
殿さま狸
簑輪諒,森美夏
学研
ひめがよい
阿波の狸に化かされにいきましたが、予想外に癒されました。 著者の他の作品と比較して、激しく直接的な戦ではなく、 うしろの民を身近に感じながら生き残っていく戦い。 なんといっても妻の比奈(ひめでは読みづらいと、ひな、という名になったとのこと)の存在がよかったです。 出番が特別に多いではないのですが、いつも明るく笑んでいる彼女の存在が、作品をあたたかいものにしているように思います。 また、餅を食いたくなりますので、甘党の方はご注意下さい
0投稿日: 2016.09.29
うつろ屋軍師
簑輪諒,森美夏
学研
丹羽二代に涙
この爽やかさはなんだ、と、問いたいほどに丹羽長秀が爽やかで気高い。 その息子、長重もまた、若さと情熱を秘めた爽やかさを持ち、その父子に空論(うつろ)を語る主人公・江口正吉の、また好感の持てること。 主従の爽やかさに涙しながら読み進め、雑賀らの格好よさに胸を踊らせ、すっかり丹羽家の虜になってしまう。 くせものの譜と併せて読むと、最後の展開が補完され、更に感動できるかもしれない。 それにしても結城秀康のカリスマぶりがすごい。 余談だが、主人公がややヤン・ウェンリーをイメージさせるので、好きか方にはオススメです。笑
0投稿日: 2016.09.11
くせものの譜
簑輪諒,森美夏
学研
くせものどもが夢のあと
御宿勘兵衛という、名前は知っているがいまいち何者なのか正体不明だった男が、活字のなかに息づいてくる。 癖の強い連中が、どいつもこいつも生き抜く様を、短編集風に描いた良作。
0投稿日: 2016.09.11
アルケミスト 夢を旅した少年
パウロ・コエーリョ,山川紘矢,山川亜希子
角川文庫
はじめはダメだと思ったが
ACIDMANが好きなので、そんな理由で読んでみた。 海外のものは、やはりリズムが悪くなるし、読みづらいな… などと、読みはじめは思っていたのだけれど、 読み進めるうちに、こちらも旅をしていたのだと思う。 いつの間にか肚にしみるものがあって、 読み終わる頃には宝石みたいに見えた。
0投稿日: 2016.06.27
宿命の兄弟 徳川秀忠と結城秀康
坂上天陽
学研M文庫
初々しい
秀康はどうしてもかっこいいとして、秀忠が子犬。かわいい。 派手なシーンはないが、情景がわかりやすい。 良くも悪くも若いふたりの、 瑞々しい兄弟の、あるいは、淡々と主従の、複雑な距離。 家康がやや印象が悪め。
0投稿日: 2016.06.26
結城秀康
志木沢郁
学研M文庫
かっこよすぎか
野性味のある秀康が最高にかっこいい。 家康の子、秀吉の養子、人質、結城の婿養子、秀忠の兄、自分の枕詞に苛立ちながら生き抜く様に惚れた。 加えて異常な短気で有名な細川忠興の異常な短気ぶりを見たい方もどうぞ。 熱するのも冷めるのも早い忠興。 いいと思います。
0投稿日: 2016.06.25
セトウツミ 1
此元和津也
別冊少年チャンピオン
笑っていいやつ
発売されたばかりの頃、なんだかノスタルジックな青春物のような表紙につられて購入した。 実際どこかノスタルジックな青春物だが、なんだか篇だ、なんかすごく笑える。 いわゆる「シリアスな笑い」かと思ったが、ちがう、純粋にギャグだこれ。 安心して笑っていいやつ……! 気がついてから、毎巻笑いまくっている。 けれど、最初の印象はまちがっていなくて、やっぱりどこかノスタルジックな、たぶん作者の根っこのような切なさが、あとをひく。
1投稿日: 2016.06.25
銀河英雄伝説 2
田中芳樹,藤崎竜
週刊ヤングジャンプ
元帥すごい
うまいことフジリュー味が入っていて、「フジリューの銀英」という響きだけで読んで後悔ゼロ
0投稿日: 2016.06.24
