
守り人シリーズ電子版 4.虚空の旅人
上橋菜穂子,佐竹美保
偕成社
これは『外伝』ではない!
確かにこの物語の主人公はチャグムで、本来の守り人シリーズの主要人物であるバルサもタンダもトロガイも直接的には登場しませんが、これは決して『外伝』とは言えません。 『精霊の守り人』や『夢の守り人』を読んでいるからこそ分かる文章が満載ですし、これらの物語をくぐり抜けてきたチャグムとシュガがこれほど成長したのかと、感慨深くさせられます。 また、これからの『守り人』シリーズの行く末を大きく暗示してもいます。 『外伝』だからと後回しにせず、順番通りに読むことをお勧めします。
1投稿日: 2016.03.29
狐笛のかなた(新潮文庫)
上橋菜穂子
新潮文庫
人間の業について考えさせられる
善悪がはっきり別れてはいません。 ある人にとっては悪人が、見方を変えれば被害者になる。ただ人間の業について深く考えさせられるお話しです。 最後は悲しい終わりとも幸せな終わりとも取れます。人それぞれ色々な感じ方があるでしょう。私は幸せな終わりだと思いました。 皆さんも是非、ご自分で読んで感じてみてください。
3投稿日: 2016.03.08
守り人シリーズ電子版 2.闇の守り人
上橋菜穂子,二木真希子
偕成社
「バルサが主役」の物語
『守り人』シリーズの主人公バルサは用心棒であるが為、バルサよりも守られる対象が主役になりがちなのですが、これは本当にバルサが主役の物語です。シリーズでは(番外編を除き)唯一と言えるかもしれません。自分と向き合うバルサを思う存分堪能できます。 『闇の守り人』は『精霊の守り人』よりも先に読んでも良いように書かれています。そして『精霊~』は子供に『闇の~』は大人にファンが多いそうです。 私はタンダが好きなので、タンダの出てこない本作は少し物足りないのですが、でもバルサをより好きになれるのは本作の方かなぁ? あなたはどちらがお好みですか?是非、読み比べてみてください。この二冊がお気に召したら、もう作者の手の内。シリーズを全巻読破してしまうでしょう。
3投稿日: 2016.03.04
守り人シリーズ電子版 1.精霊の守り人
上橋菜穂子,二木真希子
偕成社
待ってました!
いよいよ『守り人』シリーズがリーダーストアにも登場しました!どれだけ待ちわびたことか。 ここからバルサの物語が始まります。バルサは確かに強い用心棒ですが、超人ではありません。何度も傷付きます。勝って相手を倒した(殺した)時でさえ、心を傷付けます。深さ、優しさ、そして燃えたぎる血を持った、魅力的な三十歳の女性です。 魅力的なのはバルサだけではありません。バルサの幼なじみで薬草師のタンダ、一癖も二癖もある呪術師トロガイ。そして『皇子』からどんどん『普通の子』として成長していくチャグム。どの登場人物からも目が離せません。 上橋菜穂子さんの書く物語は、ファンタジーでありながら大地に根差し、常に土の匂いがします。子供だけでなく大人にもお薦めのシリーズです。
5投稿日: 2016.03.04
アガサ・クリスティー百科事典 作品・登場人物・アイテム・演劇・映像のすべて
数藤康雄
クリスティー文庫
クリスティーが読みたくなる!
主にクリスティーの全作品の批評です。 うんうんと納得できるところもあれば、著者とは意見の合わないところもあります。 でも、読み終わって一番に思うことは、「クリスティーが読みたい!」
0投稿日: 2016.01.13
第四 若草物語
L・M・オルコット,吉田勝江
角川文庫
いよいよ最終巻
前作では幼かったプラムフィールドの子供たちも大人になり、それぞれの道を歩んでいきます。 ありふれた日常を送る子、大きな試練を与えられる子と様々ですが、帰って来る場所はプラムフィールド! 若者につきもののロマンスも健在です。が、最後はいつものような爽快なハッピーエンドではありません。 読み終えたばかりの現在、ああ、もう『若草物語』は終わったんだなという寂しさがつきまとっています。
0投稿日: 2016.01.13
第三 若草物語
L・M・オルコット,吉田勝江
角川文庫
『ナンとジョー先生』の原作です
ジョーと夫のベア先生が経営する学校の子供たちが繰り広げる物語です。その中にはジョーやその姉妹の子供たちも含まれています。 『ナンとジョー先生』では主役だったナンは、この本では途中からの登場になります。そしてジョーも先生とは呼ばれていないので、アニメをご覧になった方は違和感を感じるかもしれません。 様々な事件を巻き起こす子供たち。そんな子供たちを大きく包み込むベア先生とすっかり大人になったジョー。 四姉妹のマーチ家から舞台は変わりますが世界観は変わらず、前二作と同じく楽しめます。
1投稿日: 2016.01.13
若草物語
L・M・オルコット,吉田勝江
角川文庫
四姉妹に溢れる人間味
若草物語の四姉妹はそれぞれ異なる欠点を抱え、それに度々悩まされます。その欠点を抱えながらも、善良であろうと一生懸命に生きています。 四姉妹を襲う様々な事件。それはごくありふれた日常に転がっているものですが、彼女たちは大真面目です。そして事件を乗り越える毎に成長する姉妹たち。 何と言っても読後の心地よさを味わっていただきたい! この本の訳者である吉田勝江さんの文体は少し古風ですが、それがまた物語の魅力を増しています。
1投稿日: 2016.01.13
続 若草物語
L・M・オルコット,吉田勝江
角川文庫
続編も面白い!
新婚のメグ、相変わらずのジョー、病弱になってしまったベス、そしてレイディに華麗に変身したエイミー。まったく違う性格の四姉妹の生活が変わらず活き活きと描かれています。 お隣のローリーとジョー、そしてエイミーのロマンスの行方は? そしてベスを襲う悲劇に一家は・・・。 続編は面白くなくなることもよくありますが、若草物語に限ってはそのようなことはなく、最後まで一気に読んでしまいました。
0投稿日: 2016.01.13
