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kirinmさんのレビュー
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  • アキラとあきら 下

    アキラとあきら 下

    池井戸潤

    集英社文庫

    バンカーの本質

    他の池井戸作品にあるバンカー同士の確争いは排除して、貸出先企業グループの同族であるが故の泥臭い嫉妬、確執とからめて物語が進みます。主人公二人の生い立ち経験から、バンカーとしての有り様をまっとうしようとする行動に、バンカーの本質を見た思いです。

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    投稿日: 2021.02.18
  • 雨に泣いてる

    雨に泣いてる

    真山仁

    幻冬舎文庫

    タイトルがすべてを物語る。東日本大震災いや東北大地震の・・・

    詳細な取材の上で書き上げる真山作品は流石です。当時、新聞やテレビを通して見た記憶とシンクロしながら、主人公のベテラン新聞記者の葛藤が伝わってきます。 東北大地震を契機に、想定外の津波が原発事故までも引き起こした東日本大震災。 発生から7年を経て、記憶には残りつつも人々の日常の意識からは消えつつある今だからこそ、多くの方にお勧めしたいです。

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    投稿日: 2018.04.29
  • ハゲタカ2.5 ハーディ(下)

    ハゲタカ2.5 ハーディ(下)

    真山仁,山田章博

    講談社文庫

    真山作品の最高傑作

    これまで真山作品を読みあさってきましたが、まさに最高傑作です。 謎に包まれていた真実がすべて明らかになる。 作者はシリーズを望まないらしいのですが、やはりハゲタカだけは特別ですね。

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    投稿日: 2018.03.19
  • ハゲタカ2.5 ハーディ(上)

    ハゲタカ2.5 ハーディ(上)

    真山仁,山田章博

    講談社文庫

    まさにハーディ

    その意味で、一番大切なのは、逞しさでもずうずうしさでもなく、耐寒性でしょう。厳しい状況に際しては、冷静に対処しながら反撃の時を待つ。 そんなタイプの主人公がとても魅力的に描かれています。

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    投稿日: 2018.01.31
  • 架空通貨

    架空通貨

    池井戸潤

    講談社文庫

    池井戸の初期の作品

    最近の池井戸作品を読み尽くし、ここで初期の作品が電子化されたので早速読んでみました。最初は文章の感じが最近の池井戸とは少し違う印象で、違和感がありましたが、読み進めるにつれ、その感覚はなくなりました。最近の作品と比べると、ひとひねり足りない感じはしましたか、素直に面白かったです。

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    投稿日: 2017.07.17
  • 小説 金融庁

    小説 金融庁

    江上剛

    講談社文庫

    池井戸作品とは一味違う

    池井戸と比べると、こちらは正統派といった感じです。最初は今一盛り上がりに欠ける印象を持ちましたが、読み進めるに従いっていつのまにか引き込まれていました。 評価は分かれるかもしれませんが、私は結構好きです。

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    投稿日: 2017.03.09
  • マグマ

    マグマ

    真山仁

    角川文庫

    胸が熱くなりました。

    地熱発電、テーマが重いからどうかと思いながら読みはじめましたが、結構わかり易い内容でした。エネルギー問題を改めて熱く意識させられます。そして何よりも、それぞれの人間模様が熱い。エピローグでは目頭も熱くなりました。 マグマなだけに、とにかく熱い作品です。

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    投稿日: 2017.02.26
  • ベイジン 完結上下巻セット【電子版限定】

    ベイジン 完結上下巻セット【電子版限定】

    真山仁

    幻冬舎

    福島第一原原発事故の予言書か?

    当然福島第一原発事故を取材してから書かれた小説と思って読み進めていましたが、原発事故は刊行後だということに、後書きを読んで気付きました。すごい! しかし中国という国は理解し難いですね。人と人としては理解しあえたとしても、そう簡単ではない。本当にスケールの大きい小説です。 ただし、結末がはっきりしないので、消化不良といった印象が残りました。

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    投稿日: 2016.08.28
  • 鉄の骨

    鉄の骨

    池井戸潤

    講談社文庫

    最終退行と真逆、池井戸らしからぬ魅力のある作品です。

    池井戸といえば銀行もの、特に半沢、次に花咲でしょう。もちろん池井戸作品には、銀行もの以外にも名作は多数ありますが、基本的には比較的弱い立場にある者が、自らの正義を信じ、巨大な相手からの不合理に立ち向かい、道を切り開いて行くという痛快ものといった設定が多いですよね。しかし本作は、決して正義を語れない仕事をしなければならない苦悩を抱えながら、犯罪行為とわかっていても、談合という必要悪と向き合い、逃れられないしがらみの中で組織の一員として必死に働く若者にスポットを当てています。状況やレベルは違っているとしても、私たちサラリーマンに取っては共感するところが多く、思わず唸ってしまいました。

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    投稿日: 2016.07.04
  • レッドゾーン(下)

    レッドゾーン(下)

    真山仁

    講談社文庫

    真山といえば、やはりハゲタカシリーズですね。

    真山作品の中には、自分が社会で生きていく上でのヒントがあちこちにちりばめられています。中でもハゲタカシリーズは格別。本作で明らかにされるアランの死の真実にも注目です。

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    投稿日: 2016.06.12