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  • 初めてでも作れる 基本の麻ひもバッグ

    初めてでも作れる 基本の麻ひもバッグ

    青木恵理子

    マイナビ出版

    基本型ほかアレンジも紹介♪

    麻バッグ作りにそろそろ挑戦しようと思い購入しました。 基本形の楕円底タイプ、四角底タイプ、それに持ち手の形も色々なタイプを載せてあります。 アレンジの紹介には胸が躍りました。 カラフルなストライプの配色、色とりどりの小さなフリンジの装飾、持ち手も異素材ロープや革を組み合わせたり。 麻だと夏限定の感じですが、たこ糸や毛糸、レース糸でも良いのです! 大小様々、形も色も素材も、アイデア次第で無限に楽しめそう。 とても創作意欲をくすぐられました。

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    投稿日: 2017.07.25
  • 愚行録

    愚行録

    貫井徳郎

    東京創元社

    事件の背景にある人間模様に好奇心をそそられました。

    幼児虐待事件と一家惨殺事件。眉を潜める2つの事件の関連性や両事件の犯人の動機が、殺害された夫婦に関わりのあった人々へのインタビューを通して明らかになって行きます。 女性週刊紙のゴシップ記事を彷彿とする好奇心そそられる構成に、見事に嵌まってしまいました。 難関大、大手企業、家柄。エリートと非エリートの交錯するところで起きているエピソードの描写が細かく、真実味に溢れていました。 女性の妬み、男性の狡さの深堀りが感嘆ものです! 異性がらみで悩んでいる方は、心に響くかと思います。 衝撃的な言葉をサラリと言ってしまう犯人の精神の異常性が、もの悲しく伝わって来ました。 異常者の短絡的な犯行か?怨恨か? 2つの事件で5名が命を落とし、犯人も逮捕される悲劇的な話しですが、犯人がラストで告白する秘密によって、この作品に温かな余情を感じました。

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    投稿日: 2017.04.11
  • 「貧乏老後」に泣かないためのお金の新常識

    「貧乏老後」に泣かないためのお金の新常識

    横山光昭

    PHP文庫

    老後に不安を抱いている方はご一読を。

    ボリュームが無いので、重いテーマですがサラッと読める指南書です。 お金について~年金、保険、投資、節税など~について耳寄りなアドバイスがありますが、一部具体的な商品名を挙げているところに著者の自信が伺えます。 著者の横山氏は、他にもお金の遣り繰りについての本を沢山出版していらっしゃいますが、この本もそうですが多くが庶民向けで取っつきやすい内容だと思います。 社会人でも意外と知らないお金の豆知識をサクッと知るのに、とてもお勧めの本だと思います。

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    投稿日: 2017.04.01
  • あたしの一生 猫のダルシーの物語

    あたしの一生 猫のダルシーの物語

    ディー・レディー(著),江國香織(訳)

    小学館

    猫の心理描写が最もらしく見事に表現されていると思います。

    主人公のダルシー(猫)は、クールを装いながらも"あたしの人間"(飼い主)の愛情の大きさの変化を繊細に感じとりながら成猫へと成長して行きます。 愛に包まれた平穏な二人の生活に何度か大きな変革が起きます。涙を誘う過酷な体験自体が淡々と綴られているのとは対照的に、ダルシーの心の揺れはきめ細かく描写されています。この点に沈着冷静な猫のイメージが合致して、リアリティが増幅されていると思いました。 幸せに満たされた日々が続くかと思えば心乱されたり。ダルシーは色々な経験を得ながら段々と"あたしの人間"への愛情の揺るぎなさを認識して行きます。 長年嫉妬や寂しさに苦悩したところがしっかり書かれているので、その先の老齢期に体が不自由になるも、再び"あたしの人間"の愛情を得ることが出来る展開に、胸が鷲掴みされました。 後半、ダルシーの"あたしの人間"への一途な想いが強く綴られていますが、押し付けがましさがなく切なさがドーンと伝わって来る描写力に満足感を得られました。泣けました。

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    投稿日: 2017.04.01
  • ザ・ゴール コミック版

    ザ・ゴール コミック版

    エリヤフ・ゴールドラット,ジェフ・コックス,岸良裕司,青木健生,蒼田山

    ダイヤモンド社

    コミックなのでとても分かりやすいです!

