
三面記事小説
角田光代
文春文庫
本当の事件をモチーフにした、リアルな小説
日本で起きた事件をモチーフにした短編小説です。 当時新聞やテレビで見た記憶に残っている事件も描かれていて 大変興味深かったです。 そして、一つ一つの事件の背景をうまくとり入れながら 読みごたえのある作品になっており、引き込まれて半日で読み終えました。 特に、自分の恋人の妻を殺して欲しいと代理殺人を依頼した女性の事件は、 女性の心情の移り変わりが見事に表現されており、圧巻でした。 何故彼女があそこまで追い詰められたか… 何故恋人があそこまで変貌してしまったのか… それは環境だけではなく、彼女の性格がそうさせてしまったのかもしれません。 角田さんの小説は冒頭の文章から読者を引き込む力を持っています。 こちらは短編小説ですが、どれをとっても重く考えさせられる内容でした。
1投稿日: 2014.09.15
森に眠る魚
角田光代
双葉文庫
崩れたママ友関係は単純なボタンのかけ違いなのか…いや、いや違う…
同じ年代で幼児を育てるどこにでもいる女性5人の物語。 最初は一人一人の名前や家族構成に戸惑うこともありますが、 読んでいくウチにその人の生活や性格がよくわかっていきます。 子供のちょっとした行動やママの言動で左右されるママ友関係が 痛いほどうまく表現されており、一体自分はどのママに似ているんだろうとも 考えてしまいました。 他意の無い発言が時に爆弾にも変わるかもしれない… 夫や子供の格でママの立場も変わり、嫉妬や妬みも生まれます。 そこが、大人になってからの子供を通してできた『ママ友』の脆さでもあります。 それを乗り越えた時に真の友人になれるのかもしれません。
5投稿日: 2014.09.14
私の男
桜庭一樹
文春文庫
現代のタブーを描いた作品
時系列がうまく書かれていて、舞台の情景も頭に浮かびやすい作品です。 でも、内容はかなり重いので読破するのに気力を使います。 それは、やはり現代のタブーを描いているから。 フィクションだからいいとかは通用しない内容です。 特に女性の方は不快感を感じる人も多いと思いますが、 本は本、現実はまた違うと線引きのできる方にはオススメします。
2投稿日: 2014.09.12
ストロベリーナイト
誉田哲也
光文社文庫
アンダーグラウンドな世界
インターネットがはびこる今なら、リアルにあってもおかしくない世界を描いた作品。 死体の始末の不備から露見し始める、恐ろしい真実。 狂気の世界を知っていけば知るほど、人間ってこんなに残酷なのだろうかと考えさせられました。
10投稿日: 2013.09.26
進撃の巨人(1)
諫山創
別冊少年マガジン
ありそうで無かった内容
今話題の、進撃の巨人を電子書籍で読んでみました。 内容はネットや雑誌などで多少知っていましたが、 実際読んでみると、今までありそうで無かった近未来の話に 引きこまれました。 私たち人間は生まれた時から当たり前のように 人間が支配する地球で自由に暮らせましたが 近い将来、「巨人」が支配する星になっても 何らおかしくないのでは・・・という思いにもとらわれましたね。 1巻では巨人がどうして地球に現れたのかなどの 詳しい理由が何もわかっていません。 これから徐々に解明していく面白さがこの作品にあるのでは ないかと思います。 2巻が楽しみです。
3投稿日: 2013.09.25
