同じ作者の『霧の彼方に』の続編。前作を読んでなくても楽しめますが、ヒーローのニコラスと、彼の妹で前作ヒロインのメアリアンとの関係を知っておくと、さらに楽しめるかも。前作に比べると、ややおとなしい印象ですが、飽きさせません。 ロマンス小説には、時折考えられないくらいおバカなヒロインが出て来て、神経を逆撫でされる事がありますが、本作のヒロインは、キリッとしたお姉さんキャラ。そして脇がいい。ファーガスおじさんがステキ。

ヒロインは愛される妾の愛される娘だけれど、正妻にはイビリ倒されている。正妻と妾が一緒に住むと言うのは封建領主には珍しくなかったのだろう。意地の悪～い（むしろ心根が腐ってしまった）正妻ではあるが、何故か物悲しく憐れみを覚えてしまう。ヒロインは可愛いげのあるタイプ。ストレスなく楽しめる作品。なお、横書き仕様。