    主人公の新城工場長は、所長を務める赤字工場を3ヶ月で立て直すよう、本部長から言い渡されます。 工場閉鎖まで3ヶ月! 偶然出会った恩師にアドバイスを受け、部下や同期の営業本部長、家族までも協力者となり、継続的な利益を出す工場への改革に立ち向かう。 小説版で専門用語が羅列されると私の頭の中が停滞してしまいますが、コミック版ならではの分かりやすさのお陰で理解を深める事が出来ました。 "ザ・ゴール"を手短かにざっくり知りたい方にお勧めします。

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    投稿日: 2017.03.21
  • LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略

    LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略

    リンダ・グラットン,アンドリュー・スコット,池村千秋

    東洋経済新報社

    高齢に至る人生ビジョンを真剣に考えさせられた本です

    長寿化は現実問題なので向き合い、早めに対策を立てる事の必然性が提唱されています。 平均寿命80代であれば“60歳定年から第2の人生”という人生2ステージで良かったけれど、長寿化が進行してそのうち寿命が100歳になった場合、2ステージの考えは見直した方が良い、という導入から幾例かのプランが紹介されています。 定年までに充分な資産を蓄えるか、早めに運用に着手しておくか…働くか。ともすると80歳まで労働に従事することが珍しくなくなるかも知れないとは考えてもみませんでした。自分が高齢でも働けるか自信が無く不安でしたが、読み進むうちに“備えあれば憂いなし”だと前向きな気持ちになって行きました。 定年後にどのような形態の生活を送るかは、自分の努力次第。高齢で好条件の職に有りつけるよう、スキルを備え、人脈も築いておくと良いという論説はとても納得がいきました。何となく自分の人生設計では60歳で就労にピリオドを打っていましたが、100歳まで生きたと仮定したら、それより10年、20年先まで働かざるを得ないなと腹を括り、背筋が伸びてきました。 肉体的な老いは止められませんが、平穏な老後生活を夢見て、向上心を生涯持ち続ける生き方も素敵だなと思いました。

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    投稿日: 2017.03.19
  • やり抜く力

    やり抜く力

    アンジェラ・ダックワース,神崎朗子

    ダイヤモンド社

    就活生、育児に迷いがある方にお勧めしたい作品です。

    著者はマッキンゼー社の経営コンサルタントを職歴にもつ心理学者の方で、やり遂げる能力の高い人、そうでない人の要因を色々な観点で分析し、多様な論説が紹介されています。 成功者はやり遂げる能力が高い人が多い。では“才能”と“努力”いずれのスコアが高い方に軍配が上がるのか?また、人はどちらを評価するものなのか? ビル・ゲイツ氏も評価している粘り強さは、生育過程が非常に大事であり、周囲の大人がどのような関わりを良しとするのかも提唱されています 成功例として、一般人、芸能人、実業家、オリンピックメダリストなど、幅広い人々のサクセスストーリーが紹介されています。 中でもメガ成功者であるアマゾンドットコムのジェフ・ベゾス社長の育成ストーリーは興味深いかと思います。子どもをよく観察する事の意義が分かります。 仕事で成功しているか?と自分を振り返った時に、「自分の従事している仕事は 単なる“仕事”なのか、次に繋げる“キャリア”なのか、或いは“天職”なのかによって幸福感が違う」という論説はズシンと胸に響きました。 「やり遂げる力」を高める簡単に取り掛かれる方法も紹介されています。人生哲学を掲げること~まずは強く興味を持つものを発見する事から始まるのですが、ピラミッド式の目的達成メソッドの作図は、とても効果的だと思いました。 もっと硬い内容を予想していましたが、読みやすく分かりやすい論文でした。シンプルで不屈に生きる素晴らしさを認識し、生活に張りをもたらしてくれる本だと思います。

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    投稿日: 2017.03.19
  • 東京タラレバ娘(7)

    東京タラレバ娘(7)

    東村アキコ

    Kiss

    33歳独身女性、仕事も恋愛も上手く行かない。でも絆の強い女友だちがいる!

