
九月が永遠に続けば
沼田まほかる
新潮社
まさかの展開
不倫の果ての男女のミステリーかと思い読み始めたが、予想外の展開にビックリ。 シングル・マザーの不倫。突然の息子の失踪。 息子を探し回るうちに、失踪の裏に隠された人間関係が次々暴かれ、 先の読めない展開にページを捲るのがもどかしかった。 ホラー小説張りの人間の業に圧倒されっぱなし。
1投稿日: 2015.08.27ワルツ(中)
花村萬月
角川文庫
怒涛の展開
中盤からの怒涛の展開に夢中になり読破。 教科書には載らない戦争のネタや、任侠、賭場に関するネタに関心しつつ、物語の熱量に圧倒される。 下巻が楽しみ。
2投稿日: 2015.08.27ワルツ(上)
花村萬月
角川文庫
戦後の任侠道
敗戦から70年の今様々な資料本が出版されており、併読すると当時がイメージしやすく読める。 主要人物三名が戦後の混乱期に激動の人生を送る。 作者の戦争とは、国とは、任侠とはという思索が面白い。
2投稿日: 2015.08.27物乞う仏陀
石井光太
文春文庫
他には類を見ない。
実際のインドが、まんま描かれている。他の旅行記とは、違いアンダーグラウンド込みの現実を描いている。 約20年前に行ったインドと今じゃかなり変化しているが、裏の部分は表面化していないだけで残っていると思う。 目を背け蓋をする社会だが、こういう現実もあるという部分は知っていたほうがいいと思わせる書。
1投稿日: 2015.03.30黄色い虫 ―船山馨と妻の壮絶な人生―
由井りょう子
小学館
昭和の香りがプンプン。
惹句のようにヒロポン中毒になったり、極貧生活を送ったりと、凄まじい人生なのだけれども、船井の妻・春子の人柄からか陰惨さがない。 昨今じゃ、些細なことで目くじらを立てる親ばかりだけれども、春子みたいなのほほんとした親が昭和にはいた気がする。 というウチの母や祖母も、そんな感じである。
0投稿日: 2015.03.30時砂の王
小川一水
ハヤカワ文庫JA
ハラハラ、どきどき
時空を越え、外的から人類を守る人造知的生命体の死闘。 戦闘シーンが圧巻。 邪馬台国時代を軸に様々な時代の戦闘を描いていき、壮大さを見せる。 結末をどうするのか、気になって一気読みさせられる時間SF小説。
4投稿日: 2015.01.30花宵道中(新潮文庫)
宮木あや子
新潮文庫
儚い女性たち
一軒の女郎屋で奉公している女性たちの切ない話。 時代物は苦手でなかなか手を出さないジャンルだけど、知人に薦められ拝読。 やはり情景描写に比重が偏り、入り込めなかったけど、姉弟の話は情念渦巻き、読ませてくれる。 解説の嶽本さんが傑作!
0投稿日: 2015.01.30屍者の帝国
伊藤計劃,円城塔
河出文庫
傑作!
架空史であるが、登場する人物たちが凄い。 史実の人物はもちろんのこと、小説のキャラまでが入り乱れての、冒険小説。 そして、バックボーンには生命とは?というテーマがあり、深さまである。 今月、文庫化されたから、また読んでみようかな。
0投稿日: 2014.11.08鮮血のヴァンパイヤー 九鬼鴻三郎の冒険(1)
笠井潔
講談社文庫
九鬼の若かりし頃
若い日の九鬼の活躍。 ヴァンパイヤー戦争本編を読んで、この前日譚を読んだ方が面白いかも(出版順に)。 しかし、ライトノベル調のカバーより生頼範義の方が世界観は合うな。
0投稿日: 2013.10.13坂本ですが? 1
佐野菜見
HARTA COMIX
ついニヤケテしまう。
コールな坂本くん。突き抜けたクールぶりに周りの人たちは次々と彼の虜に... 勿論、読者も読了後、虜になってしまう。 続きが楽しみ。
1投稿日: 2013.10.12