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猿のごとく読み、人のごとく考えるさんのレビュー
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  • 竜馬がゆく(二)

    竜馬がゆく(二)

    司馬遼太郎

    文春文庫

    サノーとウノーの読書レビュー2冊目

    ・サノーさん一言コメント 【サノーさんおすすめ度★★★★★】 「剣術家としての道を歩み始めた竜馬だが、自ら動くことなく、尊王攘夷の渦に吸い込まれていく。武市半平太との関係性が、土佐と江戸、故郷と都会、少女と大人の女性との対比と同調しながら、鮮やかに描かれた一冊」 ・ウノーさん一言コメント 【ウノーさんおすすめ度★★★★☆】 「維新の夜明け」までは、まだ間があって、徳川の月明りもまだ東の空に輝いている頃のお話しです。司馬先生ならではの取材と考察、歴史の行間を埋めていく手腕は、まさに職人芸です」 ・サノーさん、ウノーさん読書会 サノーさん(以下サ):2巻は、武市半平太だよね。東洋暗殺しちゃうとこも、丹念に描かれているし。 ウノーさん(以下ウ):そうですね。葛藤や迷いも迫力ある描写が続いていました。 サ:そうそう、司馬さんは半平太が大好きだよね。少なくともこの巻では竜馬よりも半平太だと思う。勤皇党も出てくるから、一気に登場人物が多くなるし。相変わらず、時代考証、 現場取材、資料研究の土台がきちっとしてるから、維新前々夜のクロニクルを学ぶ上でも、素晴らしい小説だ。 ウ:それは、そうなんですが・・・ちょっと気になるのは、竜馬のモテっぷりなんです。 サ:うーん、それについては司馬さんの願望も現れていると思うし、産経新聞の連載だったんだから、ファンサービスもしないと。 ウ:でも、出てくる魅力的な女性が、片っ端から惚れてくんです。天真爛漫な性格、無作法、よれよれの恰好。なのに背が高くて剣術は折紙で偉い人とも仲が良い、そのギャップに萌える女性が続出というのは、いささかストレートすぎる気がしました。 サ:ウノーさん的には「だが、それがいい」と。 ウ:それはそうですね。ヒーローはモテたほうが気持ちがいいし、この小説を読んでからは、モテない竜馬なんて、竜馬じゃありません。 サ:そこが、司馬さんの狙いでもあると思うよ。さらに、このモテモテ竜馬は、その後の竜馬像、その後の史実の根拠となるべき伏線なんだよ。ここで竜馬がモテてなかったら、その後の辻褄が合わなくなっちまうんだよ。 ウ:なるほど、長編の二巻としては、そういうシナプスの役割を果たしているのですね。 【了】

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    投稿日: 2017.03.11
  • 竜馬がゆく(一)

    竜馬がゆく(一)

    司馬遼太郎

    文春文庫

    サノーとウノーの読書レビュー

    ・サノーさん一言コメント 「竜馬英雄伝説を生みだした傑作の初巻。剣術家としての竜馬を丹念に描き、少年期・青年期の出来事、維新へとつながる歴史の伏線を学べる必読の書」 【サノーさんおすすめ度★★★★★】 ・ウノーさん一言コメント 「人間・竜馬の朴訥な青年像が丁寧に描かれていて、池波正太郎派も納得の初巻です。ただ、司馬先生ならではの考証自慢が気になる人はいると思います」 【ウノーさんおすすめ度★★★★☆】 ・サノーさん、ウノーさん読書会 ウノーさん(以下ウ):あのーちょっとお聞きしたいですが、シリーズものって1巻ずつ紹介するつもりなんですか? サノーさん(以下サ):そうだよ、だって、ほぼ日刊のつもりなんでしょ。とてもじゃないが長編シリーズを一回でやっちゃったら、身が持たないぜ。読んでくれる人がいなくも、ルールは守る、それがポリシーってもんよ。 ウ:まぁ、1巻ずつでもキツイ気もしますが。さておき『竜馬がゆく・1巻』ですね。コメントにも書きましたが、私は池波正太郎派ですから、やっぱり司馬先生の考証節が入ると物語から引き戻されちゃうんです。 サ:いや、それが魅力なんだよ。もともと新聞記者なんだから、取材なき創作なんてありえない。それが史実に誠実になり、正しい知識を後世に伝えるわけだから。 ウ:それはそうですけど・・・でも、取材元が誇張していたり、虚偽があったりしたら、影響力ありすぎる訳でして。。。おっと、サノーさんみたいな感想になってしまいました。 サ:いや史実とは、その要素も含めた知識のことだ。誇張があろうが、虚偽があろうが、それを覆す証拠が確認されない限り、それは史実なんだよ。だから、竜馬が英雄かどうかなんて、この本には関係ない。史実を学びたければ、そういう本は腐るほど出てる。 ウ:あら、ウノーみたいなこと言ってますね!まぁ、1巻は手探り感がありましたよね。 サ:あった。大好きな坂本龍馬をどう描くか。その迷いが感じられる点も面白い。 ウ: 「寝侍ノ藤兵衛」は、その象徴ですよね。ネーミングとしては、『鬼平犯科帳』ですもの。 サ:最初から竜馬を英雄たるものとして描きたかったかは疑問だけど、少なくとも竜馬自らのセリフで、その偉業、男っぷりを浮き出させるのはイヤだった。だから、作者の分身ともなるインタビューワーとして、NPC(Non・Player・Character)が必要だったわけだ。 ワ:色っぽい、というかその後につながる女性観、ヒロインのための伏線を沢山でてきますね。 サ:そりゃ、1巻だもの。伏線てんこ盛りだよ。剣術家としての紹介も、新鮮だった。 ワ:そうなんです。そこが、池波派としてはやや惜しまれるというか。男女の機微、摩訶不思議な感情の変化、剣術の描写、どれも池波先生のほうが色鮮やかな気がしていました。 サ:いやいや、それは新聞記者か新国劇の座付き作家かの違いだけだ。先にどっちを読んだかで好みが決まっちまうような、簡単な話しさ。1巻では青年竜馬が「一剣立身」のため江戸に出て、黒船に出くわしたり、剣術で長州藩とのつながりができたり、とにかくその後の史実を意識しつつ、司馬先生がどう伏線を張っていくかを楽しむのがいい。 ワ:そうですね。確かに長編の1巻は手探りで楽しむものですね。 【了】

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    投稿日: 2017.03.10
  • 世界最強の商人

    世界最強の商人

    オグ・マンディーノ,山川紘矢,山川亜希子

    角川文庫

    名著ですよ~♪

    こんな素晴らしい作品が、手軽に読めるのだから、素晴らしい時代ですね。 鉄板の成功哲学ではありますが、読むたびに素晴らしい発見があります。 えっ、おまえはこれで成功したのかって? はい、おかげさまで!!!

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    投稿日: 2015.04.10