今回も、1日で一気読みしちゃいました。 正直、読み終わるのはあっという間で、これでおわっちゃうのー?、という感じでしたよ。 うーん、3作目も読んじゃうのだろうな、近いうちに。

    17
    投稿日: 2014.06.08
  • 百舌の叫ぶ夜(百舌シリーズ)

    百舌の叫ぶ夜(百舌シリーズ)

    逢坂剛

    集英社文庫

    ドラマが10倍楽しめるようになります

    TBS ドラマの『MOZU』を毎週楽しみにしていました。 しかし、少しでも見逃した箇所があるからか、私には難解で、ストーリーは遅々として進まず……。 ということで、堪らず原作をかってしまいました。 原作を読みはじめると、「大当たり!」。 面白さのあまり、一気読みです。 ドラマの大筋は、原作とさほど違わず、それぞれのエピソードでの登場人物の心情がよくわかって、ドラマの方もストーリーを楽しめるようになりました! 私は、先にドラマをみてから、原作を読み始めたので、登場人物をドラマのキャストにあてて、読んでしまいましたが、なんで、登場人物の名前を一部変える必要があったのでしょう? 石田ゆり子さんの役名は、「倉木千尋」で、原作では「倉木珠枝」になってましたー。 「珠枝」じゃ、だめなの?

    195
    投稿日: 2014.06.06
  • 紳士靴を嗜む はじめの一歩から極めるまで

    紳士靴を嗜む はじめの一歩から極めるまで

    飯野高広

    朝日新聞出版

    靴マニアには、たまらない一冊です。

    この本は、私の主人のバイブルです。 著者の飯野さんは、靴の選び方からケアの仕方まで、余すことなく紳士靴の魅力をご教授してくださいます。 文中には、靴に対する著者の愛情が溢れていて、表現が独特。 そのため、紳士靴に興味のなかった私でも、楽しみながら、知識を身に着けることができました。

    1
    投稿日: 2013.10.15
  • 黒革の手帖(上)

    黒革の手帖(上)

    松本清張

    新潮社

    因果応報。人の恨みは恐ろしい……

    黒革の手帳は、米倉涼子主演でテレビ化されていますので、ストーリーをご存知の方も多いかもしれませんね。 私は、小説を読んで、テレビの方は観ていません。 舞台は銀座のクラブですので、切った張ったの世界のようです。 欲望が渦巻く世界の中で、女性のドロドロとした感情を見せつけられた気がしました。 決して、踏み入れることはない世界だと思いますが、こういう世界にいる中で、 人の恨みを買うようなことをすると、取り返しがつかないほどのしっぺ返しがくるんだなーと、実感。 夜の銀座を生き抜くには、鋭い洞察力が必要なんですね。

    2
    投稿日: 2013.10.15
  • わるいやつら(下)

    わるいやつら(下)

    松本清張

    新潮社

    本当に、悪い人しかでてきません!

    松本清張の本をよく読むのですが、なかでもこれほど主人公がダメダメなのは初めて読みました。 主人公は医者。2代目のボンボンで、絵にかいたようなダメおとこ。 そんな主人公の破滅っぷりに救いがないので、読後感は、どちらかというと、というか、かなり悪いです。 そして、本当に悪い人しか登場しません。 冷酷非情な現代人の欲望を描く推理長編ですので、冷酷非情っぷりを堪能したい方にはおすすめします! 私にとっては、地元である石神井公園がでてきたり、意外と身近に感じられた一冊でした。

    1
    投稿日: 2013.10.15
  • シニアシフトの衝撃

    シニアシフトの衝撃

    村田裕之

    ダイヤモンド社

    シニアシフトの衝撃の度合いは、それ程のことでもないかなー、と。

    正直、衝撃というほどは感じませんでした……。 ただし、これからシニアを対象にしたビジネスを始める方は一読の価値ありです。 総じて、総論的ではありますが、シニア市場はマスマーケットではなく 多様なミクロ市場の集合体ということを前提に事例を見ていくと、どのような点を考慮なくてはならないかがわかってきます。 そう、経験豊かなシニアは、一筋縄ではいかないんです。 だから、まず傾向をこの本で押さえておくと、いいのかもしれません。

    0
    投稿日: 2013.10.15
  • 図書館戦争 図書館戦争シリーズ(1)

    図書館戦争 図書館戦争シリーズ(1)

    有川浩

    角川文庫

    図書館戦争

    図書館で戦争という、あり得ない、いや、近い未来に図書館がこんな風なら嫌だ!、という設定で、度胆を抜かれました。 作者の有川さんが得意分野である自衛隊ものを念頭に置きながら読み進めると、イメージがつかめます。 図書館の自由、本を読む自由を守るために、戦う人々のキャラが生き生きとしていますし、エンターテイメント作品としても、勢いがあるので、一気読み間違いなしです。 私は、旅行中にこの本を手に取ってから、一気にシリーズすべてを読破したほどです。

    2
    投稿日: 2013.10.08