    倫子と早坂さんが恋人に発展するかと思いきや、キー君がデート現場に現れて…心にノイズが生じる倫子。 33歳女性だから恋愛をゆっくりしてられない、という焦り。その選択が当たりかハズレかの重さが10年前と大きく違う。女性の生様も多様化してる故に、誰かと比較して焦ったり安心したり。不安定な女心を癒し応援してくれる本だと思います。 倫子は前向きに生きようと、新たな一歩を踏み出します…が、キー君の過去を知った小雪、香、マミちゃんが行動を起こす、ってところは漫画の醍醐味ですね!

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    投稿日: 2017.02.03
  • 家康、江戸を建てる

    家康、江戸を建てる

    門井慶喜

    祥伝社

    400年前、都市設計の醍醐味がそこにあった。

    NHK大河ドラマ「真田丸」の視聴者であれば、時代背景が丁度重なり興味深さも手伝ってあっという間に読み終えると思います。 江戸を建てる=都市造りのお話しです。 開府以来、400年後の今も政治・経済の中心であり芸能文化発信地にもなっている東京が巨大都市へと発展出来たのは、家康による都市設計の功によるところがあったのは間違い無さそうです。 度重なる洪水と広大な湿地を抱え、見向きもされない田舎だった土地は、人の手により整備され変貌していきます。 人の営みや都市の発展に必要なもの、 難題に立ち向かう役人や腕利きの職人達が世代を股がって模索、奮闘する姿が見所です。 ・洪水を回避し、湿地を磐石な土地へ。 ・膨れる需要に比例した飲料の確保。 ・流通貨幣の改革。 ・城造り。 オムニバス形式ながらも、そこへ共通して殿様の俯瞰した目線と、現場の職人の目線があり、都市造成という大掛かりな難題に大勢の人々が関わっている空気感が伝わってきました。 各々の現場で先導するは、勘の良い役人と腕利きの職人。上官との駆け引きも中々のもの。 純粋に職に全うした彼等が生き生きと描写されているので、遥か昔の江戸が身近に感じられました。 想像から図面へ、そして大勢の手により形成過程へ。完成された圧倒されるぐらい巨大な造形物を目にした時の感動とその過程が造形の醍醐味なのだろう、と 1年前更地だった場所にそびえ立つ大型マンションを見上げて、当時の家康や役人と職人たちに想いを馳せました。

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    投稿日: 2016.09.10
  • 何者(新潮文庫)

    何者(新潮文庫)

    朝井リョウ

    新潮文庫

    就活生の揺れる心情を探れる作品

    朝井さんの実体験が反映されているとしたら、この作品は12月説明解禁、4月採用開始の頃の話しですね。 現在就活中の学生さんとは事情がズレますが、就活に直面している学生さんには共鳴するところが多い作品なのではないでしょうか。 自分の問題なのに、同級生の就活進捗状況に揺れてしまう。嫉妬や焦り、不安との戦い。仲間のちょっとした言葉のやり取りに過敏に反応しあい、変わる距離感。アイデンティティに強く向き合う息苦しい生活。 就活に苦悩する若者達の不安定感がリアルに描写されていると思います。 登場人物を朝井さんの出身校である早稲田の学生さんで連想するとしっくりきます。 学生目線で書かれているので、就活生の親御さんもお子さんの心情を汲み取る参考になる本だと思います。

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    投稿日: 2016.08.06