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下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち
内田樹
講談社文庫
学ぶ子の育て方?!
何故、子供たちは学ぼうとせず、若者たちが働こうとしないのかを、自説・他説を交えながら明らかにしていく良書。講演をベースにし書き下ろされているので、平易な言葉で書かれているので非常に読みやすい。本書の中では、貧富の格差による家庭の教育力格差、それにより生じる正負の拡大再生産により、一層の格差社会化が進むことを指摘している。 教育会の末端にいるものとしては大変興味深い内容で、改めて公的教育の役割や家庭教育のあり方について考えさせられた。個人的には、階層格差をブレイクスルーしていける人材を育てることが公的教育の役割だと考えている。そのためには、お為ごかしの教育改革ではなく、義務教育から高等教育、そして就労まで見据えた教育のグランドデザインの再設計が必要なのだろう。教育関係者のみならず、子育て中の方にもおすすめの一冊。
3投稿日: 2013.09.28
